父の日、母の日の心理・親子関係の心理、親子関係の癒し
心理学総合案内「こころの散歩道」/いやしの道/ 父と母(親子関係の心理)
親子関係の心理 親子関係の癒し
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5月は母の日。6月は父の日。
母の日は、20世紀の初め、アメリカのキリスト教会で始まりました。この「お母さん」は、とても素敵な人で、みんなに慕われていました。子供のための日曜学校の先生もしていました。
けれども、このお母さんは病気で亡くなりました。そこで、このお母さんを偲んで、娘さんと生徒さんたちによる記念の会が開かれました。
この話が広く伝わり、1914年にアメリカ議会で5月の第二日曜日が「母の日」と制定されました。
日本にも大正時代に「母の日」は伝わってきましたが、一般的になるのは、昭和12年に森永製菓が提唱してからといわれています。
父の日も起源をたどると、やはりアメリカで、母の日の10年後始まりますが、正式に制定されたのは、1972年いなってからでした。(オイオイ、母の日とずいぶん扱いが違うじゃないか)
キリスト教の十戒には、「あなたの父と母を敬いなさい」と書いてあります。そうすることが、幸せになる秘訣だというのです。
宗教の場合、神様がおっしゃることは、あまり「なぜ」ということは考えません。普通なら、理論的に説明され納得できなければ従わない場合でも、「汝殺すなかれ」とあれば、殺人はいけないことなんだなと理解し、従うわけです。
父と母を愛し、尊敬せよとあれば、それに従います。そうすることが幸せの元だとあれば、信じます。けれども、心理学者としては、「なぜ」と考えたいですよね。
親子は、人間関係の基礎です。おぎゃあと生まれて、はじめて持つ人間関係が親子の関係です。人は、親子関係を通して、多くのことを学びます。親に愛され、親を愛することをとうして、自分自身を愛すること、人を愛することを学びます。
男の子は、お父さんを見て、いつか自分のお父さんのような立派な男になるんだと思いますし、女の子は、お母さんを見て、いつか自分のお母さんのような素敵な女性になろうと思います。
だから、夫婦は、子供の前では互いに誉めあった方が得策です。けなし合ったりすると、子供は誰を人生の目標にしたら良いかわからなくなってしまいます。
子供は次第に親から離れていきますが、なにかあれば親の元に帰れるという安全基地として親がいてはじめて、外の世界、子供にとっては未知の世界に出て行く勇気がわくのです。
両親を愛することができる子供は、幸せです。
大人になれば、両親から独立します。しかし、大人になってもなお、父母の存在は小さくありません。様々な人生の苦しみの元を見るとき、ああやっぱり親子関係って大切だと、つくづく思います。
大人になっても、親から愛されなかった、親を愛することができないと悩んでいる人は数多くいます。場合によっては、自分と親との心理的な関係の悪さが、自分と子供との関係にも影響を与えることがあります。自分の親から愛されていると感じ、自分の親を愛することが、自分と子供の幸せにつながります。
しかし、誰が見ても尊敬できる両親なら良いのですが、そうではない親もいます。親を大切にしなさい、愛しなさいといわれても、とうていできないことがあります。親を憎んでいる人も、たくさんいるでしょう。
憎んでいるとはいっても、憎しみは愛情の裏返しともいえます。親に愛されたい、親を愛したいと思いながらその思いが満たされないとき、激しい憎しみの感情を抱くことがあります。
さて、聖書の言葉も、心理学者の言葉も同様なのですが、父と母を愛せよといっても、できないあなたを責めているのではありません。
ただ、親を愛することが、自分の心の健康と幸せにつながるだろうということです。
愛を愛することがとても難しい場合はあります。
しかし、もう大人になったあなたは、泣いてばかりいた子供時代、怒ってばかりいた思春期のころとは違います。強く成長した大人の心で、親子の関係を修復することはできるはずです。少なくとも、それを目指すことはできるはずです。
親が亡くなってしまえば、もう仲直りはできません。文句も言えない、感謝の言葉も、お詫びの言葉もいえない。親に質問することもできません。
「私を好きじゃなかったの?」「どうしてもっと目を向けてくれなかったの?」「どうして私をおいて家を出たの?」
それでは、もう遅すぎるのでしょうか。そうではありません。親が亡くなっていても、あなたの心の中に生きている親との関係を修復することはできるのです。
たしかにあなたは辛かった、傷ついた。でも、同時に、あなたの親の苦しみや事情が少しずつ理解できはじめると、嵐のような感情は次第に静まり、親子関係は修復に向かいます。
あなたの苦しみを無視して、親を愛せといっているのではありません。ただ、親が亡くなっていても、遅すぎることはない。あなたの親への気持ちが変わることで、心理的な意味での親子関係は修復することができるのです。
何を言われても、あんな親なんか愛せるものかとお思いの方はいらっしゃるでしょう。いや、もう親には何も求めないとおっしゃる方もいるでしょう。
客観的に見てもひどい親なのかもしれません。あなたの心が、それほどまでに傷ついているのかもしれません。
もう親のことはあまりこだわらないというのも、一つの方法です。それで心が安定するならば、それでよいでしょう。そうなるまでに、あなたはずいぶん苦しみ、努力してきたのでしょうから。あなたはりっぱです。
でも、もし親を許し、親を愛することができるようになれば、それはとてもすばらしいことです。親が亡くなっていたとしても、遅すぎることはないのです。
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