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ライフ スペース 2

記者さんからのインタビューに答えて


99.11.19

 今(19日 16:00)、私のホームページをご覧になった共同通信の記者さんから電話取材を受けました。ページを見てくれたことも、話を聞いて下さったことも、とてもうれしいですし、またご質問に答えていく中で、自分自身の考えをまとめていくこともできます。

さて、今回の事件の注目点は?

 以前から、おかしな自己啓発セミナー(心理カルト)かと思っていたのですが、今回の事件の前に、被害者団体からの話や、自己啓発セミナーに関する本を読んみ、死亡事故のことなどを知って、ライフスペースは、おかしな自己啓発セミナー以上の、問題性があると感じていました。

 死者を出している点は、もちろん大問題ですし、そしてこれは宗教と自己啓発セミナーの融合型なのかなと感じています。

 宗教ではなく、セミナーを受ければすばらしく自分を変えることができる。そして、高橋氏だけが感じ取れる啓示がある。

 今の時点では、ライフスペースが、破壊的カルトなのか、マインドコントロールをしているのか、判断できない部分もあるのですが、雰囲気は、オウムに似てますよね。(オウムのパロディーなんて言っている人もいます。)


高橋弘二氏

 オウムの教祖と似ているところがありますよね。「グル」もそうですし、恵まれているとはいえない家庭環境、自身の障害。そして、これだけ人が集まり、従うのですから、魅力的な人なのだと思います。


「定説」とか、訳のわからない言葉

 カルトのマインドコントロールでは、こういう独自の言葉を用使います。独自の思想と、独自の用語を徹底的に教え込み、それ以外の言葉では考えないようにする。世界のすべては、自分たちの思想と言葉で完ぺきに説明できるとする。

 他の人が批判使用としても、自分たちの用語を使ってくれないと話そうともしない。信じる思想の初歩すらわからない一般人に、自分たちを理解することなどできないと言うわけです。

 自分たちの土俵に上がらなければ議論できないという。でも、外部の人間が多少勉強しても、彼らには負けてしまいます。

 マインドコントロールでは、よく情報遮断を行いますが、山奥に行って新聞を見せないだけではなく、他の一般的な言葉や考えに耳を貸さないと言うことで、情報遮断をしているのかもしれません。


変化

 もともとは、普通のセミナーだったようです。高橋氏も以前は、もっと普通の話し方をしていたようです。どこで、変化したのか。私は詳しく知らないのですが、いくつかのポイントはあったようです。

 一般的に、危険な宗教カルトなども、最初はごく普通の団体としてスタートすることが多いようです。ところが、しだいにリーダーに反対する人がいなくなり、小さな王国の国王のようになっていったとき、変化していくことが多いようです。精神に異常を来たす場合もあるでしょう。欲におぼれることもあるでしょう。


外からの攻撃

 独自の世界観と王国のような一枚岩の団体が出来上がる。ここまで来ると、社会からの批判も始まります。この、外からの攻撃が、かえって内部の結束力を高めます。ライフスペースも、これだけ批判されながらなぜメンバーは離れないのかと不思議に思う人もいるでしょうが、攻撃されているからこそ、一致を強めているのです。


どう対応すべきか

 事実関係ははっきりさせなくてはいけません。しかし、必要以上に、バカにしたり、攻撃したりするのは、彼らの人権問題にもなりますし、問題解決の上でも逆効果だと思います。悪とは戦う。間違いは正す。しかし、メンバーが戻れる場所は用意すべきだと思います。

 ミイラ化している人間が生きていると言うのは、考えがおかしくなっているか、私たちと違う意味の言葉を使っているか、それともウソをついているかです。冷静にアプローチし、メンバーが事実を見ることができるようにしなければなりません。


今後

 この団体にこれから入る人もいるかもしれませんが、しかし巨大化していくことはないでしょう。それよりもむしろ、私たち心や社会の問題が大きいと思います。

 70年代のころと比べれば、日本人は魂や死後の世界などに関心を持っていると思います。人は、文明が進むと、かえって人生とか命とか考えるようになるのです。このとき、まともな宗教に行けばよいのですが、カルトのワナも待っています。

 私たちは、オウムに関する膨大な報道に触れましたが、そこから何を学んだのでしょう。破壊的カルトの中の人々は、他の破壊的カルトを批判したりします。あそこはおかしい、でも自分たちははカルトなどではないと。

 私たちは、もっとカルトやマインドコントロールについて学ばなければならないのではないでしょうか。今のままでは、つぎつぎと、新しい破壊的カルトが生まれてくるかもしれません。

(さらにページ更新を準備中)

*このコメントのないようが、新潟日報をはじめ、いくつかの地方紙に掲載されたようです。11.22

→次のページ:感応性妄想性障害:ライフ スペース 3 ミイラなのに生きている?


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