Rさんからのメールと返信
Date: Mon, 15 Sep 1997 15:20:37 +0900
From: r
時間がなくて全部読めなかったのですが(ページが重くて読み込むのに時間がかかります)、でも、楽く読ませていただきました。
どのページも真面目で誠実で、好感が持てます。実は私はここ3年ほど、鬱状態にハマッていまして、たびたび自殺を考えたりしています。とはいえ、なかなかタイミングがつかめず(どうしても仕事中心の生活になってしまうので)、今のところ考えだけに留まっていますが・・・。そんなこんなで、とうとう今週から精神科に通って本格的に治療することになりました。でも、精神科というとまだまだ誤解が多いようで、母は「強制的に入院させられるんじゃ・・・」と心配しています。一度手を放してしまうと、周りの人々の世界はとても遠いところに思えて、自分一人だけ時間の流れに乗れずに取り残されてしまうような感覚に襲われます。
人間関係って、個人にとって思っていたよりずっと重要な役割を果たしていたんだな、と今更ながら実感。もっと早く気づいていれば、いろんなことをもっと大切にできただろうに・・・。というわけで、こんなふうに突然人間関係のネットワークから外れてしまう場合もあるんですね。昔は、思いもよらなかった(それも、自分の主観的な現実でしかないのかもしれないけれど)。周り人は、まさか相手がそんな風に疎外感を感じているなんて思いもしないから、「普通に」接する。でもそれが、当人にとっては埋めがたい溝のように思えてしまう。
人に言えない傷や悩みを胸に抱いている人は、そんなかんじでいつもと同じ表情をしながら、徐々に孤立していく。何でもないような顔をしながら(ときには他人を拒絶するような態度に出たとしても)、心の底ではもっと自分に踏み込んで欲しいと願っているのかもしれない。
自分がそういう状況に陥った今、その経験を生かして、他人に対しても言葉にできない心の奥の本当の気持ちにアクセスできる人間になりたいとは思っているのですが。その前に自分を立て直すことが先決ですね。とりとめのないことを書いてしまってすみません。これからも、どうぞ温かく細やかなページをつくってください。情報として頭にしか入ってこないページが多い中で、このページはちゃんと心にも届きました。
返信
r 様
メールありがとうございます。
返信が遅れまして失礼いたしました。
At 3:20 PM +0900 97.9.15, rwrote:
> 時間がなくて全部読めなかったのですが(ページが重くて読み込むのに時間がか
> かります)、でも、楽しく読ませていただきました。どのページも真面目で誠実
> で、好感が持てます。
ありがとうございます。
このような励ましのお便りが、ページを作るエネルギーになっています。
ページが重いとのご指摘、ありがとうございました。
修正して少し軽くしてみました。(あまり変わらないかな?)
> 実は私はここ3年ほど、鬱状態にハマッていまして、たびたび自殺を考えたりし
> ています。とはいえ、なかなかタイミングがつかめず(どうしても仕事中心の生
> 活になってしまうので)、今のところ考えだけに留まっていますが・・・。
私もときどきうつ状態になります。人間関係も苦手です。
そういう心の部分があるから、心理学を学び始め、
「動機づけ(やる気)」をテーマに選んだのかもしれません。
うつの時は、ゆっくりと休んで下さい。
でも、お願いですから、自殺はしないで下さいね。
> そんな
> こんなで、とうとう今週から精神科に通って本格的に治療することになりまし
> た。でも、精神科というとまだまだ誤解が多いようで、母は「強制的に入院させ
> られるんじゃ・・・」と心配しています。
体の病気でも、心の病気でも、早めに治療を受けるのが、一番です。
たしかに、精神科への誤解や偏見は多いですね。
お母さんのご心配もわかります。でも、
このようなケースで、長期にわたっての強制入院など、考えられません。
心の病は、なかなかすっきりと治りませんが、
体の病気の糖尿病などと同じで、適切な治療を受ければ、
病気とうまくつきあいながら、社会で活躍することも十分可能です。
> 一度手を放してしまうと、周りの人々の
> 世界はとても遠いところに思えて、自分一人だけ時間の流れに乗れずに取り残さ
> れてしまうような感覚に襲われます。人間関係って、個人にとって思っていたよ
> りずっと重要な役割を果たしていたんだな、と今更ながら実感。もっと早く気づ
> いていれば、いろんなことをもっと大切にできただろうに・・・。
r さんがおいくつの方かわかりませんが、
良いことに気づいたときに、それが「遅すぎる」ことはないと思います。
いつだって、その良いことに気づいたことは、すばらしいことなのですから。
>というわけで、
> こんなふうに突然人間関係のネットワークから外れてしまう場合もあるんです
> ね。昔は、思いもよらなかった(それも、自分の主観的な現実でしかないのかも
> しれないけれど)。周りの人は、まさか相手がそんな風に疎外感を感じているな
> んて思いもしないから、「普通に」接する。でもそれが、当人にとっては埋めが
> たい溝のように思えてしまう。人に言えない傷や悩みを胸に抱いている人は、そ
> んなかんじでいつもと同じ表情をしながら、徐々に孤立していく。何でもないよ
> うな顔をしながら(ときには他人を拒絶するような態度に出たとしても)、心の
> 底ではもっと自分に踏み込んで欲しいと願っているのかもしれない。
みんなもっと深い人間関係を心の底では望んでいながら、
でも、それができない。心に痛みを感じている人は特にそうです。
現代の多くの人達の気持ちかもしれません。
(r さんって、すばらしい自己洞察力の持ち主ですね。)
>自分がそう
> いう状況に陥った今、その経験を生かして、他人に対しても言葉にできない心の
> 奥の本当の気持ちにアクセスできる人間になりたいとは思っているのですが。そ
> の前に自分を立て直すことが先決ですね。
ある心理学者が、こんなことをいっています。
「最も良いカウンセラーは、かつて大きな心の問題を抱えていて、
今はそれを解決できている人だ。」
痛みを知っている人は、人の痛みも理解できます。でも、
今痛くて我慢できないようなら、人のことを思いやる余裕がないのも当然です。
「自分を立て直す」ことが、まず第一だと思います。
時間はあります。ゆっくりと、しっかりと、立て直しましょう。
あなたは、とても知的で優しい人間なのだと思います。
今は少し、具合が良くないのかもしれませんが、具合が良くなれば、
もともとのあなたのすばらしさが、きっとまた花開くのでしょうね。
(もっとも、こんな風に積極的にメールを下さったわけですから、
それほど具合が悪いのではないのでしょうか)
> とりとめのないことを書いてしまってすみません。これからも、どうぞ温かく
> 細やかなページをつくってください。情報として頭にしか入ってこないページが
> 多い中で、このページはちゃんと心にも届きました。
楽しくメールを読み、返信を書かせてもらいました。
そんな風にほめていただけると、もう感激です!
あなたからのメールも、私の心に届きましたよ。
よかったら、またメールを下さい。
追伸:プライベートなメールなので、申し上げにくいのですが、
もし、可能であれば、このメールのやりとりを「読者の広場」で
紹介したいと思います。もちろん、匿名です。いかがでしょうか。
直接メールを下さるだけの元気や勇気はないけれど、
うつや人間関係で、同じように思っていらっしゃる読者の方が、
きっといると思うのです。
97.9.28
rさんからの再返信
Date: Wed, 1 Oct 1997 16:26:56 +0900
メール、どうもありがとうございます。
ほとんど独り言のような内容だったので、
まさかお返事をいただけるとは思っていなかった。
うれしかったです。
メールの公開の件ですが、こちらはかまいません。
今は、あのメールを書いたときよりかなり気分が
落ち着いています。というのも、こうしてネット上で
いろいろな人たちとコミュニケーションできるように
なったからだと思うのですが・・・。おかげで独りで
家にいても、以前ほどひどく落ち込まなくなったようです。
HPを検索していて気づいたのですが、世の中には、私と
同じような思いを抱えながらネットの世界をさまよっている
人が意外と多いようで、これには正直言って驚かされました。
そんな人たちが伝言板に書き残したさまざまなメッセージを
読みながら、ハラハラしたり、ホッとしたり、勇気づけられたり・・・。
ネット上なので、何もしてあげられないもどかしさを感じながら、
祈るような思いで励ましのメッセージを書き込んだりしています。
同時に、顔も名前も知らないたくさんの人たちから、私自身も
エネルギーを分けてもらっている。
一度傷ついてしまうと、他人に心を開くのがとても怖くなってしまう。
まして、心を預けるとなると、たとえ相手が専門医でも容易では
ありません。残念ながら、ネットの世界も現実の世界と同様に、
やさしい場所ばかりではない。でも、相手を見る目さえ養えば、
以前のように、周囲の人たちとも親密なつき合いができるようになる
のではないかと思っています。ネットは私にとってそのための訓練
みたいな役割も果たしているのかもしれません。
誰かが私の存在を認め、受け止めてくれる。そして私の中の可能性を
信じて、温かく見守ってくれる。それが生きるための何よりのエネルギー
になるのではないかと私は思います。(・・・あまりに些細なことなので、
健康なときはつい忘れがちになってしまうのですが)
いくら仕事に成功しても、受験に成功しても、その基本がなければ
人生は虚しいものに思えてしまう。やはり人は、他者との関わりを通して
しか自分の存在を確認することができないのでしょうね。
自分一人でがんばっても、空回りを繰り返すばかり。
意地を張らずに他者の力を借りることができれば・・・、
でも他人に心を預けるのは怖い・・・ そのジレンマを解消するために、
しばらくの間は静かに世界を観察してみようかと思います。今度は焦らずに、
再び周りの世界に参加する勇気が出てくるまで、じっくり待ってみるつもりです。
また、何かありましたらお便りさせていただきます。
Rさんへ
本当にその通りだと思います。
rさんが直感的に感じとっているそういう内容を、
これから、このホームページ上でも、心理学的に書いていきたいと
思っています。
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