自己効力感 |
■自己効力感
・自己効力感とは、実際にその行動ができると自信を持つこと。
たとえば
「自分は適切な行動をうまくやり遂げることができると感じている」
「やり遂げることに自信があると感じている」ことをいう.
・行動を変える必要のある事象に対して,どれだけ「できる」と思っているのか,自信があるのかということ。
・自己効力感を高めるためには,はじめから完璧を目指さなくてもよいという考え方をもち,達成できなくても肯定的に捉えることが有効 |
特定疾患調査研究事業 |
■特定疾患調査研究事業
【目的】
・難病対策における調査研究事業の目的は、
特定疾患の克服と患者のQOLの向上のために、原因及び治療法が未確立の疾病に対する研究を推進することにより、疾病の発症機序の解明に基づく、新しい診断法、治療法と予防法を確立し、その成果を普及させることである。
【対象】
・特定疾患調査研究は、症例が少なく、原因不明で治療方法も未確立であり、かつ、生活面での長期にわたる支障がある特定の疾患が対象
・現在118疾患を対象にこの事業が行われている.
例:クロイツフェルト・ヤコブ病,パーキンソン病,脊髄小脳変性症,多発性筋炎・皮膚筋炎,再生不良性貧血,劇症肝炎,クローン病,難治性ネフローゼ症候群,ギラン・バレー症候群 |
徒手筋力検査法> |
■徒手筋力検査法:manual muscle testing〈MMT〉
・個々の筋の筋力を検者が用手的に評価する方法である.
・患者に力を入れさせ,検者がそれに抵抗してみるか,あるいは検者が先に力を入れておき,それに抗して患者に運動させるかして,被検筋の筋力の強弱を段階評価する.
■評価の段階<6段階>
5:正常.
4:優 若干の抵抗に抗して運動ができる.
3:良 重力に抗して完全に運動ができる.
2:可 重力を除外すれば完全に運動ができる.
1:不可 筋のわずかな収縮が起こるが関節は動かない.
0:ゼロ 筋の収縮が全くみられない.
・主観的な判断であるが,できるだけ客観的評価になるよう修練を要する.
・筋力の記載法としてダニエル(Daniels)法が用いられることが多い
最新医学大辞典(第2版:医歯薬出版)より抜粋 |
食細胞とサイトカイン |
■食細胞
・細菌,異物,その他細胞成分などを摂取する能力を有する細胞の総称.
・白血球,マクロファージ,クッペル星細胞,組織球などがある.
・生体内に侵入した病原微生物を貪食,殺菌.消化することで感染防御の役割を果たす
・マクロファージはリンパ球に抗原提示することで免疫反応の引き金をひくとともに,種々のサイトカインを分泌することで免疫の調節にも関与している.
■サイトカイン
・Tリンパ球などの細胞が産生するタンパク質で,細胞の増殖や機能に影響を及ぼす情報伝達物質.
・ごく微量で有効で局所的に働く
最新医学大辞典(第2版)
学研「看護学学習辞典」
系統看護学講座 人体の構造と機能 解剖生理学 医学書院
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抗重力筋 |
■抗重力筋
・重力に抗して起立姿勢を維持する際に活動する筋肉.
・ヒラメ筋が代表的である.
・人体構造上,前に落ちようとする重力線を背側の筋活動により起こして,起立姿勢が維持される
最新医学大辞典(第2版)より
例:脊柱起立筋,腹直筋,大殿筋,大腿四頭筋など |
多臓器不全 |
■多臓器不全(MOF)
複数の重要臓器,あるいは機能系が同時に機能不全に陥った状態.
・重篤な循環不全
・敗血症
・各種中毒
・熱中症などに伴い
呼吸,循環,中枢神経,腎,肝,消化管,止血凝固機能などが同時に障害された状態
3臓器以上のMOFの死亡率は高い |
助産所 |
■「助産所」
・助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう。
・助産所は、妊婦、産婦又はじよく婦10人以上の入所施設を有してはならない。(医療法第二条)
■嘱託医師
・助産所では正常分娩は扱えるが,異常の場合はすみやかに嘱託医師の指示を受けることが必要
参考1:助産所の開設者は、嘱託医師を定めて置かなければならない。(医療法19条)
参考2:助産師は、妊婦、産婦、じよく婦、胎児又は新生児に異常があると認めたときは、医師の診療を求めさせることを要し、自らこれらの者に対して処置をしてはならない。ただし、臨時応急の手当については、この限りでない。(保健師助産師看護師法38条)
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神経膠細胞 |
■神経膠(グリア組織)
神経系で神経細胞を支持・栄養をつかさどるする構成細胞.
■種類
・星状膠細胞
・希突起膠細胞
・小神経膠細胞
■部位
脳では,毛細血管の周囲を神経膠細胞が網状に取り巻き,「脳血流関門」を作っている |
ホルモンの化学的性質と作用機序 |
■化学的構造
1.ポリペプチド型(蛋白ペプチドともいう)
下垂体ホルモン,上皮小体ホルモン,膵臓からのホルモン
2.ステロイド型
副腎皮質ホルモン
3.アミン型
カテコルアミン,甲状腺ホルモン
■化学的特質
・消化液により変成してしまうため,注射による投与を必要とするものが多い.
(甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモンは消化液により分解されない為,経口的に用いられる)
■作用機序
・ホルモンは,特定の標的器官の標的細胞にのみ作用する
・ホルモンの作用の大部分は,標的細胞における特定の酵素の合成をさかんにし,その酵素が関係する代謝を促進させる.それにより,その細胞が産生する特定の物質の産生量を増加させる. |
特定非営利活動促進法<NPO法> |
■目的
この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする。
■定義
・「特定非営利活動」
別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
<別表>
一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
五 環境の保全を図る活動
六 災害救援活動
七 地域安全活動
八 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
九 国際協力の活動
十 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十一 子どもの健全育成を図る活動
十二 情報化社会の発展を図る活動
十三 科学技術の振興を図る活動
十四 経済活動の活性化を図る活動
十五 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十六 消費者の保護を図る活動
十七 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
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配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律 |
■理念と目的
・人権の擁護と男女平等の実現
・配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、
■定義
・「配偶者からの暴力」とは
配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)からの身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。
・「被害者」とは
配偶者からの暴力を受けた者(配偶者からの暴力を受けた後婚姻を解消した者であって、当該配偶者であった者から引き続き生命又は身体に危害を受けるおそれがあるものを含む。)をいう。
■国及び地方公共団体の責務
・国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有する。
■配偶者暴力相談支援センター
・都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする
・配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者(被害者に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けた者を含む。)の保護のため、次に掲げる業務を行うものとする。
1. 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介すること。
2. 被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと。
3. 被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者及びその同伴する家族。)の 一時保護を行うこと。
4. 被害者が 自立して生活することを促進するため、情報の提供その他の援助を行うこと。
5. 第四章に定める保護命令の 制度の利用について、情報の提供その他の援助を行うこと。
6. 被害者を居住させ保護する 施設の利用について、情報の提供その他の援助を行うこと。
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グループダイナミクスとグループワーク |
■グループダイナミクス
・グループの中で,メンバー間に働く社会心理学的諸力の働きを指す
・集団の性質と発達の法則,集団における個人および人間関係,集団関係,組織体の関係などを研究する学問分野
・個人と個人,個人と集団,個人と組織,集団と集団などの相互関係についての研究分野
■グループワーク
・ある目的をもってグループを形成して行う活動一般
・グループワークではメンバーがグループ体験を通じて自分の傾向や他者との違いについて自覚し,成長することができる
・看護においては,病棟内外で行われる種々の行事やプログラム活動などだけではなく,自然発生的なグループなどもグループワークとして捉えることができる
学研「看護学学習辞典」
日本看護協会出版会「看護学事典」 |
眼球に関する反射 |
1. 対光反射
・光が瞳孔から網膜にあたると,瞳孔は両側性に縮小
・光が遮断されたり,暗いところでは瞳孔が散大
2. 輻輳反射(近見反射)
・近いものを注視すると,両目の視軸は鼻側に寄り(内転),瞳孔は縮小する
3. 眼瞼反射・角膜反射
急にものが眼球に近づいたり,角膜が刺激されたりすると眼瞼が閉じる
*視覚に関係する反射中枢があるのは「中脳」 |
児童虐待の防止等に関する法律 |
□目的
この法律は、児童虐待が児童の心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えることにかんがみ、
・児童に対する虐待の禁止、
・児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、
・児童虐待を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、
児童虐待の防止等に関する施策を促進することを目的とする。
□児童虐待の定義
この法律において、
「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)に対し、次に掲げる行為をすることをいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。 |
クリニカルパス(バリアンス) |
□クリニカルパスは「疾患の治療法ごとに検査・看護などの治療内容・スケジュールの標準モデルを作り,それに基づいて医療を管理する方式
□期待される効果
・情報を共有しチーム医療を展開できる
・治療,ケアの経過がわかりやすい
・インフォームドコンセントの推進
・医療・看護サービスの質のばらつきを縮小できる
・記録の効率化
・入院期間の短縮や医療資源の効率化
□バリアンス(ヴァリアンス)
クリニカルパスにおいて,パスで予測された経過の変動など,示された基準からアウトカムが逸脱することをいう
学研「看護学学習辞典」
日本看護協会出版会「看護学事典」
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スタンダードプリコーション |
□スタンダードプリコーションとは「すべての血液および体液等(湿性生体物質)は,未知の,未検査の病原体が含まれていることを前提に取り扱う」こと.
□スタンダードプリコーションの対象は,血液・体液,喀痰・尿・便・膿,粘膜,傷のある皮膚
□手洗いは以下の場合に行う
・湿性生体物質に触れた後
・患者ケアの前と後
・手袋をはずした後
□手袋は次の場合に装着する
・湿性生体物質やそれらに汚染された物品・器具に触るとき
・粘膜や傷に触るとき
□エプロン・ガウンの着用
・ガウンやエプロンは侵襲的,または外科的処置をするときに着用する
・湿性生体物質の透過を防ぐために,布製ではなくプラスティック製でなければならない
・汚染されたエプロンやガウンは,環境表面への汚染を防ぐために,ただちに廃棄する |
アドボカシー |
□アドボカシーとは個人が人間らしい生活を主体的に送ることができる権利と支援活動
□アドボケイト(advocate)は支持者,代弁者,擁護者などと訳される |
トリアージ |
□トリアージとは,災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に,傷病の緊急度や程度に応じ,適切な搬送・治療を行うこと.
□根本的治療の優先順位は@生命にかかわる損傷.A四肢骨折のような機能予後にかかわる損傷,B顔面挫傷のような美容的予後にかかわる損傷 の順
◆トリアージの分類
分類 |
順位 |
識別色 |
傷病状態および病態 |
最優先治療群
(重症群) |
第一 |
赤 |
生命を救うため,直ちに処置を必要とするもの
窒息,多量の出血,ショックの危険のあるもの |
待機的治療群
(中等症群) |
第二 |
黄 |
ア 多少治療の時間が遅れても,生命に危険がないもの
イ 基本的には,バイタルサインが安定しているもの |
保留群
(軽症群)
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第三 |
緑 |
上記以外の軽易な傷病で,ほとんど専門医の治療を必要としないもの |
死亡群 |
第四 |
黒 |
既に死亡しているもの,又は明らかに即死状態であり,心肺蘇生を施しても蘇生可能性のないもの |
◆トリアージタッグ
・トリアージの際に用いるタッグ(識別票)をいう
・タッグには氏名,年齢,性別,住所,トリアージ日時・場所,実施者名,トリアージ区分などを記載
・タッグ用紙は3枚つづりで1枚は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目本体は収容医療機関用となっている
・トリアージ区分の色を残して,他の色を切り取る
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フォーカスチャーティング |
□フォーカスチャーティングとは,看護記録の様式の一種
□DARとは,データ(Data),アクション(Action),レスポンス(Reponse)の略
□記録は「日時欄」「フォーカス」「DAR欄」「署名欄」で構成される
■フォーカス…患者の行動や症状・徴候,状態の変化,看護診断など看護上の問題点
■データ…フォーカスを理由づけるデータ,観察事項
■アクション…フォーカスに基づいて行った医療者の行為
■レスポンス…アクションに対する患者の反応
□ひとつのフォーカスに対して,1組のDARを記載
(POSでひとつのプロブレムごとに,一組のSOAPがあるのと似ている) |