心理学総合案内「こころの散歩道」/ 犯罪心理学 /少年犯罪の心理 /河内長野市家族殺傷事件の犯罪心理 (新潟青陵大学・碓井真史)

少年犯罪の心理学
河内長野市家族殺傷事件
の犯罪心理
*親殺しの心理*

2003.11.4




河内長野市家族殺傷事件の概要

 2003.11.1未明、18歳大学1年生の男性が、家族を包丁で刺した。母親は死亡。父親と弟も重症を負った。報道によると、交際中の16歳高校1年生の少女と共に、それぞれの家族の殺害を計画した模様。

 当初二人の供述は食い違いも見せていたが、少年は、「家族を殺して一緒に暮らした後、少女と一緒に死のうと思った」と供述している。少女も「(少年と)2人きりの場がほしかった。互いの両親を殺していずれ2人で死のうと思っていた」と供述している。
 
双方の供述がほぼ一致したことから、警察は2人が心中願望を背景に、話し合って互いの家族殺害を計画した可能性もあるとみて、調べを進めている。(11.4) 


なぜ、優等生が

逮捕された二人は、補導暦もない普通の子。男性も特に親と中が悪かったということはないようです。少女のほうは、教育熱心な親のもと、成績も非常に優秀だったようです。

 このような事件がおきると、人々は言います。なぜ、こんな優等生が事件を起こしたのかと。
 しかし、ある意味優等生だからこそ大事件になってしまったとも言えるでしょう。二人はこれほど思いつめていたにもかかわらず、家庭内で騒動を起こしていたとは伝えられていません。
 殺人を犯した少年も、そんな事件を起こす前に、もっと親に逆らい、家出や駆け落ちのようなことをしていたら、おそらく、今回の事件は起きなかったでしょう。
 少女は自分が作成したホームページ上では、親の悪口も語っていたようですが、親と向かい合って、どれほどの文句や不平を言ってきたでしょうか。

家族の中で、トラブルを起こせば、良い子、優等生ではいられません。家族の中で、嵐が吹き荒れます。でも、そういうことが起きていれば、殺人事件は起きなかったことでしょう。
 心の問題はいつもそうですが、溜め込みすぎるところに、問題が発生します。大問題になる前に、もっと心の問題を小出しにできていればよかったのですが。

以下、準備中。下記の内容を予定。

なぜ親を殺すのか

 ・愛すべき優しい親と、自分を邪魔する憎い親という親の二つの側面が心の中で分離してしまった結果。
・親殺しは中流家庭で起きる。
☆当サイト内の関連ページ
板橋両親殺害事件の犯罪心理学(親殺しの心理2005.6.24

自殺願望、死にたい気分

・二人は死ぬ気だった。単に自分が死にたいだけではなく、家族や、この社会も含めて、どうなっても良いと思っていた。
・死への万能感  死ぬこと、心中することで、すべての問題が解決すると、思い込んでいた。
・若者の自殺は、心底死にたいのではなく、幸せを求めた、人生最後のかけ。美しく死にたいと思う。最後に二人で暮らし、美しく、心中しようと思った。それを邪魔する家族を取り除こうと思った。
・若者達の間に、別に死んでもかまわないといった「死にたい気分」が蔓延している。

自立と依存

 本来は、親にしっかりと愛され、甘え、その安心感を土台にして、親から自立していく。自立している人は、時には親に甘えることもできるし、親が多少干渉してきても、軽く受け流すことができる。しかし、自立しようともがいている少年は、自立する勇気も力もなく、また素直に甘えることもできず、親から干渉されたり、邪魔されると、飲み込まれるような強い不安を感じ、時には暴力的な行為に走る。

 少年犯罪や非行の心理につては、当サイト内の少年犯罪の心理、犯罪全般については犯罪心理学:心の闇と光をお読みいただければ、幸いです。このサイト全体「こころの散歩道」は、人の心の問題を広く扱っています。

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