心理学総合案内「こころの散歩道」
新潟市中央公民館ライフセミナー21(1997.11.6)
Book 『性格は変わる、変えられる―多面性格と性格変容の心理学 』
渡邊芳之・佐藤達哉 著 自由国民社
新潟青陵女子短期大学 碓井真史
性格は変わります。あなたがそれを信じるなら。
性格の土台になるのは、「気質」です。これは遺伝によって決まる部分が大きく、あまり変化しません。その気質の周りに、育ってきた環境によって狭い意味での「性格」ができます。そのさらに外側に、その社会によって作られる「社会的性格」や今のあなたの立場によって作られる「役割性格」があります。この全体を広い意味での性格と言います。そして、外側の部分ほど変わりやすいものです。(実際にいくつかの心理テストをしてみましょう。)
「私は音痴だ。人前では歌えない人間だ」と思っていれば、人前では歌えないでしょう。でも、歌の能力は何も変わらなくても、「少しぐらい音痴な方が場が盛り上がる、私だって歌える」と思えば、人前で歌うでしょう。私が私自身をどう見ているか(どんなセルフイメージを持っているか)が重要です。
同じ気質でも、人によって性格は違います。それは環境が違うからです。性格は環境によって作られ、環境に適応していきます。暴力を使った方が上手く生きていける環境では、暴力的になります。干渉しすぎる親のもとで、自分の意見を主張しない方が上手くいく環境では、自発性のない子供が育つでしょう。
環境が変われば、その環境に適応するように性格も変わっていきます。ただ、環境が変わっても、一度身に着いた性格が変わるまでには時間がかかります。
(1)自分の性格を客観的に知る。
どの部分を変えたいと思うのかを自覚します。変えたい行動を自覚します。
(2)今の性格を作っている環境を知る
(3)その環境から離れる
たとえば、親から独立する、職場を変える、友人を変える
(4)環境を積極的に変える
最も良い方法は、自分の行動を変えることです。そうすれば環境が変わります。
(5)環境の意味を変える
渡る世間に鬼はなしと思うか、鬼ばかりと思うか。自分は嫌われていると思うか、好かれていると思うか。
(6)価値観を変える
仕事が大事か、家庭が大事か。お金が大事か、人間関係が大事か。
(7)思想や宗教の力
(8)環境のバラエティを広げる
職場と家の往復だけの生活で、職場の人間関係が悪い環境になって性格の問題が生じているとします。これでは生活の半分が悪い環境です。ところが、趣味を持ったり、新しい友人が増えたり、ボランティア活動に参加したりすれば、あなたの生活のは場が広がります。そして悪い職場環境は、あなたの生活のほんの一部分にすぎなくなります。
・ゆがんだ親子関係
・過去の悲しい出来事
・現在の周りからの期待(予想)
*それでも、あなたは自由になれます。
* * * * * * * * * * * * * *
まとめ
*行動や性格を変えれば、環境が変わり、環境が変われば、また行動や性格やあなた自身が変わり、そうすればあなたの人生が変わります。そんなことは不可能だと思っていれば、そのとおり不可能です。でも、私にもできると信じれば、もう半分成功したようなものです。これは、ただのなぐさめや、精神論ではなく、心理学的な事実です。
*ただし、今現在のあなたの性格を嫌ってはいけません。あなたは今のままのあなたで十分にOKです。こうして、ちゃんと社会の中で生きているのですから。だれかがあなたを嫌ったり、バカにしても、自分で自分を嫌ったりバカにしてはいけません。
「今のままの性格ではダメだから性格を変えよう」とは思わないで下さい。「私はかけがえのないすばらしい存在だ。だからこそ、もっと良くなろう」と思うことが、性格を変えていく秘けつです。
あなたはかけがえのないすばらしい存在です
オズの魔法使いの心理学:性格とは何か? あなたもなりたい自分に。Yahoo!ニュース「碓井真史の心理学でお散歩」2013.4.9
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