はじめに
第一章 新潟少女監禁事件
九年二ヶ月ぶりの抱擁 / 偶然だった救出劇 / 手のひらからこぼれ落ちたチャンス / 1990年11月13日 / 少女強制わいせつ未遂 / 警察の嘘 / 監禁の家 / 逃げることをあきらめてしまった / 一冊のノート / いやなことばかりの三年間だった / 父親の死 / エスカレートする暴力 / 変態さん / 怖くて一歩も近寄れなかった / 逮捕 / 話し相手が欲しかった
第二章 少女はなぜ逃げなかったか
事件に横たわる心の問題 / ストックホルム症候群 / 恐怖と不安 / 監禁が心に与える影響 / 学習性絶望感 / 負けないために / 学習性絶望感の治療 / 9年間の監禁と「夜と霧」 / 「なぜ逃げなかったのか」は被害者を苦しめる / 大切な心のケア / マインドコントロールからの脱出 / 生活のための「社会的スキル」を学ぶ / ノートに書き続けた家族と自分の名前 / 行動すること、負けないために / トラウマ・PTSDと傷害罪 / 甘やかされて / 暴力へ / 引きこもり / 心の病 / 女性を監禁する犯人の心 / 外からの影響 / 依存と自立 / 豊かな社会の中で / 住宅街だからこそ
第三章 続出する特異事件の背景
京都小学生殺害事件
「酒鬼薔薇」と「てるくはのる」 / うらみ殺人 / 容疑者自殺 / 表現としての犯罪と自殺 / 遺族の心の癒し / 犯人が死ねばいいのか / 子どもたちのために /
和歌山毒カレー事件
地味だった少女時代 / こんな生活はいやだ。自由が欲しい / 次々と起きる事件・事故 / 結婚して変わった / 演技性人格障害 / 弱者としての女性被告 / お金への欲求 / 女性被告と毒
新潟毒茶事件
まじめ社員が毒を盛るとき / パチンコ依存症 / 逮捕される安心感 / 報道と裁判と判決 / 懲役2年4月
グリコ森永事件
けいさつの あほども え / 事件から15年、私たちは何を学んだか / 劇場型犯罪
ドクター・キリコ毒物宅配自殺事件
インターネットが起こした事件 / 自殺の心理 / 自殺予備軍を助けるために / 自殺しようとしているあなたへ / インターネットと毒と自殺
第四章 犯罪者の心の闇と被害者救済
犯罪者の心理 / 心のバランス / 犯罪は環境のせいか、本人のせいか / 更生のために何が必要か / 殺人の心理 / 快楽殺人の心理 / 殺人の予防 / 犯罪と報道 / 犯罪被害者の心の傷 / 被害者を支える支援システム / 子どもを犯罪から守るために / 心の闇と光
あとがき
解説 山崎哲(劇作家)