心理学総合案内「こころの散歩道」/マインドコントロール研究所/オウム報道
99.5.25
現在のオウム真理教が、どのような宗教なのか、はっきりとはわかりません。かつて犯罪を犯したという理由だけで、オウムを排除することはできないでしょう。
現在のオウムの実態がわからないとしても、かつてのオウムは、明らかに犯罪テロ集団であり、「洗脳」と「マインドコントロール」を使う「破壊的カルト」でした。
殺人等の犯罪は、刑法によって裁かれますが、破壊的カルトであるということだけでは、現在の法律では裁けません。
破壊的カルトは、マインドコントロールなどの悪質な手法で信者を獲得し、本人や家族や社会全体に害を与える集団です。
どのような奇妙なことを信じていたとしても、それは自由です。信教の自由は犯すべきではありません。
しかし、うそをついて信者を集め、マインドコントロールし、金を奪い、家族を奪い、人生を奪い、法を破らせるような破壊的カルトとは、戦わなくてはなりません。
現在の法によっては、裁けないことも、「破壊的カルト防止法」のようななものを作って、裁くことはできるでしょう。
ただし、十分に気をつけないと、破壊的カルトではない熱心な宗教団体や熱心な政治団体まで規制してしまう可能性があります。
一般の団体と破壊的カルトの違いは、普通の「商売」と「詐欺」の違いのようなものです。
普通の商売でも、お世辞ぐらいは言うでしょう。多少調子の良いことも言うでしょう。それは、道義的にも法的にも、許されることです。
しかし、法的にある範囲を超えてしまえば、詐欺罪が成立します。
信教の自由を犯さずに、同時に、破壊的カルトを防止できるような法整備を望んでいます。
ただし、法律だけに頼ることはできないと思います。
私は、宗教団体であれ、政治団体であれ、やましいことがないのならば、できるだけ情報公開をすべきだと思います。
オウム真理教は、これだけ注目され、一部マスコミから現在もウソやごまかしをしていると指摘されています。
他の団体でも同じですが、人々の疑問にはきちんと答えるべきでしょう。小さくない団体には、それだけの社会的責任があると思います。
必要な情報公開をしないとき、ウソをついていたとき、そのときには、私たちの社会全体で、問題を追及していきましょう。
オウムがテロ行為をしているときですら、一般の信者さんたちは、そのことを知らなかったようです。
かつてオウムの信者だった、今もオウムの信者であるという理由だけで、彼らを排除するのは、間違っていると思います。
オウムが今も危険な犯罪集団だとしたら、もちろん法によって裁かれるべきです。
そうでないとしても、もしも今も「破壊的カルト」だとしたら、社会全体で戦っていきましょう。
しかし、その団体の信者である(信者であった)というだけで、差別することは許されませんし、かえって破壊的カルトを勢いづかせます。
もちろん、その集団の中で犯罪に関わったとしたら、個人としても法的な責任をとるべきです。
けれども、信者さんたちを責めるだけでは、かえって信者と破壊的カルトとの結びつきを強くしてしまいます。
破壊的カルトに対する断固とした厳しい態度、同時に、信者さんたちが一般社会に戻れるような温かい態度の両方が、いま必要とされているのです。
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