こころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / 新潟女性監禁事件/傍聴


新潟女性監禁事件 2000.5.23
初公判を傍聴して1

傍聴券入手まで 裁判所の様子 法廷入室 被告の様子 ご両親の様子  

 犯罪史上例を見ない9年2ヶ月にも及ぶ監禁事件。今日(5.23)は、午後2:30からその初公判が行われました。私は、TBS系列のBSN新潟放送テレビのご好意により、傍聴券を入手し、裁判の様子を見ることができました。

 傍聴して、もっとも印象に残ったことは、あらためてこの事件の悲惨さを感じたこと、奇妙なまでに落ち着いて静かな雰囲気の被告、そして感情を押し殺しじっと裁判を傍聴する被害者の親御さんの姿でした。


傍聴券入手まで

 BSNから番組への出演依頼を受け、傍聴券に余裕がもし出れば、傍聴できるということでした。

 しかし、今日の裁判は、新潟地方裁判所始まって依頼の傍聴希望者が集まりました。抽選会場となった新潟市民体育館には、配付される27枚の傍聴券のために、2274人が集まり、抽選が行われました。

 幸いにして、BSNは3枚の傍聴券が当たりました。これをBSNとTBSで使います。(TBS「ニュース23」のキャスターの方は独自に1枚入手されたそうです)


裁判所の様子

 大勢のマスコミと見物人が集まっています。(デジカメで写真を撮りました)

 普段は駐車場になっている裁判所玄関前の広場も、今日は一般の方は立ち入り禁止です。地元マスコミ各社のテントが並び、裁判所前からの中継を行ないます。

 正門前と、建物の玄関前に、数えきれないテレビカメラやスチールカメラが立ち並びます。一つの局がいくつものカメラを用意します。大きな本格的なテレビかめれだけではなく、ハンディーなテレビカメラを持っているスタッフもいます。

 裁判所の横には、10台以上の中継車が並んでいました。

 私は、門のところの守衛さんに「BSNさんに呼ばれました」と告げて、中に入りました。(そう言っただけでそれ以上のチャックはなく、すんなりは入れました)

 いったん敷地内に入ってしまえば、裁判所の建物に入るのも、別にチャックはありません。中に入ると、職員の方々が、いつも通りの仕事をしていました。

 ただし、裁判所が見せたくない部分の窓については、目隠しがされ、警戒は十分です。

 3階に、今日の法廷があります。

 一枚の傍聴券を何人かで使いました。私は、最初に傍聴したTBS「ニュースの森」のキャスターの方から傍聴券を受け取ります。そして、法廷へ。


法廷入室

 法廷への入室のためには、まず傍聴券を見せます。次にポケットの中味を全部出したうえで、金属探知器により、ボディーチェックを受けます。

 入室するときに傍聴券を手渡し、途中で退室するときにまた傍聴券を受け取ります。

 私は、2:45から3:25分ごろまで傍聴しました。ちょうど、長い被害者調書を検事が読み上げていた時間です。一番最初の被告人出廷や冒頭陳述、罪状認否(被告の声が聞ける)は、見ることができませんでしたが、冒頭陳書は、すぐにコピーを受け取り、また裁判の最初の様子は、今傍聴してきたばかりの人から聞きました。

 法廷は学校の教室より少し大きいぐらいの大きさ。事件の注目度に比べると、なんとも小さな部屋です。私の席は、やや後ろの方でしたが、被告の真横、そして特別傍聴席に座る被害者の親御さんの斜め後ろの方でした。


被告の様子

 すでにマスコミ各社が伝えていると思いますが、写真が出回った高校時代の様子とは一変しています。かっぷくの良い体形。髪は前からかなり後ろまではげ上がっています。手入れをしているかのようにつるつるの逃避でした。後頭部の髪も短く刈り上げていました。

 彼の様子は、とても落ち着いて冷静に見えました。私は、彼の手の動きや、サンダル履きの足の動きを見ました。顔の表情を作ることは比較的簡単でも、不安や緊張が身体に現れることがあるからです。

 それでも、彼はむしろリラックスしているようにさえ見えました。「憮然(ぶぜん)としている」と表現したマスコミの方もいますが、私には、まるで修行僧のようにさえ見えました。

 少なくとも表面的には、反省も悔恨も、不安も緊張も読み取れません。

 裁判中は、撮影禁止ですから、法廷の様子や被告の様子はスケッチによって伝えられます。

 たとえば、テレビ朝日系列が使った似顔絵は、私の印象よりも「悪人顔」に描かれていました。TBS系列が使用したスケッチの方が、静かな顔つきで、私の印象に近いものです。

(このスケッチを描かれた方とBSNの局内で話したのですが、他局の似顔絵を二人で見て、「もっと穏やかな顔つきだったよね」と意見が一致しました)

 残酷な犯罪と、反省の様子はないけれども決して乱暴そうには見えない被告の様子。私は、被告の深い心の闇を感じました。


ご両親の様子

 被害者のご両親はだいぶ悩まれた末、傍聴を決心しました。私の席からお父さんの様子が見えます。すぐ目の前には、被告がいます。被害者女性の調書が読み上げられます。他人の私が聞いてさえ、胸が詰まるような過酷な監禁の様子が描写されます。

 お父さんは、表情を押し殺したように、ほとんど動くこともなく、聞き入っています。

 その様子から、かえってご両親の深い悲しみや怒りが伝わってきました。

5.23


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