心理学総合案内「こころの散歩道」/災害心理学/新潟県中越地震/避難所/自立

自立した避難所生活のために
ボランティアさんを活用しよう。

2004.11.1

ボランティアにおんぶにだっこ?

避難した直後は、全面的にボランティアさんや、役所の人や、自衛隊に頼らなければならないこともあるでしょう。
たしかに、必要な援助が早々に断ち切られては困ります。しかしい一方、いつまでも頼ってばかりでも困ります。
阪神大震災のときの失敗事例の一つだと思うのですが、長期にわたってボランティアさんの援助を受けているうちに、しだいに被災者からの要求が高くなってきます。
本来は自分でもできるような細かなことまで、ボランティアさんに頼り、要求します。このころには、ボランティアさんもしだいに心身ともに疲れがたまってきます。そんなとき、むりな要求を頼まれたりすれば、衝突することもあったようです。

被災者はみじめであわれ?

大きな体育館に布団を敷き詰め、ざこ寝のような生活。食べ物や飲み物をもらうために、長い行列を作る。これは、かっこいい生活とはいえないでしょう。
様々な被害者が持つ一般的な被害者心理の一つとして、自分が弱く無力で哀れな存在だと感じてしまうということがあります。ただでさえそうなのですから、避難所生活の中で、そんな否定的感情を持ってしまうこともあるでしょう。
しかしそれは、もちろん、真実ではありません。

被災者は災害と勇敢に戦っている人々

被災者はたしかに大きな被害を受けましたが、災害のみじめな敗北者ではなく、災害に負けじと勇気をもって戦っている人々なのです。
ボランティアさんに面倒を見てもらっている弱い人間ではなく、ボランティアさんを有効に活用している有能な人々です。
この点をしっかり自覚しましょう。避難所生活をしている人にとっても、ボランティアをしている人々にとっても、どちらにとっても大切なことです。
このような意識をもって避難所運営を被災者自らの力で進めている避難所では、実際に避難所生活が快適になるだけではなく、被災者の心に、勇気と希望が湧くことでしょう。
ボランティアは、無力な人を一方的に援助する存在ではなく、本来、力と知恵を兼ね備えている被災者の皆さんが、はやくその力を取り戻せるように支援することこそが役割なのです。
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災害弱者 高齢者の心のケア、体のケア

より良い避難所生活のために

災害心理学 新潟県中越地震被災者のために


BOOK

阪神・淡路大震災における避難所の研究
 柏原士郎ら編著 大阪大学出版会

あのとき避難所は―阪神・淡路大震災のリーダーたち

あなただからできる自然災害ボランティアABC :リーダー必携シリーズ)

心理学者がみた阪神大震災―心のケアとボランティア

リンク

避難所での生活
(冨士市による詳しいノウハウ)


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