心理学総合案内・こころの散歩道/犯罪心理学/少年犯罪/一家/悩んで
普通の人から見れば、「そんなに悩まないでいいのに」と思うようなことを、悩んで悩んで悩みすぎて、心の病気になってしまう人がいます。もっと気楽に生きられるといいのですが。思い詰めてしまうと、ろくなことはありません。
けれども、今回の事件では、少年が「もっと悩めばよかったのに」と思います。
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彼の心に何かがあって、部活動を辞め、髪を染め、下着泥棒をしました。もっと、もっと悩めばよかったのです。思春期の心の底にうごめく、自分でもどうしようもないドロドロした思い。悩み抜けばよかったのです。
「泥棒に入ったことがばれそうになった、どうしよう」 もっと悩めばよかったのです。悩んで、悩んで、苦しめばよかったのです。
「風呂を覗いただろう」と言われ、すぐに一家皆殺しだなんて行動に移さずに、もっと心の中で悩めばよかったのです。
残念ながら、彼には深く深く悩み抜くだけの心の強さがありませんでした。心の問題を殺人という行動にすぐに表してしまいました。
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この「悩めない心の弱さ」は、彼だけの問題ではありません。多くの非行少年がそうでしょうし、非行少年に限らず、大人から見れば、子どもたちは悩むだけの心の成長ができていないのです。
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(子どもは悩んでいない、気楽なものだなどと言うわけではありません。子どもなりに悩んでいます。しかし、大人と比べると、些細なことで、自殺や暴力などびっくりするような行動をしてしまうのが子どもです。
大人なら悩んでノイローゼのような心の病気になるところが、子どもだと自分の悩みをしっかりと受け止めきれずに、様々な身体の症状になって表れることもあります)
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