新潟青陵大(碓井真史)/こころの散歩道/犯罪心理学/小学校乱入/下関
2001.6.14
6.14の報道によると、警察は今回の事件と1999.9の下関通り魔事件との類似点があるとして、注目している。
下関駅通り魔事件 1999.9 JR下関駅の構内で発生。駅構内まで乗り入れた乗用車で人をはねたり、ホームで8人を刺すなどして、5人が死亡、10人が重軽傷を負った事件。
両事件の類似点
大量殺人
一般的に大量殺人者は、自分も含めて、世の中などどうなってもいいと思っています。多くの場合、犯人は逃亡する気持ちが少なく、その場で逮捕(射殺)されるか、自殺しています。今回の両事件とも、挫折して自殺を考えた末に、無差別大量殺人を行いました。
詐病
下関の事件では、公判中に「幻聴」を訴えますが、鑑定で疑問視されています。大阪の事件でも精神病者を装う言動をとっているようです。
被害者
下関の事件では女性や高齢者、大阪の事件では小学校低学年児童と、両者とも弱者を対象としました。
診断
下関通り魔事件の精神鑑定によれば、、「妄想性障害で、回避性人格障害と妄想性人格障害もある」とされています。今回の大阪小学校児童殺傷事件の容疑者は、通院していた病院から「妄想性人格障害」という診断を受けています。
妄想性障害と妄想性人格障害と精神分裂病における妄想
妄想にも、内容的に程度の差があります。分裂病の妄想の中には、宇宙人や電波に操られているとか、テレビニュースで自分のことを報道しているといった、とても現実離れした妄想を持ちます。
妄想性障害(パラノイア)の場合には、追いかけられているとか、浮気しているのではないかといった現実にもありそうな内容の妄想をもちます。妄想性人格障害の妄想よりも、妄想性障害の妄想のほうが重く長く続きます。
妄想性障害は、妄想を持つ障害ですが、妄想性人格障害(パラノイド性格)は、現実的な根拠がないのに、他人への強い疑い、不信、警戒心をもち、屈辱感に対してとても過敏で、攻撃的であり、秘密主義的な性格です。
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