心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座)/癒し・臨床心理学・躁(躁うつ病・双極性障害・気分障害)

躁鬱病・双極性障害・気分障害


躁とは(躁状態とは)

躁(そう)、躁状態とは、鬱(うつ)の反対で、気持ちが高揚した状態、気分が大きくなった状態です。軽い躁の状態(軽躁状態)の時には、本人としては、とても気分がよく、次々とアイデアがわいてくるような感じがすると言いますが、周囲から見れば少し浮かれているように見えるでしょう。
躁状態が高まってくれば、何時間も話し続けたり、歌いだしたり、人に物やお金をやたらと上げるなど、やはり普通ではない状態が見られます。
また、いらつきや、暴言となって躁状態が現れることもあります。
*被災地での暴言がもとで辞任した前復興大臣の松本龍氏は、「軽度の躁状態」だったと主治医らが会見しています。(2011.0714)

躁状態による周囲の迷惑

うつ状態の時には、本人がとても辛いわけですが、家族や友人など周囲に迷惑をかけるのは、むしろ躁状態のときかもしれません。躁状態で、他人の家に上がりこんだり、何時間も話し続けたり、場所をわきまえず大声で歌ったり、どなったりなど、気持ちが大きくなりすぎているために、迷惑行為に及ぶわけです。
何度も躁状態を繰り返してきた人は、そのたびに家族が謝ってきたことでしょう。
アメリカのドラマER 緊急救命室 VII 第6話「突然の訪問」、 第7話「だれか助けて」では、女性レギュラー出演者の母親が躁状態で娘の勤務先の病院に登場します。とても明るくてにぎやかで気前がよい善人なのですが、やはりTPOをわきまえない非常識な言動が見られます。この母親のせいで、娘は苦労し続けてきたエピソードが紹介されます。

躁うつ病(双極性障害)とは

うつ病は、うつ状態になる病気。躁うつ病は躁状態と鬱状態を繰り返す病気ですが、もう少し詳しく説明しましょう。
躁も鬱も、感情、気分の病です。現在の分類では、「気分障害」と呼ばれています。
この気分障害の中に、うつ状態になる「単極性障害」と、うつと躁を繰り返す「双極性障害」があります。
単極性障害の中に、いわゆる昔ながらのうつ病である「大うつ病」(大はメジャーという意味)と、軽いうつ状態が続く「気分変調症」があります。
一方、躁とうつを繰り返す「双極性障害」の中には、重い躁鬱状態になる「双極I型障害」と、躁状態が軽い「双極II型障害」があります。
最近話題になる「新型うつ」などと呼ばれるのは、この双極II型障害です。
さらに、双極性障害の中には、躁状態も鬱状態も軽いのですが、ずっと慢性的に症状が続く「気分循環症」があります。

躁うつ病とうつ病の治療の違い

うつ病の場合は、うつ状態を抑える抗うつ薬を飲みます。しかし、うつ病だと思っていたのに、実は躁うつ病であり、本当は気分安定薬が必要だったということもあります。
躁うつ病(双極性障害)なのに、抗うつ薬を飲み続けると、躁状態が強くなってしまうことがあります。
うつ状態だけではなく、躁状態もあるとしたら、きちんとそれを医師に伝えましょう。話さないと医師もわからないことがあります。正しい診断を受け、適切な薬を飲みましょう。
ツイートする
 
 
***
うつ病の人との接し方:接し方に悩む家族、友人、同僚のために
 

躁うつ病(双極性障害に関する本)

「うつ」と「躁」の教科書
双極性障害―躁うつ病への対処と治療 (ちくま新書)
うつ病新時代―双極2型障害という病 (精神科医からのメッセージ)
双極性障害(躁うつ病)のことがよくわかる本 (講談社健康ライブラリーイラスト版)

碓井真史のツイッター 碓井真史のフェイスブック
 

 



  


癒し(いやし):心の病と悩みのための臨床心理学入門講座

東日本大震災の災害心理学

心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座)

 アクセス数(97.6.5から)

心理学入門社会心理学(対人心理学)心の癒し(いやし)・臨床心理学やる気の心理学マインドコントロール| ニュースの心理学的解説自殺と自殺予防の心理学犯罪心理学少年犯罪の心理学(非行の心理)宗教と科学(心理学) プロフィール講演心療内科心理学リンク今日の心理学(エッセイ) | 心理学掲示板心理学の本ホーム・心理学