こころの散歩道:心理学総合案内/ 犯罪心理学 / 京都小学生殺害事件(てるくはのる)の犯罪心理学/当たり前


「根拠もなしに」vs「当たり前」
読者からのメールに答えて


これは、それぞれ違う部分をお読みになってのメールだとは思いますが。

 以前、特に神戸小学生殺害事件に関するページに対して、複数の方から「根拠もなしに無責任なことを言うな」「お前の言うことは間違ってるぞ」といったメールをいただきました。

 今回、京都小学生殺害事件に関するページに対しては、複数の方から「当たり前のことを言っているだけ」といったメールをいただきました。

 根拠もなしにと言われたときは、正直少し驚きました。自分としては、心理学から見てごく一般的なことを言っていたつもりだからです。たとえば、少年非行は、深層心理としては、愛に飢えた少年の心のSOSだというような内容です。

 心理学の教科書にも出ていますし、私が授業や講演でそう話しても、今までだれも反論しませんでしたから、この読者からの反応は新鮮な驚きでした。教室や講演会場をでて、社会に対して発言するのは、こういうことなのかと学びました。

 心理学の特殊性もあるでしょうが、心理学上の定説だといっても納得してくれる人もいれば、そうでない人もいる。みんなにわかってもらうためには、十分な説明が必要なのだと知りました(大学人なんて世間知らずでしょ。井の中の蛙だと言ったほうがいいかな)。ただ、根拠もなしにというは誤解だとは思いましたが。

 さて、今回は、「ワイドショーを見ていれば誰にでも言えそうな内容」とか「当たり前の道徳的な内容」とのメールをいただいています。

 「当たり前」について。

 実は、毒物事件に関するページを作っているときに、私自身が感じていました。アクセスも増え、いくつかのマスコミが取り上げてくれたけれど、自分は奇をてらったページ作りをしていないし、当たり前のことを言っているだけなのにと。

 朝日新聞大阪本社主催の座談会に出たとき、ある参加者にこの疑問をぶつけてみました。その人は、こう答えてくれました。

「その当たり前のことを言う人が、少ないんですよ」

 当たり前のことを言うだけだから価値がないのか、当たり前のことを当たりまえに言うからこそ価値があるのか、このホームページがどうなのか。それは、読者のみなさんが評価していくのだと思います。価値のないページは、いずれ、すたれていくでしょう。

 幸いにして、今回のページも、いくつかの大きなサイトやマスコミが取り上げてくれました。事件を食い物にして売名するような人間には落ちぶれたくないと思っていますが、発言者として、自分の意見が取り上げてもらえることはありがたいことだと感謝しています。

今回の事件に関して、

 このページで、例の「てるくはのる」について非常にユニークな解釈をていたとしたら、それで掲示板でも盛り上がっていたら、今よりもアクセスはずっと増えたかもしれませんが、たぶんそのウェブマスターの意見がマスコミに出ることはなかったでしょう。

神戸の事件の時に、

 少年の顔写真や実名を出したページは、当ホームページとは比較にならないものすごいアクセスを得たようですが、私はそんな気はありませんでした。犯人を制裁することも、犯人を推理することも、このページの目的ではないからです。

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