心理学総合案内「こころの散歩道」/災害心理学/避難所生活のために/ステップ
2004.10.28
より良い避難所生活のために(東北関東大震災)2011.3.15
できることならば、各避難所ごとに、有能なリーダーが立ち、ボランティアを巧みに活用しながら、被災者の安全と衣食住を確保すること(一次機能)と、生活復旧を支援するための機能(二次機能)の両方を持ち、その時期ごとに運営のあり方を工夫できればと思います。
***
続々と避難者が集まってきます。送れてきた人は、悪条件のところしか場所が取れません。場所取りをめぐる争いも起きます。救援物資も、人手も、まったく足りません。
余震も収まり始め、避難者も落ち着きを取り戻し始めました。
(今回の新潟県中越地震では、阪神大震災よりもずっと多くの余震が長く続いているため、避難者のみなさんは、なかなか安心できません。地震への不安を抱えながら、避難所生活を続ける心の痛みはどれほどでしょうか。)
食べ物、水以外の生活用品に対する要求も出てきました。
援助物資は多数届けられるようになりましたが、一部の避難所に偏ってしまう問題も出てきました。
トイレの問題が深刻化しています。
食料や水が安定して届けられるようになります。避難所ごとに自治組織ができ、運営のルールが作られていきます。
一方、風邪や、不眠、持病悪化など、健康問題が目立ち始めます。特にお年寄りが死亡するケースが多発しました。
また、プライバシーがない、食事メニューが単調といった生活上の不満が出てきます。
避難所での生活が安定し、避難所運営も軌道に乗ってきました。仮設風呂などもできます。その一方、精神的に限界に達する避難者も出始めます。
しだいに避難所内の人数が減り初めます。
ボランティアに疲れがたまってきます。(阪神大震災ではこのころ新学期が始まって学生ボランティアの数が減っていきます。)
そこで、避難者自らの運営をすることが迫られます。
仮設住宅が建設されていますが、不便なものも多く、空家が目立ちました。
町の機能が回復し、正常化へ向かいました。その一方、次第に援助が減っていき、避難所に残された被災者には辛い部分もありました。
避難者、ボランティアの減少によって、避難所運営が難しくなってきました。その結果、次々と避難所は解消されていきました。
しかし、避難所閉鎖を急ぐ行政と市民とのトラブルが続出しました。
○避難所を出て行きたくなかった理由
新しい住居を用意できない。
仮設住宅が、自宅から遠い、子どもを転校させたくない、近くに介護者が住んでいる、近くの病院に通っている。
苦労して築いた避難所の人間関係から出たくないなど。
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避難所のトイレ
BOOKS
『阪神・淡路大震災における避難所の研究』
柏原士郎ら編著 大阪大学出版会
『あのとき避難所は―阪神・淡路大震災のリーダーたち』
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