こころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / バスジャック/血も凍る
週間文春5.18号を読みました。人質になっていた18才の少女の証言です。バスの中の様子が生生しく描かれていました。
この事件の残虐性と少年の異常性を感じざるを得ません。
バスジャックを宣言した少年は、乗客に席の移動を命じます。彼は、眠っていて事件の発生を知らなかった女性をいきなり突き刺します。
バスから人質が逃亡するたびに何人もの人を何度も刺しています。人を傷つけること、命を奪うことに何の躊躇もないように感じます。
大量の血が流れ出し、バスの中は、血のにおいで一杯になりました。
彼は、最初の逃亡者が出たときに興奮して乱暴な口調になったきりで、あとは冷静だったようです。
* 別の事件ですが、先日いじめがエスカレートして殺人を犯してしまった少年が警察に出頭してきました。残酷な殺人犯ですが、恐ろしくなり、夜も眠れなくなって、苦しさに耐えられず、出頭してきました。
これが普通の殺人犯です。冷酷な犯罪を犯す人ですら、普通は、その被害者の顔や声が頭から離れず苦しみます。
また、多くの人質事件では、もっと人質を大切にします。仮に殺すこ自体が平気であっても、交換条件をひきだすための大切な人質をこんなに簡単に傷つけたり、殺したりはしません。
* 人質の人たちは本当に生きた心地がしなかったでしょう。中の様子がわかればわかるほど、被害者の心と身体の傷の深さを感じます。
そして彼の異常性を。
ただし、その「異常性」というものと、事件発生前の強制的な入院の是非や、事件発生時の法的な責任能力の有無とどうつながっていくのかは、今後さらに考えていかなくてはなりません。
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