心理学総合案内「こころの散歩道」/マインドコントロール研究所 / オウム / 監禁
1999.9.29 女性信者を施設内に監禁、手足を縛り水につけて失神させた等の容疑で、施設の責任者と幹部の医師が逮捕された。
警察は、これまでもオウムは「監禁」という方法を使ってきたことから、今回も教団の指示があったと見ている。
この施設は、介護や健康相談用の施設とされているが、実態は、独房があり懲罰用に使われていたもよう。教団上層部は、そのような指示はしていないと容疑を否定。
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この事件の真相は、まだ不明ですが、組織的犯罪ではないと主張するのならば、自発的に内部調査し、施設内の様子も含めて、情報を公開すべきでしょう。
そのような法的義務はないとしても、教団としても道義的、社会的責任はあると思うのです。
ある場所に閉じ込めることは、よく使われる方法です。一定期間、外の社会から遮断されたところで、マインドコントロールが行われることもあります。独房に監禁するような暴力的な方法になると、マインドコントロールというよりも、洗脳と言えるでしょう。
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反体制側の人間をある日突然逮捕し、理由も何も告げないまま独房に入れます。食事などは与えますが、尋問も裁判も行わないで放置します。そんな状態が続くと、その人は極度に不安の高い状態になり、自分から様々な情報を提供し始めるのです。
誘拐してきた富豪の娘などを暗い部屋に閉じ込めます。何日も閉じ込められて、不安と恐怖でいっぱいになったころ、部屋からだし、優しくします。すると、相手が誘拐犯なのにもかかわらず、相手への感謝や信頼が生まれてしまいます。そこで、自分たちの思想を教え込みます。
心理学の実験です。希望者に高い日当を払って実験に協力してもらいます。視覚、聴覚などの感覚が得られない部屋に一人で入り、数日を過ごします。すると、この退屈な状態に耐えられなくなり、幻覚を見たり、普段なら信じないような話も簡単に信じるようになります。
自然の中での合宿やキャンプでは、普段とはちがう感動を味わうことがあります。それでは、それはマインドコントロールでしょうか?
もしも、電話さえ禁じたり、話す話題を制限したり、途中で帰ることを無理に止めたりすれば、その団体は危険です。
でも、普通はそんなことはしませんよね。
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