心理学総合案内「こころの散歩道」


真須美被告留め金飲み込む

自殺未遂? ノイローゼ?


2000.5.30

 林真須美被告(38)が、拘置されている場所で、26日夜、ほうきの留め金をのみ込んで病院で治療を受けていたことが、分かりました(5.29)。

 自殺しようとしたわけではないようです。弁護士は、「1年半の拘置が続き、最近はノイローゼ気味だった。突発的にのみ込んだのでは」と語っています。

 被告は、逮捕されたときと比べて体重が10キロ以上落ちているそうです。本人は「他の収容者がうるさくて、ここ10日間ほど眠れず、拘置所に言っても対処してくれなくてイライラしていた」と言っています。

 演技性人格障害の人が、自分に注目してもらいたくて狂言自殺をすることはありますが、今回はそういうわけではないようです。

 自分のことをわざと傷つけようとする行為を自傷行為と言います。重い精神病や重度の知的障害児などにも見られますが、最近は、まるで流行のように自傷行為をする人がいますね。

 リストカット(手首を刃物で切る)を、趣味のようにしている人もいます。ごく軽く切る人から、ざっくりと深く切ってしまう人までいろいろです。傷からだらだらと血が流れているときだけ、生きている実感がするなんて言う人もいます。

(自傷行為についてときどき質問を受けることもあるのですが、正直言って、難しい問題で、なかなか良い回答が思いつきません。)

 長期間に渡る監禁状態によって、精神状態が不安定になることは、簡単に想像がつくでしょう。「拘禁反応」とよばれる精神障害が発生することもあります。錯乱状態になったり、幻覚や妄想が表れることもあります。

 そこまでの状態になっていなくても、この1年半の監禁状態によって、被告もだいぶ精神的にまいっているのでしょう。私たちのイメージでは、逮捕前のふてぶてしいまでに強い姿しかありませんが。

 被告は、ここのところ眠ることができなかったと言っています。不眠というのは、健康な人にとっても辛いですが、心が弱っている人にとっては、特に要注意です。しばらく安定していた症状が、不眠によって悪化することがよくあります。

 ゆっくり睡眠をとることは、心の健康維持にとってとても大切なことなのです。

 さて、被告は一度このような自傷行為を行なったわけです。今後の注意が必要です。彼女には、まだまだ続く裁判に出席し、真相を明らかにしていく責任があるので


戻る

心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座)

心理学入門社会心理学(対人心理学)心の癒し(いやし)・臨床心理学やる気の心理学マインドコントロール| ニュースの心理学的解説自殺と自殺予防の心理学犯罪心理学少年犯罪の心理学(非行の心理)宗教と科学(心理学) プロフィール講演心療内科リンク今日の心理学(エッセイ) | こころの散歩道掲示板