心理学総合案内「こころの散歩道」/災害心理学/新潟県中越地震被災者のために/新潟中越地震から1年(新潟青陵大学・碓井真史)
2005.10.23
新潟市はほとんど被害らしい被害はありませんでした。それでも、東京暮らしで地震には慣れているはずの私にとっても、初めて体験する大きさの地震でした。
勤務している新潟青陵大学・短大は、この日学園祭の真っ最中でした。当時私は学生部長を務めていました。このことが、私の地震体験を特徴付けたかもしれません。
マスコミのみなさんとも様々な情報交換をしました。ローカルでは、ずいぶんコメントも取り上げてもらいました。
地震直後、何か自分にもできることはないかと考えて立ち上げたのが、このページです。
大急ぎで資料を集めました。阪神大震災のときの資料を見ながら、涙が込み上げてきました。よくぞこのように資料をまとめてくれていたものだと。ありがたくて、涙が出てきました。
今まで本を読んでそんなことを感じたことはありません。涙もろくなるというのも、地震によるストレス障害の一つでしょう。
ほとんど何の被害も受けていないのに、その後しばらくの間は、私も小さな音や振動にも敏感に反応していました。
新潟市内に自衛隊が集まりました。たくさんの自衛隊の車両やテント。まるで戦争がはじまったかのようです。そこから、支援物資を積んだ車両が次々と出て行きます。大型ヘリも、大きな音をたってて次々と頭上を飛んでいきます。
力強い頼もしい風景ともいえますが、被災された方にとっては、また不安をかきたてる音と振動にもなったようです。
東京に出張して、歩いているときも、この駅やビルが崩れ落ちてくる風景がイメージされてしまいました。
ちょうど一年経ち、ちょうど同じように学園祭の一日目の夕方になったとき、何か不安を感じました。大きな被害を受けた方々は、本当に大変なことでしょう。
***
地震によって学園祭は1日だけで中止にしました。一番悲しんでいたグループの一つが、1年近くをかけて準備をし、日曜日の朝5時半からやってきたファッションショーのグループかもしれません。日曜日のショーは、中止。しかし彼女達は、思いっきり泣いた後は、けなげにに片づけをはじめました。
そして数ヵ月後、大変な努力の末、市内のホテルの会場をかりてファッションショーを成功させたのです。
私はこのの学生達から、勇気と感動をもらいました。
さて、1年前に学内の教職員のみなさんに送ったメールが残っています。そのときの、私の気持ちです。
大きな災害を乗り越えた中越の方からみれば、小さな小さな体験ですが、新潟市の私の、これが地震体験でした。
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各位
いつもお世話になっております。
今回、新潟青陵大学、新潟青陵大学短期大学部合同開催によります学園祭「ビバ青陵フェスタ」開催に当たりましては、教職員のみなさまの多大なるご協力をいただき、誠にありがとうございました。
初日23日土曜日は、午前中からこれまでにない多くのお客様をお迎えし、それぞれの企画がいずれも盛況のうちに終えることができました。本当に、例年にも増して、にぎやかさと楽しさにあふれたすばらしい学園祭の一日でした。
しかしながら、ご存知のように「新潟県中越地震」が発生いたしました。地震発生時には後片付けもほぼ終わっており、幸いにして残っていた学生、教職員に負傷者はありませんでした。
地震発生後に駆けつけて下さった方々を含め、多くの教職員の方々が、安全確認と学生へのご指導ご支援のために迅速に的確に動いて下さいました。あ
りがとうございました。
交通網が遮断され帰宅できなくなった学生も、ほとんどは友人宅などに宿泊いたしましたが、数名の学生が校内に宿泊することなり、数名の教職員も気分の悪くなった学生の看病と不測の事態に対応するために校内に残りました。
翌24日の朝は、準備のために早朝5時半から登校した学生もいるほど、学生達は学園祭続行のために強い意欲を示していました。しかしながら、朝7時から開始されたミーティングの結果、諸般の事情を考慮し、学内にいました教職員、実行委員、一般学生の総意に基づいて学園祭の中止を決定いたしました。
中止決定後は、速やかにホームページ、Nコンパス、電話連絡網などを通して、中止決定の連絡をいたしました。
この日のために多くの時間を費やして準備してきた学生の中には、悲しみと悔しさのあまり涙を流していた学生も何人もいたほどですが、この決定が最善であると納得し、後片付け、教室の現状復帰のために懸命に働いてくれました。
学生の安全と健康を考え、一般学生は午前11時40分に帰宅といたしました。その後教職員により片付けを続けましたが、学生が片付けるべきいくつかの細かな点で不十分な部分もあるかと思います。お許し下さい。実行委員の学生も、午後3時ごろには帰宅といたしました。
このような予期しない出来事の中、学園祭のスムーズな運営のために多くのみなさまにご尽力いただき、心より感謝いたします。
学生にとりましても、予定日数の半分しか行えませんでしたことは、誠に残念ではありますけれども、実行委員を中心にして様々なトラブルに対処し、困難を乗り越え、その意味では大成功のうちに学園祭を終了できたと、ご報告申し上げたいと思います。長文失礼いたしました。どうもありがとうございました。
新潟青陵大学 学生部長
碓井真史
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