受験生のための心理学2、緊張、不安、アガリ予防。(新潟青陵大学大学院碓井真史)
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受験の緊張と不安に負けない方法2受験生と保護者のための心理学(受験必勝法)
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さあ、イメージしましょう。
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あなたは、入試の朝、さわやかに目が覚めます。「おはよう」とあいさつをして、おいしい朝ごはん。「いってきます」と元気に家を出ます。
(できるだけ、具体的にイメージしましょう)
バスに乗り、電車に乗り。あなたは試験会場へ。気力は十分。ベルが鳴り、入学試験がスタートします。問題を見ます。難しい問題もあるけれど、大丈夫。あなたは、落ち着いて実力を発揮し、次々と入試問題を解いていきます。
そして、試験が終わり、あなたは充実感と、深い満足感をもって試験会場をあとにするのです。
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このイメージを繰り返しましょう。そうすると、入学試験本番も、イメージ通りに、落ち着いて実力を発揮することができます。
このメンタル・リハーサル(メンタルトレーニング)は、オリンピック選手も活用している効果的な方法です。
メンタル・リハーサルは、気持ちの良い想像を繰り返すわけですが、これと反対のことをしてしまう人がいます。
入学試験で大失敗するイメージがわいてきて、その想像を続け、イメージを広げてしまうのです。これでは、本番がますます心配になってきます。
こんな想像は、やめましょう。
といっても、頭に浮かんでしまうものは仕方がありません。でも、それ以上想像し続けることは、やめましょう。そんな嫌なことが心に浮かんできたら、もうそれ以上試験のことを考えることをやめて、別のことをしましょう。
悪いイメージはすぐに止める。そして、良いイメージを繰り返す、心の予行練習を(メンタル・リハーサル)を続けましょう。
受験の朝、親の愛を感じましょう。
受験当日、あまり変なことをしてはいけませんが、きっとあなたの親は、心をこめた朝ごはんを作ってくれるでしょう。親の愛を感じてください。
玄関を出る時、いつもより優しく、いつもより力強く、「いってらっしゃい」の声をかけてくれるでしょう。その声に、愛を感じましょう。
親がしてくれる、ちょっとした心遣いに愛を感じましょう。
愛を感じると、不安と緊張は下がります。
(前のページ受験心理学:緊張と不安に負けない方法1にあるように、愛されている実感がテスト不安を下げるのです。)
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受験生の保護者の皆さんへ
子どもが愛されていると実感できるような、思いやりのこもったひと工夫を、いたしましょう。
僕はラッキーボーイだ。私はラッキーガールだ。そんなふうに思いましょう。
何でもいいんです。小さなことでいいんです。
横断歩道のところへ来たら、すっと青になったとか、道端に花が咲いていたとこか、何でもいいんです。
それでは、赤信号だったら運が悪かったのでしょうか。そんなことはありません。その赤信号のおかげで、あなたは事故から守られたかもしれませんし、一息ついて心が落ち着いたかもしれません。
「よし、運がいいぞ」と思うことが大切です。
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長野冬季オリンピックで金メダルを取った清水選手が語っています。
実は彼の直前のレースで、大きな転倒がありました。普通なら動揺するでしょう。清水選手はスケート靴をはき、準備を整えていたのですが、この転倒によるスタート時刻の遅れのために、もう一度スケート靴を脱ぎます。
何と、不運なことか。というふうには、清水選手は全く考えません。
彼は一度スキー靴を脱ぎました。黒岩さんが「落ちついて、自分のレースを」と声をかけます。清水選手によると、これで落ちつけたそうです。「うん。自分の間合いだ」と心で感じたと語っています。
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大丈夫、あなたは幸運な人間です。
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受験生の保護者の皆さんへ
たとえば、受験の朝、偶然茶柱が立っていても、いいと思いますよ。
受験の朝、テレビを見ていたら、今日の自分の運勢は最悪だった。ああ、こんな時はどうしましょう。
大丈夫です。
以前、テレビにも出ている占い師さんに直接聞きました。
運勢が悪いというのは、今日は実力以上の特別な力は働かないという意味だそうです。つまり、実力勝負の日だということです。運勢が悪いからと言って、あなたの実力が落ちるようなことは、決してありません。
(だから、悪い運を取るためにこの100万円の壺を買えなんていうのは、インチキ占い師だと、その占い師さんは言っていました)
あなたはただ、実力が発揮できるように、心身を整えればよいのです。
(今日の運勢が良かった人:はい、もちろん素直に、「ラッキー!」と喜びましょう)
あなたはなぜ、その学校を受験するのですか。
親に言われたから、先生に言われたからでしょうか。たとえそうであっても、誰かがあなたにナイフをつきつけて脅迫したわけではないでしょう。親や先生がいろいろ言ったとしても、結局最後はあなた自身がきめたことです。
そういうふうに思いましょう。「人に言われて仕方なく」「自分は操り人形だ」こんなふうに思っていると、パフォーマンスがさがります。
いやな部分があったとしても、それでもあなたが決めた進路です。そう思った方が、落ち着き、やる気も出て、力強くチャレンジできます。
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受験生の保護者の皆さんへ
子どもを操り人形にししまってはいけません。それでは、普段の勉強も能率が上がらず、入試当時も実力が発揮できず、そして新しい学校へ入学後も、不満が出てくるのです。
自分の道は自分で決めることが大切です。
もちろん、アドバイスは必要です。でも、自分で選んだ進路だと子どもが思えるように、サポートしていきましょう。
大人は子どもを導きます。その中で、良い大人は子どもに開放感を与え、悪い大人は子どもに束縛感を与えてしまうのです。
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精神科医和田秀樹著『メンタルトレーニングで受験に克つ―緊張に克つ、不安に克つ、ストレスに克つ 』
『東大生が選んだ勉強法 』
BOOKS:マックス・ルケード著 『たいせつなきみ 』(絵本) いのちのことば社
優れた人には金のシール、だめな人には灰色シールをくっつけあって暮らしている世界。ダメ印シールばかりだった主人公が、本当の自分の価値に気付きます。君もかけがえのない存在なのだとわかる絵本です。私はあちこちの講演会で朗読しています。ウェブマスター碓井真史著 『誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
秋葉原通り魔事件の青年も、県下一の高校出身でした。学力を高めるだけでなく、愛される親になるための方法について考えます。親を愛せることが、子どもにとっても何よりの幸せだからです。ウェブマスター碓井真史著 『人間関係がうまくいく 図解 正しい嘘の使い』
愛の押し売りは子どもを苦しめます。理屈だけでは、子どもは納得しません。あなたのことが一番好きだと、上手に子どもに伝える方法について考えましょう。
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