心理学総合案内こころの散歩道/ 犯罪心理学 / 高3男子主婦殺害/医療少年院へ
2000.12.26
精神鑑定の結果、少年には、「他人への共感性の欠如、抽象的概念の形成が不全、想像力の欠如、強いこだわり傾向」があり、「高機能広汎(こうはん)性発達障害あるいはアスペルガー症候群」とされ、医療少年院へ送致されることになりました。
本来順調に発達すべき部分が発達しなかったのが発達障害です。たとえば、知的障害や自閉症も発達障害のひとつです。
少年の場合、広汎(こうはん)な(広い範囲の)発達障害があったのですが、彼の能力全体が低いわけではなく(高機能)、友達と遊んだり学校で勉強するようなことはできていました。
裁判官は、「高機能広汎性発達障害が犯罪を誘発する要因ではない」としましたが、善悪の判断がつきにくい「心神耗弱の状況」にあったとしました。
発達障害の一つ。高機能自閉症。
共感性に乏しく(人の喜びや悲しみを感じ取ることが苦手)、他人との情緒的な交流(豊かな心のやり取り)をもつことが困難です。
悪気はないのですが、他人の心を想像して共感する力に乏しいために、人を傷つける言動を取ってしまうこともあり、誤解され、人間関係が上手くいかないこともあります。興味を持ったことには熱中し、能力を示すこともありますが、幅広い興味関心を持つことは少なく、社会の中で上手くやっていくこに困難があります。
小児科医アスペルガーによって提唱されました。自閉症と似ていますが、言葉の遅れや知的障害がないところが異なります。
自閉症やアスペルガー症候群だからといって、人を傷つける行動が出るわけではありません。