コミュニケーション:心理学総合案内「こころの散歩道」/社会心理学入門・出会いの道/コミュニケーション碓井真史

コミュニケーションの心理


人間関係の基本

コミュニケーションとは

コミュニケーションとは、情報のやりとりです。ある「意味」のやりとりと言ってもいいでしょう。個人のコミュニケーションについてうんと簡単にいえば、心と心の交流と言うこともできるでしょう。
コミュニケーションは、言葉を使ったり、文字を使ったりして行われることもあります。文字や言葉を使わなくても、、映像や音楽を使ったり、様々な態度、身振り手振りをつかったり)など(非言語的コミュニケーション:ノンバーバル・コミュニケーション)、いろいろな方法で行われます。
コミュニケーションがスムーズに行われれば、誤解が生まれず、お互いに相手の気持ち、考えを理解して、人間関係が上手くいくでしょう。
でも、なかなか難しいのが、人間同士のコミュニケーションです。

コミュニケーションとは、「暗号解読」

私たちは、テレパシーは使えません。人に伝えたい自分の気持ちを、言葉や態度で表して伝えます。これを、記号化とか符号化と言っています。
愛している気持ちを、「好きだよ」とか「君を離さない」という言葉で伝えたり、素敵なプレゼントを送ることで伝えたり、じっと見つめるといった態度で伝えることもあります。
この自分の気持ちの表現の仕方が、器用な人もいれば、不器用な人もいます。
たとえば、非行少年は猛烈に人からの愛を求めているのに、どうしようもなくその表現が不器用なのだと言う人もいます。愛してほしいのに、素直になれず、わざと問題を起こしたりします。
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誰かからきたコミュニケーションの言葉や態度。今度は、それを解読しなくてはなりません。
コミュニケーションの送り手→記号→解読→受け手
この「解読」が、器用な人と不器用な人がいます。
たとえば、デートの誘いを何度か「忙しい」という理由で断られれば、大抵の人はあきらめるでしょう。婉曲な断りだと解釈するわけです。でも、たまに本当に忙しいのだと思って、誘い続けてしまう人もいます。
本当は好意を持っているのに何度も断らなけれなならないとしたら、きっと相手から「その人都合が悪いけど、別の日なら」とお誘いがあることでしょう。
*自分は間違っていない、相手が誤解したのが悪いという人もいますが、大勢の人が誤解したとしたら、話した方の問題もあるでしょう。

コミュニケーションが上手くいくとき、いかないとき

言葉はたくさんあるのに、全然気持ちが伝わらない時があります。言葉なんか何にもなくても、(態度だけで)気持ちが伝わる時もあります。
それぞれの場面で、特別な約束事や、慣例があるときもあります。
たとえば、京都でお茶のお代わりを勧められたら、「そろそろお帰り下さい」という意味だと理解しなければなりません。
時代、地域、年代など、それぞれの場所でコミュニケーションのスタイルがあります。
日本の「どうぞおかまいなく」は、本当にお茶もコーヒーもいらないという意味ではありません。でも、アメリカで「ノー サンキュー」といえば、本当にいりませんという意味でしょう。
ビジネスマナーなどでは、「クッション言葉」などと言いますが、「コピー取ってきて!」ではなく、「コピー取ってきてくれるかな」と表現したりします。忙しくないと思っていても、「忙しいとこ悪いんだけど」と行ったりします。コミュニケエーションには、ときに人間関係がうまくいくための 嘘の正しい使い方が求められる時があります。
善意であっても、人を傷つける言葉もあります。
「善処します」は、本来は「適切に処置すること 」ですが、「政治家の用語としては「さし当たっては なんの処置もしないこと」の表現に用いられる。」(新明解国語辞典 ・三省堂)という場合もあるわけです。
新明解国語辞典は、他にもいろいろユニークな説明がありますね)

キャッチボールとしてのコミュニケーション

人と人との会話、コミュニケーションは、よくキャッチボールにたとえられます。キャッチボールは、相手の取りやすいボールを投げます。速すぎる、強すぎるボールは投げません。
だから話も、難しすぎたり、速すぎたり、長すぎたりすると、相手に伝わらなくなります。
「勉強!勉強!勉強!勉強!勉強!勉強!」何ていうのも、子どもが泣いたり怒ったりして聞けなくなっているとしたら、ボールを受け止められなくなってうずくまっている人にボールをぶつけ続けるようようなもので、それはもうキャッチボールではありません。コミュニケーションではありません。
一方、ゆるいボールを投げさえすればよいのかと言えば、それもキャッチボールが楽しめません。ちょうど良いボールが必要です。
コミュニケーションも、相手を見ながら、難しいマニアックな会話を楽しんだり、きついジョークを楽しんだり、甘いささやきあいを楽しむなど、互いの人間関係に合わせた内容や話し方が大切になります。
この話の内容、この話し方で良いのかどうか、私たちは相手の様子を見ながら微調整を行っています。それが、インターネット・コミュニケーションの場合は、相手を見ることができないので、トラブルが起きることも多くなります。携帯メールの言葉で誤解が生じることも少なくないでしょう。

私たちとコミュニケーション

ヒトが人間として生きていくために、コミュニケーションは不可欠です。良いコミュニケーションは、心の豊かさと社会の繁栄を生みます。でも、ゆがんだコミュニケーションは、心を深く傷つけ、社会を破壊します。
複雑化した現代社会だからこそ、現代はコミュニケーションの時代なのかもしれません。
2011.0603
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