新潟青陵大学大学院(碓井真史) /心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座) /犯罪心理学/横浜弁護士殺害事件:心の叫びを聞いてほしかった




犯罪心理学:心の闇と光

横浜弁護士殺害事件の犯罪心理学

心の叫びを聞いてほしかった

2010.7.2


ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ
いのちについて考える全てのひとのために

横浜弁護士殺害事件の概要

 2010.6.2横浜の弁護士(42)が弁護士事務所内で殺害された。警察は、以前離婚訴訟でかかわりがあった男性(41)の顔写真を公開し、公開捜査を行っていた。7.1夜、この男性が警察に出頭。殺人の容疑で逮捕された。男性は、出頭した理由として、「心の叫びを聞いてほしかった」と語っている。


弁護士への犯罪的危害

弁護士、検察、裁判官などに危害を加えるのは、本来ならおきて破りでしょう。様々な犯罪を犯しているプロの犯罪者集団でも、本来はしてはならないことです(オウム真理教の犯罪行為は例外的)。関係者は、このような犯罪行為には毅然とした態度で臨むべきでしょう。

素人による犯罪

 法律家のバッジをつけているる人に対しては、プロ犯罪者集団は簡単には危害を加えないでしょうが、逆に素人はわかりません。プロの犯罪者は自分が悪人であり、犯罪者であることを自覚しています。だから、簡単に捕まるようなことはしませんし、割の合わないことはしません。
しかし、素人は、自分が被害者だと思っています。正義は自分にあると思っています。だから、ずいぶん無茶なことも言ってくるし、時には驚くような犯罪に走ってしまうこともあるわけです。
実際、弁護士さんのところには、いろいろ理不尽なクレームも来るようですね。

動機「心の叫びを聞いてほしかった」

容疑者男性は、出頭した理由を「心の叫びを聞いてほしかった」と語っています。もしかしたら、元妻にも、亡くなられた弁護士さんにも、「心の叫びを聞いてほしかった」のかもしれません。
現代社会の中で、様々なトラブルを起こしている人たちの気持ちかもしれません。「心の叫びを聞いてほしい」。
疲れた現代人の多くが、特別扱いを求めているような気がします。自分のためだけに特別に時間を使い、自分の心の叫びを聞いてほしいと、切望しているように思います。このような人たちが、クレーマーや、モンスターになるのでしょう。みんなが、「カウンセリング的な関わり」を求めているとも言えるでしょう。
秋葉原の通り魔事件や、マツダ工場内の無差別殺人事件など、「誰でもいいから殺したかった」と語る人も、同じかも知れません。一体どうしたら聞いてもらえるかが分からず、彼らは人生の大逆転をかけて、凶悪犯罪に走ります。
彼らは、簡単には同情できない凶悪犯罪者ですが、彼らもさびしい現代から生まれたのかもしれません。「あなたの心の叫びを聞かせて」と言ってくれる人は、誰もいなかったのでしょう。

当サイト内の関連ページ
秋葉原通り魔事件(秋葉原無差別殺傷事件)の犯罪心理学
「心療内科医・涼子」から学ぶ心理学:あなたの心の叫びを聞かせて


BOOKS


ウェブマスターの本

誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』(アマ
  愛される親になるための処方箋 ・親からの愛を実感できなかった青年の行き着いた先
(★本書について:目次等内容に関する当サイトのページ)
人間関係が上手くいく嘘の正しい使い方ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』(アマゾン)
  上手な愛の伝え方 ・追い詰めない叱り方
 (★本書について:目次等内容に関する当サイトのページ)

ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ
自殺といのちについて考える全てのひとのために

***



「心理学総合案内・こころの散歩道」から5冊の本ができました。
2008年9月緊急発行
碓井真史著『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』
誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
2008年8月発行
碓井真史著『嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』
人間関係がうまくいく図解嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在にあやつる!心理法則
2000年

なぜ少年は犯罪に走ったのか

2001年
「ふつうの家庭から生まれる犯罪者」
ふつうの家庭から生まれる犯罪者

2000年

なぜ少女は逃げなかったのか続出する特異事件の心理学
「誰でもいいから殺したかった青年は、誰でもいいから愛してほしかったのかもしれない。」
☆愛される親になるための処方箋  本書について(目次等)
『ブクログ』書評「〜この逆説的かつ現実的な取り上げ方が非常に面白い。」
・追い詰めない叱り方。上手な愛の伝え方 本書について(目次等)
bk1書評「本書は,犯罪に走った子ども達の内面に迫り,心理学的観点で綴っていること,しかも冷静に分析している点で異色であり,注目に値する。」  本書について 「あなたは、子どもを体当たりで愛していますか?力いっぱい、抱きしめていますか?」 本書について 「少女は逃げなかったのではなく、逃げられなかった。それでも少女は勇気と希望を失わなかった。」 本書について

「犯罪心理学:心の闇と光」へ戻る
一般的な犯罪の心理、殺人の心理などはこちら。




「心理学総合案内こころの散歩道」
トップページへ戻る

アクセス数3000万の心理学定番サイト

心理学入門社会心理学心のいやし・臨床心理学やる気の心理学マインドコントロール| ニュースの心理学的解説自殺予防の心理学犯罪心理学少年犯罪の心理宗教と科学(心理学)プロフィール・講演心療内科心理学リンク|今日の心理学投稿欄(掲示板)