心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座)/講演活動(碓井真史対人心理学研究室)(心理学総合案内こころの散歩道)
ケアポートすなやま 講演会 98.9.1
新潟青陵女子短期大学 碓井真史
http://www2.n-seiryo.ac.jp/TEACHER/usui/index.html
賞罰によるやる気
・良い行動は、報酬を与えるのが、基本。
・少しでも、良い方向に近づいたら、報酬を与える。
少ししかできないからと言って、罰を与えるのは逆効果。
一歩づつでも、必ずいつかできるようになると信じよう。
達成動機
・達成動機とは、何かをやり遂げようとする動機
達成行動=成功を求める動機- 失敗を避ける動機
失敗への恐れが強いと、達成動機を発揮できない。
行動しないのは、やる気がないのではなく、
失敗を恐れているからかもしれない。
・高い達成動機を持つ人は、自分にとってちょうどよい目標を選ぶ。
達成動機の低い人は、易しすぎる目標や、難しすぎる目標を選んでしまう。
(失敗を避けたり、プライドが傷つかないため)
内発的動機づけ(賞罰を越えて)
・賞罰が何もないときでも、やる気は出る。
・内発的動機づけのもとは、自己決定(自律)、自己有能感、他者交流(受容感)
・賞罰による外発的動機づけよりも、内発的動機づけの方が、長く持続し、
質が高く、楽しい。
・自分が好きでやっている(自己決定)、能力が生かせる(自分の能力に合った課 題)、周りから受け入れられている、こういう環境で、内発的動機づけは高まる。
・賞罰でも、成績評価でも、自己決定感を奪うとき(人がそれに操られていると き)には、内発的動機づけは低下する。
*自己決定とは、自分で決められることは自分で決める、
自分で決められないことは、肯定的に受け入れる態度です。
日ごろから色々な場面で自己決定している人が、自律的な人です。
・親の達成動機が高いほど、子供の達成動機も高くなる。
ただし、親の達成動機が高すぎると、子供の達成動機は逆に下がってしまう。
・子供の自律(自己決定)を応援する環境(自律支援環境)や、
努力が報われる環境(応答的環境)が必要。
・内発的動機づけの高い自律的な人は、子供の自律性も育む。
上からの圧力や強い管理を受けている人は、自分の下の子供たちにも圧力を加え、 子供の自律性を奪う。
・高齢になっても、病気にならないかぎり、知能は下がらない。
機械的な暗記力や、思考や行動のスピードは、低くなっても、
高度の思考力を使う「知恵」(結晶性知能)は、低下しない。
能力が低くなったように見えるのは、やる気が低下したから。
・自律的な生き方をしている高齢者は、健康で長生きできる。
*現在の高齢者は、「人生80年」の第一世代。次の世代の者たちにたいして、ぜひ素晴らしい人生のお手本を示して下さい。次の世代が、自分も長生きしたいと思えるように。
燃え尽き症候群は、以前より広く、様々な職種で見られるようになった。
やる気も能力もあった人が、活力も熱意も自信も失って、仕事ができなくなる。
・原因:仕事量が多すぎる・努力が報われない・決定権がない・報酬が不十分・共同体の崩壊(仲が悪い)・価値観の対立(組織の考えについていけない)
・対策
個人:広い目を持つ・ストレスを発散する・給料が低くても、それ以外の報酬を得ようとする(客からの感謝、世間からの敬意、など)
組織:適切な仕事量にする・研修会を開く・決定権を与える・十分な給料を支払う・敬意を払う・リーダーが夢を語る(価値を共有する)
まとめ
私たちが、自律的な本当のやる気を持つことが、幸せになるコツかもしれません。
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