新潟青陵大(碓井真史)/心理学総合案内こころの散歩道/犯罪心理学/毒物事件/奈良毒殺〔薬殺)未遂事件/続報
事件の報道が続いています。このサイトでは「ビジネス殺人」という言葉を使っていますが、犯罪心理学者の福島章先生はテレビのワイドショーで「欲望殺人」と話していました。
* 17日には、「二女、長男の死への関与ほのめかす」と報道されていましたが、19日の報道では、「長男死亡の関与否定」とされています。
また当初は、多額の保険金目当ての冷酷な殺人事件と行ったニュアンスの報道でしたが、容疑者は「生活苦から娘を殺し、自分も死のうと思った」と供述しているそうです。
この供述が本当だとすれば、保険金殺人ではなく、親子心中の失敗ということになります。まだ、はっきりしたことはわかりません。
* ところで、親子心中で親だけが生き残った場合、日本では同情的な見方もされますが、アメリカであれば凶悪で計画的な第一級殺人と見なされます。
私も日本人として、親の気持ちもわからないでもありませんが、でもやっぱり、子どもの命は子どものものだし、子どもの人生は子どものものだと思います。「長女に対し大変申し訳ないことをし、心の底からわびています」とも語っています。
日本では、「子どもは天からの授かりもの」なんて言いますが、キリスト教の文化圏では、「子どもは神からの預かりもの」です。
* 19日の報道によれば、被害者である長女(15)は、母をかばっているそうです。
児童逆の時などによくあることですが、すさまじいい虐待を受けながら、それでも親をかばう子どもがたくさんいます。
子どもはこんなに親に愛情を注いでいるのに、どうして親が子を愛せないのでしょうか。(児童虐待の心理は、単純に子どもを嫌っているわけではありませんが)
あるいは、歪んで肥大した愛情で、私がいなければ子どもは不幸になる、だから一緒に死のうなどと思ってしまうのでしょうか。
7.19
容疑者は、自分の実の親にも薬(毒)を使っていたという情報もあります。容疑者には交際していた男性がいて、この男性が今回の犯罪に関わっているのではないかとの考えもあります。長女の親権の移動の問題や、保健のかけ方など、疑惑は多く、やはり計画的な保険金殺人かとも報道されています。
7.22時事通信の記事によると、警察は病院の告発によって「「このままでは長女の命が危ない」と“緊急避難的”に逮捕に踏み切ったため」、まだ捜査が不十分な点も多いようです。この記事が伝えるように、「全容を解明するまでにはしばらく時間がかかりそうだ」というのが、現在の状況でしょう。
一部報道機関は、容疑者は「心因性」の病気によって職場を休んでいたと報じています。一般に心の病と言われるものの中にも脳の病気と思われる「内因性」のものと、ストレスなど心の問題が原因となる「心因性」のものがあります。
7.23
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