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新潟毒物事件に判決
実刑2年4月


 今日(99.10.12)、アジ化ナトリウムを使った新潟毒物事件の判決が出ました。執行猶予がつくかどうかといった話題が出ていましたが、懲役2年4月(求刑3年6月)の実刑判決でした。

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判決前にポイントは次の3つでした。

1. ストレス

 弁護側は被告は慣れない仕事で激しいストレス下にあったと主張していましたが、検察側は、その程度のストレスはサラリーマンにとっては普通のことと、反論していました。

2. アジ化ナトリウムの毒性

 弁護側によれば、被告は毒物に関する知識はなく、アジ化ナトリウムも、「ナトリウム」とあるので、たいしたことにはならないだろうと思ったと主張しましたが、検察は、毒性を理解したうえで使用したと反論していました。

3. 社会的影響

 この事件の後、全国でアジ化ナトリウムを使った毒物事件や、他の毒物事件も頻発しました。この社会的影響をどう判断するかが問題でした。


この犯罪の重さ

 客観的に見れば、この犯罪は、それほど大きな犯罪とは言えません。実刑になるかどうかといった程度です。毒物を使わずに、殴りつけての傷害事件であれば、公判請求されたかどうかもわからない程度の犯罪です。

朝日新聞は、その点を考慮し、容疑者逮捕時も顔写真を載せませんでした。

犯罪・悪・責任

 10月10日新潟日報の関連記事では、「模倣犯の抑止を考えると、裁判所は厳しい判断を下すことになるだろうが、マスコミの過大な報道が毒物連鎖を生んだといえ、被告個人の責任だけにするのは妥当でない」とする専門家の意見を紹介しています。(鯰越溢弘新潟大教授)

 弁護側は傷害の大きさで判断しろと主張し、検察側は社会的影響力を主張する。たしかに、毒物事件は、大量殺人になることもありますし、模倣犯の出現のしやすさなどを考えると、傷害の大きさだけで判断するのは、問題だと思います。

 しかし、その一方で、マスコミが事件を実際以上に大きくしてしまったことも否定はできないと思うのです。もちろん、「悪い」のは、マスコミではなく、事件の犯人です。けれども、結果的に社会に大きな影響が出てしまったのは、マスコミによるところが大きく、その犯人だけに「責任」をおわせることはできないと思うのです。

 マスコミが大きく報道してしまったために、彼は本来受けるべき以上の社会的制裁も受けてしまったのではないでしょうか。

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(10.12. 16:00現在、判決結果の情報しかありません。判決理由など、詳しい情報が入れば、さらにページを更新したいと考えています。



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