心理学総合案内・こころの散歩道

罰ではなく報酬による犯罪防止

hさんからのメールへの返信

メールありがとうございます。

At 10:42 PM 97.7.25,    wrote:

>  罰よりも報酬をとありますが、誰が報酬を与えるのでしょうか?

報酬とは、お金や物の場合もありますが、微笑みでも、ほめ言葉でも、

何でもいいので、親でも教師でも友人でも、報酬の提供者になれます。

また、他の人がいなくても、

その行為自体から報酬が得られることもあります。

行動への報酬とは、

ある行動の結果、何か良い報いがあることです。

>というより

> も、この事件に関して誰かから少年への報酬で犯行を止めることができたのでし

> ょうか?

人間や動物の行動が報酬と罰によってコントロールされているというのは、

心理学の一つの基礎理論です。

(フロイトの精神分析理論などとはずいぶん違う理論です。)

少年の場合には、動物を殺したり、人を傷つけることに報酬が与えれれたと

考えられます。つまり、それに快感を感じたり、

自慢になったりするということです。

人は、ウソをついたり、暴力を振るうことに何らかの報酬が与えられ続けると、

ウソつきで乱暴な人になり、

正直や優しさに報酬が与えれれれば(良い報いがあれば)、

正直で優しい人間になれると考えられます。

>私は今回の事件はこんなことでは止められない考えています。

犯行の直前に、何かがあっても、結果は変わらなかったかもしれません。

人の行動は、報酬と罰によって決まるという理論は、

つまり、生まれてから大きく育つまでの環境によって変わるという理論です。

>確かに少

> 年の時期には精神的に追い込まれついやっては行けないことをする人もいるでし

> ょう。ただ今回の事件はその段階を越えています。それでも普通の少年犯罪と同

> じように治療することが必要なのでしょうか?

どんな体の病気でも治療が必要なように

どんな心の病にも治療や教育などの援助が必要だと、私は思います。

そして、個人として責任を感じさせるとか、被害者側の心を癒すといったことも、

もちろん必要だと思います。

>  それよりも、私は今回の件で、14歳以下の少年たちが犯罪を犯しても罪には

> 問われない、社会が責任を持ってくれると甘い考えを持つことの方が恐ろしいで

> す。

たしかそうですね。

犯罪の中には、心の病によると考えた方がよいものと、
損得を計算したずる賢いものがあると思います。

冷静な人たちには、犯罪は割に合わないと考えてもらわないと困ります。

今回の事件がきっかけで、現在の法のままで

今までよりは長く少年院に収容することができるようななりそうです。

ニュース23の「多事争論」7.16で、

少年なら大したことにならないというのは誤解だと言う、

少年達へのメッセージがあります。

http://www.tbs.co.jp/news23/index.html


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