心理学総合案内・こころの散歩道

非行の原因と少年法改正

RKさんとのメール交換

筆者からの返信

メールありがとうございます。

At 8:40 AM 97.7.25,   .co.jp wrote:
> 少年法の改正について賛否両論があると思いますが私は罰を重くするしないより
> も、今何が原因で非行が増えているかをもっと論議するべきだと思います。

私もそう思います。

> 非行の原因が「かまって欲しい」とか「自分を持て余してどうしていいのかわか
> らないで」によるものであれば、少年法を改正して処罰を重くしても解決にはつ
> ながらないと思います。
>
> 非行の原因が「捕まってもこの程度ですむ」と考えているものであれば、少年法
> を改正して処罰を重くし、非行が割に合わなくすれば効果があると思います。
>

> 多分少年法を改正して処罰を重くすることを主張されている人は非行の原因が後
> 者に有ると考えていると思いますし、前者に非行の原因があると考えている人は
> 少年法の改正は無意味だと考えるのだと思います。

 心理学の理論のうえでは、おっしゃるように分類できるのですが、

ある非行少年がはたしてどちらなのかは、良く分からないことも多いと思います。

本人にも分からないのですから。

そうすると、判断する人によって、意見が分かれるということもあります。

また、実際に一人の人に2つの理由が同居していることもあるでしょう。

> また非行の主な原因が「かまって欲しい」にある場合でもなぜそれが犯罪という
> 形で現れるのかを考えたとき、少年法の処罰が軽いためかもしれません。

これは難しいですね。私はそうではなくて、少年の心の問題だと思うのですが。

> 非行の原因がどんな観点から何種類に分類されるかはわかりませんが、少年法の
> 改正を議論するにしても単純に一面からのみ見るのではなく出来ればいくつもの
> 観点から掘り下げた議論をして欲しいと思います。

同感です。私もそのように願っています。

> 出来れば非行の原因が「捕まってもこの程度ですむ」という心理についても解説
> していただければと思います。

> (少年少女の非行原因になってなければ意味は有りませんが・・)

>
> ここまで書いて、はたっと気がついたのは「少年法の処罰は軽い」という報道を
> そのまま鵜呑みにしていることです。
> ちゃんと自分で調べてからでないと安易にマスコミに踊らされてはいけないなと
> 思いました。

ニュース23の「多事争論」7.16で、

少年なら大したことにならないというのは誤解だと言う、

少年達へのメッセージがあります。

http://www.tbs.co.jp/news23/index.html

>

> 3歳3ヶ月と1歳7ヶ月の娘二人の父親としては「少年犯罪・非行の心理」のペ
> ージを読んで戦々恐々としております。
> でも本当に知りたいのは「動機付け」のページです。自分の経験も含めて共感出
> 来るところがたくさんあるので是非そちらでも意見を述べたいと思います。

わたしにも、幼稚園に行っている息子と娘がいます。

教師の子供がおかしくなるのは、よくある話です。

私の子供もどんなふうに育っていくのかは分かりません。

ただ、親として精一杯誠実に子育てをして、その結果として、

どんな子になるかは、もうそれはしょうがないと思っています。

「人知を尽くして天命を待つ」といった心境です。

そう思わなければ、恐くて子育てなんかできません。

でも、子供ってかわいいですよね。

お互いに子育てを楽しみましょう。

上記のメールへの返信として、
さらにいただいたメールの一部をご紹介します。

k> また非行の主な原因が「かまって欲しい」にある場合でもなぜそれが犯罪という

k> 形で現れるのかを考えたとき、少年法の処罰が軽いためかもしれません。

usui>これは難しいですね。私はそうではなくて、少年の心の問題だと思うのですが。

 この問題について色々考えましたが、自分の意見を見つけることが出来ませんでした。非行に走る前に色々な形で気づいて欲しいというサインを出して、それに気づいてもらえないため「ここまでやれば気づくだろう」と考えて非行に走ると仮定した場合、少年法の処罰は「ここまで」に至るハードルの高さだけなのかもしれません。

これは、単に周りがサインに気づくまでの猶予時間を長くしているだけで、問題解決にはならないように思えるからです。

 しかし、非行に走る前に気づくか後に気づくかではその後の人生に大きな違いがあります。だから単に無意味だと切り捨てたくない思いもあります。この考えも非行の原因のある一面でしかないと思います。やっぱり難しい問題ですし、テーマを絞らないと結論も出ないし、議論もかみ合わないと思います。

 ただ結論的には少年法の処罰を重くすることは非行の防止にはなるかもしれないが、非行に走る原因の解決には決してならないなと思いました。

 また基本的に処罰は犯した犯罪の重さに応じて、自分の行動の責任をとるため罰だと思っていますので、非行原因の解決にはならないからと言って軽くて良いというものでもないと思いました。どこでバランスをとるかだと思いますが、自分の中で納得できる結論がまだ出すことができないでいます。

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罰ではなくて報酬で犯罪は防止できるか

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