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メール返信:いやしのために 2

「お願いだから、自殺しないで下さい」

 ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ
自殺といのちについて考える全てのひとのために

「いま自殺しようとしています」

返信

今、メールを拝見しました。

 

あなたが死ぬ前に、

私に話を聞かせて下さい。

あなたの言いたいことを、話して下さい。

言いたいことはありませんか。

私は聞きたい。

あなたの話が聞きたい。

 

どんな内容でも良いですから、

話を聞かせて下さい。

 

話をしないまま死んでしまうなんて、

決してしないでください。

約束して下さい。

話をするまで、決して死なないと。

 

死ぬのは、急がなくても、

いつでもできるのですから。

 

メールを下さい。

待っています。

 

待っていますよ。

 

私にでも、いのちの電話にでも、誰にでも、

あなたの思いを話して下さい。

 

待っていますよ。

 

さよならではなくて、

では、また。

 

東京いのちの電話  (03)3264-4343

 

「うつ・自殺」

返信

私もときどきうつ状態になります。人間関係も苦手です。

そういう心の部分があるから、心理学を学び始め、

「動機づけ(やる気)」をテーマに選んだのかもしれません。

うつの時は、ゆっくりと休んで下さい。

でも、お願いですから、自殺はしないで下さいね

体の病気でも、心の病気でも、早めに治療を受けるのが、一番です。

たしかに、精神科への誤解や偏見は多いですね。

お母さんのご心配もわかります。でも、

このようなケースで、長期にわたっての強制入院など、考えられません。

心の病は、なかなかすっきりと治りませんが、

体の病気の糖尿病などと同じで、適切な治療を受ければ、

病気とうまくつきあいながら、社会で活躍することも十分可能です。

Aさんがおいくつの方かわかりませんが、

良いことに気づいたときに、それが「遅すぎる」ことはないと思います

いつだって、その良いことに気づいたことは、すばらしいことなのですから。

 

みんなもっと深い人間関係を心の底では望んでいながら、

でも、それができない。心に痛みを感じている人は特にそうです。

現代の多くの人達の気持ちかもしれません。

 

ある心理学者が、こんなことをいっています。

最も良いカウンセラーは、かつて大きな心の問題を抱えていて、今はそれを解決できている人だ。

痛みを知っている人は、人の痛みも理解できます。

でも、今痛くて我慢できないようなら、人のことを思いやる余裕がないのも当然です

「自分を立て直す」ことが、まず第一だと思います。

時間はあります。ゆっくりと、しっかりと、立て直しましょう

あなたは、とても知的で優しい人間なのだと思います。

今は少し、具合が良くないのかもしれませんが、具合が良くなれば、もともとのあなたのすばらしさが、きっとまた花開くのでしょうね。

(もっとも、こんな風に積極的にメールを下さったわけですから、それほど具合が悪いのではないのでしょうか)

「自殺、自分の気持ち、神」

返信

メールありがとうございます。
メールがもらえて、とてもうれしいです。

私は、私のできる範囲で、
あなたのためにも何かをしたいと願っています。

ただ、私は神様でも魔法使いでもありませんから、
呪文一つで、あなたの気持ちを変えることはできません。

でも、あなたは、自分の気持ちが変わってほしいと
願っていらっしゃるのですよね。

だからこそ、こういうメールを下さったのですから。

そのように願っているのでしら、
気持ちは変わります。変えられます。

私のホームページも、
そのための一つの手助けにはなると思っています。

あなたが今どんな状況なのかわかりません。

最近、とても辛い出来事があったのかもしれません。
昔、あったのかもしれません。
それほど劇的な出来事はなくても、
とても傷ついているのかもしれません。

何かのために、辛い、悲しいと思うのは当然です。
心が弱りやる気がなくなるのも当然です。

でも、あなたが気持ちを変えたいと思い始めれば、
きっと気持ちは変えられます。

心の傷も、たとえ時間はかかっても、
いつかきっといやされます。

今は生きたくないと思っていても、
ほんの少し心の元気が戻れば、
また生きていこうと言う気持ちがわいてきます。

だから、決して死んだりしないで下さいね。

死ぬことができないのは、弱さの現れではありません。
生きる力が、あなたの中にあるのです

人に相談することも、弱さの現れではありません。
何とかしたいという、あなたの心の叫び、
そしてあなたの活力の現れです。

私は神を信じています。
なぜ、この世に悲惨な出来事が起こるのか、
わからないことはたくさんありますが、
私のことも、あなたのことも、心から愛している全能の神が、
この世を治めていると、私は信じています。

よかったら、またメールを下さい。お持ちしています。

「自殺、神」

返信

最初のメールをいただいたとき、

うれしく感じたのと同時に、

4行だけのメールを見て、少し心配 にもなりました。

Aさんは、メールを出すことによって、

自分の気持ちを変えよう、問題を解決しようと、

確実に一歩を踏み出している。

そんなふうに感じたのと同時に、

でも、今は心のエネルギーが弱っているために

4行だけのメールになったのかな、と感じました。

 

今回のメールをいただいて、

内容を読み、決して簡単で軽い問題ではないと

考え込みました。

でも、同時に、私の言葉に的確に応え、

自分の問題をしっかりと語っていらっしゃる様子を拝見し、

心のエネルギーを感じました。

 

悲しいとき、辛いときに、

思いっきり泣く、愚痴をこぼす、日記に書く、そして、

誰かに悩みを一生懸命話す。

これらは、問題を解決しようとする

心のエネルギーの現れです。

 

あなたが意識していないとしても、

あなたの心の奥底から、

気持ちを変えたい、元気になりたい、

問題を解決したい、幸せに生きていきたいという、

心のエネルギーが今あふれでようとしているのです

 

問題は、すぐには解決しないかもしれません。

でも、Aさんは、問題解決に向かって、

大きく前進しようとしています。

何度でも言います。

決して死んだりしないで下さいね

 

 

10年ほどの間に、活躍されながらも、

いくつもの別れや喪失を体験されたのですね。

そんな体験が続いたら、誰だって落ち込みます。

誰だって元気がなくなります。やる気もなくなります。

死を考えることも、あるかもしれません。

Aさんが今エネルギーがないと感じているのも、

当然です。

 

身体を酷使すれば、身体が疲れるように、

心を悩ます出来事が次々起これば、

心も疲れます。

  

そして、栄養と休息をとれば身体も元気になるように、

同じように、心も元気になります

特別な病気(たとえばガンやうつ病など)でない限り、

心の体も元気を取り戻せます。

人には、そういう力が、備わっているのです。

 

 

貯金が無くなったら大変です。困ります。不安です。

でも、「死ぬ道しか残っていない」ということはありません。

他にも、「いろいろな道」が、あるはずです。

 

 

優しいお返事をありがとうございます。

私とAさんは、通りすがりの者どうしですが、

それでも、すれ違いざまに、ほんの少しですが、

心が通い合うことはできると信じています。

そして、通りすがりの人間であっても、

やっぱりAさんが死んでしまったりしたら、

私は悲しいですよ。

 

 

私にも前は見えません。確実なことは何も言えません。

Aさんが、希望が持てなくて、

「一層の辛さが私を待っているような気が」されるのも、わかります。

私は、自分の人生には辛いこともあるだろう、

でも楽しいこともあるだろうと、そんなような気がします。

いえ、きっとそうだと思っています。

私は、Aさんの人生には幸せなことも起こるような気がします。

いえ、きっとそうだと思っています。

 

 

今はないのかもしれません。

でも、きっと回復します。

元気にご活躍していたときのAさんのエネルギーが

きっと回復します。

 

自ら死を選ばれる方は、心が弱っている状態の時に、

死のきっかけとなる出来事が起こってしまったのです。

辛い出来事も、心が強い状態の時には跳ね返せます。

 

一度自殺を試みた人は、特別な心の病気でない限り、

その後、毎月、毎年、自殺未遂を繰り返すことはありません。

 

その時は死のうと思っても、しばらくして少し心が元気になれば、

たとえ死を決意させた現実が何も変わっていなくても、

もう一度生きていこうという気持ちになれるのです。

 

 

その通りです。

私はいわゆる運命論を信じませんが、

神は、あなたが寿命を全うされるまで幸せに生きていくことを願っています。

 

私たちは、神からこの命を与えられました。

他人を殺すことが悪いことのように、

自分で自分を殺すことも良くないことなのです。

 

 

私も、神の考えが理解できなくて、疑問に感じることはあります。

何千年も前の聖書に出てくる人達もそうでした。

聖書のなかには、神への疑問や不満がたくさん出てきます。

イスラエル人は、エジプトで何百年も奴隷にされました。

キリストが生まれたころには、ローマ帝国の属国になっていました。

登場人物個人にも、病気や経済的問題など、様々な苦しみが襲います。

その時に、人々が疑問を感じるのは当然です。

 

でも、現代の私たちが、振り返ってみると、そこに

大きな神様の計画があったことを感じます。

 

また、当時の人達も、神への不満や疑問を激しく表現した後で、

全知全能の神が自分を愛してくれていると思い出せば、

現実の問題はまだ何も変わっていなくとも、

また理解も解釈もできなくとも、

神への不満が神への賛美に、そして涙が喜びに変わっています。

 

神は、人を愛しています。

でも、人は正しい道からそれてしまいました。

神は正しい方なので、人間の不正をそのままにはしておけません。

しかし、愛の神は人を全て滅ぼすことはできませんでした。

  

そこで、神の一人子イエスキリストを地上に使わし、

人間の身代わりとして、十字架にかけました。

キリストを信じる者は、全ての罪やのろいから解放されます。

そして、死から復活したキリストの復活の力をいただいて、

生き生きと歩むことができるのです。

 

神は、一人子を身代わりに差し出すほどに、

あなたを大切に思っています。

だから、あなたはあなたの命を粗末にしてはいけないのです。

 

何度でも言います。

決して死んだりしないで下さいね

 

私はAさんのために何もできないかもしれませんが、

メールを下されば、しっかり読みます。

よろしければ、またメールを下さい。

お持ちしています。

長文にお付き合い下さり、ありがとうございました。


筆者 注

 いただいたメールに神や宗教に関することがあれば、私もそれに応えています。普通のページでは、「思想」や「宗教」の問題として語っていますが、私信の中では、個人の信仰の問題として語っています。

 語っている内容は、私にとっての真実であるのと同時に、客観的に言って、キリスト教思想は自殺の抑止力にもなると考えています。

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