新潟青陵大学:碓井真史-心理学総合案内こころの散歩道/ニュース/成人式2
「!?」
この問題についてのマスコミの大きいな報道が続いています(今朝の産経新聞(新潟)は一面トップ記事扱い)。当ページへのアクセスも、昨日YAHOOで紹介された直後は、5分間に200アクセスがありました。今現在も、10分間に200ほどのあくせすがあります。
多くの大人たちは怒っています。マスコミ報道によると、約9割の人が、告訴、逮捕について賛成しているようです。私も、告訴は間違っていないと感じました。けれども......。
そもそもタイトルに「!?」をつけたのは、「世間の人はそう言うけれども」という意味合いで付けました。大暴れだ、大変だ、叱りつけろ、というのは少し違うのではないかなと感じたからです。
逮捕 そして 世間
もちろん、自分のしたことには責任をとってもらわなければなりません。未成年なら未成年なりの、成人なら成人なりの責任をとってもらわなければなりません。
しかし、自分がしたこと以上の責任をとる必要はありません。私は法的なことはよくわからないのですが、この程度の犯罪の場合、「逮捕」までするのは普通のことですか。こんなに大々的な実名報道も普通のことですか。一般的には、起訴猶予でしょうか。
彼らは確かに間違ったことをしましたが、今逮捕されたことだけではなく、猛烈な社会的制裁を受けています。これは行き過ぎではありませんか。もちろん、彼らの行為に腹を立てることは当然だとは思いますが。
子ども 青年 大人
大人として、子どもが悪いことをすれば叱るのは当然です。でもそれはケンカではありません。ケンカは、所詮同レベルの人同士の争いです。大人は大人として、教育的に子どもを叱ります。
子どもが乱暴なことをするのは問題行動ですが、大人がそれに過剰反応してしまうとすれば、その大人の反応もまた問題行動です。
二十歳は子どもではありませんが、人生の先輩としての配慮はあってもよいのではないでしょうか。(今から思えば、「断固とした対応をとるぞ、告訴も辞さず!」と言って、しばらく相手方の様子を見るという方法もできたかもしれません)
いつの時代でも、大人にとって、青年は訳のわからない存在です。けれど、その青年達が次の時代を作っていきます。
今年成人を迎えた皆さん。21世紀はあなたの時代です。一緒に、この社会を作っていきましょう。
これから
起ってしまったことはしょうがないとして、今年の出来事を通して、私たちは何を学び取るのでしょうか。少年法改正問題も含めて、子ども、青年、大人の関係が何かギクシャクしているようにも感じます。
互いに理解できない部分があったり、ぶつかり合うこともあるでしょう。でも、みんなかつては子どもだったし、若者だったし、そして大人になっていくんですよね。
子どもから大人へ。私たちみんなの力で。
来年の全国の成人式が、今年よりももっと素晴らしい成人式になりますように。
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