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犯罪心理学 / 通り魔事件の犯罪心理 / 神奈川通り魔事件
(新潟青陵大学・碓井真史・『ふつうの 家庭から生まれる 犯罪者』 『NHKテレビ視点論点 「犯罪心理学・心の闇』)
2003.4.17
神奈川発生した、車の窓から包丁を使って通行人を刺すという事件。
2003.3.21女性が刺されて重症。3.29男性が刺されて死亡。同日もう一人の男性も刺されてけがを負った。
2003.4.17覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された無職男(39)が「自分がやった」「むしゃくしゃしてやった」と供述している。凶器も発見され、殺人容疑で逮捕しされた。
通り魔事件は、いつ自分が襲われるかわからない不安と恐怖のために、他の殺人、傷害事件以上に、私達の社会に影響を与えます。
さて、同じ殺人事件でも、今回の連続通り魔事件のように何人もの人を襲うのは、簡単なことではありません。多くの場合、特別な理由や動機が存在します。
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通り魔事件の動機
たとえば、快楽殺人。怨恨や強盗のような一般的な動機とはことなり、人を傷つけ殺すこと自体に快感を感じる(文字通り気持ちよいと感じる)殺人。
ある特殊な思想を盲信したことによる殺人。特定の人々を襲うこともある。オウムの事件や、100年前にロンドンで次々と売春婦が殺された「切り裂きジャック」事件など。
そして、覚せい剤などの薬物による犯罪があります。覚せい剤は、幻覚や被害妄想などにより、見ず知らずの人を殺傷するといった事件を今までも引き起こしています。
(今回の事件に関しては、今後の捜査を待たなければなりませんが)
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覚せい剤、薬物による過去の殺人事件
・1998 シンナーを吸っていた19歳の無職男性が、路上で5歳の幼稚園女児を刺殺。その母親と、ほかに女子高生にも重症を負わせる。
・1993 覚醒剤をつかっていた無職男性(27)が、新幹線車内で男性を刺殺。刃物を持ったまま車内を歩き回り、乗客は逃げ回った。取り押さえようとした警察官1人も重症を負った。
・1984 38歳の女性がホテルの通路で女性を刺殺。逮捕後の精神鑑定で、覚醒剤の後遺症とされた。
・1982 47歳の無職の男性が、妻子や同じアパートの住人7人に刃物を持って襲いかかり、7人を刺殺、3人に重軽傷を負わせた。この男性は、毎日のように覚醒剤を注射していた。
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地域住民 子ども達の心
今回の事件がおきた神奈川県の松田町、大井町の様子については、「厳戒態勢での入学式」といった報道がありました。
報道によれば、こんな様子です。
「お母さんから防犯ブザーを渡された」。 教職員が自衛のために「安全パトロール中」と書かれたジャンパーを着て街頭に立つ。子ども達は、不安な表情で通学路を急ぐ。
もちろん、被害を防ぐために、用心することはとても大切です。パトロールも、子どもに注意を促すことも、大切です。しかし、子ども達の身体を守るだけではなくて、心を守ることも大切です。
教職員も保護者も、不安を感じるのは当然ですが、こんなときこそ大人がしっかりしなくてはなりません。同じように街頭に立つにしても、子ども達に向かってはやさしい笑顔が必要ではないでしょうか。
容疑者が逮捕され、事件は終息へむかっていますが、町には大勢のマスコミが押しかけ、しばらくは普通ではない状態が続くでしょう。
大人にとっては事件解決でも、子どもの心には不安や恐れなどの影響がまだ残っているかもしれません。
子ども達の心のケアも、忘れてはいけないのです。
(また新しい興味深い情報があれば、さらにページを更新します。)
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