心理学総合案内・こころの散歩道/読者の広場/3
兵庫のUさんとのメール交換
7.2
〜 子供たちの世界が、われわれが子供の頃と違い、陰湿な世界になっていることが、とても残念です。物質的に充足していなくても、心が豊かな世界であってほしいと願わずにおれません。
返信
社会や教育の側面を考えれば問題は山積です。私自身も、私の子どももその影響を受けてしまっています。
しかし、いろいろな問題はあるとしても、親が、子供を無視すのでもなく、ペットにするのでもなく、ひとりの人格として認め、あふれるほどの愛で包みこめば、きっと大きな問題が子どもの心におこることはないと信じています。
7.10
〜 最近の子供たちの行動や言動について、あまりのモラルの無さ、身勝手さに驚いてしまいます。この子たちが大人になって子供たちにどういうしつけをするのかと思うと、ぞっとします。
初等教育や家庭教育、ひいては社会全体のモラルが大切にされるべき時期にきたような気がします。
神戸の事件にしても、みんなが原因の擦り合いをしているようで、ちがうよ!と言いたくなります。
みんなが、それぞれの立場で、自分たちにおける間違い,思い上がりを反省し、改善して行くべきで、その事を問い掛けている事件だと私は思います。当事者だけでく、社会全体が。
心の教育が必要なんです。小さいうちから教えなくてはいけない。
人間としてあるべき基本の心を、大切にさせなくてはいけない。〜
返信
〜 モラルの低下の指摘は、他の人のメールにもありました。それには同感です。ただ、それではどのようにしたら、正しい道徳教育や心の教育ができるのかが、問題なのだと思います。
7.14のメールへの返信
> 教育や躾は、それを受ける側の気持ち次第だと思いませんか?
> 感銘を受ければ、受け入れることもできるでしょうが、つまらないと
> 思えば、馬耳東風です。今も昔も、大人も子供も同じです。(^^;)
その通りだと思います。同じことをしても、その人によって受ける影響はずいぶん違うでしょう。
教育やしつけの内容にもよるでしょうし、その二人の人間関係も大きいと思います。
> だから、三つ子の魂とは良く言ったもので、素直にすべてを吸収で
> きる幼児期の躾や諭しが大切なのだと思います。
個人的な思いとしても、心理学的にも、
乳幼児期の教育はとても大切です。
> そのような大切な時期が、いま、とてもなおざりにされているように思います。
乳幼児教育の専門家の方々は、熱心な人が多いのですが。
社会全体としては、知育偏重の教育になってしまっているのでしょうか。
> 人間的にしてはいけないこと、危険なことをしていると、昔は我が子も
> 人の子も同じように注意し叱る風景が、当たり前でしたね。
> 学校で先生にゲンコツをもらうのも、悪さをすれば当然でした。
> でも、いまは、そんな社会的背景もありません。
地域社会が子どもを育てていくということが、なくなったのでしょうね。
> 子供たちは、判断する基準を失い、相談する相手を見出せず、救いの
> 手も見出せず、マンガや映画やゲ−ムの世界で、自分の価値観とか
> ポリシ−を形成していっているのではないでしょうか?
親に問題があっても、他の家族、親戚、近所の人、教師、友人、誰であっても、その子を助けることができるのですが、誰からも助けてもらえない子どもがいるのでしょう。
現代日本の大人達も「判断基準」を失っていると思います。
> その世界が、非現実的なものであることを認識できぬままに、あるいは
> 認識しつつも、いつしか現実とオ−バ−ラップして行くのですから、そら
> 恐ろしいことです。
これについては良くわかりません。
> 子供たちは、叱られ、諭され、あるいは感銘を受けながら、自分なり
> の価値観、考え方を形成して行くのですから、家庭や学校,社会の
> 使命はとても重大です。低年齢期ほど。
同感です。心理学的には、この時期の広い意味での教育を通して、子どもの価値観、道徳観の基礎ができます。
> 少なくとも、幼稚園,小学校の教師達は、そのような認識と使命感を
> 持った人であって欲しいです。現実は、サラリ−マン集団です。
> 私企業のサラリ−マンなら、もっと気迫もあるでしょうが・・・・。
悪口として、「サラリーマン教師」なんて言われますが、なるほど、企業戦士のサラリーマン達は、もっと気迫にあふれているのでしょうね。サラリーマン教師なんて言い方は、有能なサラリーマンの方々にとって失礼な言い方ですね。
私も教員ですが、一般的に言って給料以上の仕事を使命感をもってやっている人もいれば、どんなにいい加減なことをしてもしても左遷も減給もないのをいいことに手を抜いている人もいると思います。
> 道徳教育とは、一種マインドコントロ−ルのようなものかもしれませんが、
> 人間らしいモラルを形成する教育であるという基本を踏まえたもので、
> 指導者が十分に訓練された人であるなら、知識教育以上に重要視される
> べきであると考えます。
一般にマインドコントロールは悪い意味で使いますが、
教育は良い意味でのコントロールだと思います。
(よろしければマインドコントロール研究所をご覧下さい。)
知識を生かすためにも、豊かな人間性が必要だと思います。
(時間ができたら、「EQ心の知能指数」のご紹介もしたいと思っています。)
> 人間を動かすものの一つが感銘であるのなら、感銘を与え、その事に
> ついて討議させ、自分の頭で考えさせることが大切だと思います。
> 身につくことは、自分で調べ考え悩んだ事柄ですよね。
心理学では、「発見学習」とか「内発的動機づけ」の分野で
そのようなことを実証しています。
(ただ、感銘や感動が与える影響力につては、心理学的には
未知の分野です。)
>
> 私も親として、そのような躾の努力をしているつもりなのですが、
> 現実は、人間ができていないので、ただ怒ってしまったり、生返事
> をしたりする事も多く、反省ばかりです。(^^;)
親もいつも元気があって、余裕があるわけではないですからね。
両親の互いの協力が必要だと思います。
> 散漫なメ−ルになりまして、申し訳ございません。
> 学者の先生に、生意気な私見を書いてしまいました。
> 失礼いたします。
メールのお返事は、心理学者として書いていますが、
実を言えば、
実際の子育てや社会生活などについては、
学者なんて不器用なものです。
これからも、機会があれば、いろいろ教えて下さい。
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