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医療少年院送致が決定


 10月17日午後、神戸家裁の井垣康弘裁判官は少年に対し、医療少年院送致とする保護処分決定を言い渡した。精神鑑定書は、治療が必要と結論づけており、これに沿って医療少年院送致と決定した。

 大方の予想通り、医療少年院送致となりました。妥当な決定だと思います。
ところで、この少年の心の病と今回の決定について、一般にはどの程度理解されているのでしょうか。神経症(ノイローゼ)と精神病の区別も十分には理解されていない現状で、難解な用語がとびかった今回の事件。医療少年院で、「治療」では、処罰として不十分だという意見が出ないかと心配です。

 彼への治療は、決して彼を甘やかしているのではありません。人権問題だけではなく、再犯防止の上からも、治療が不可欠です。「心の病」にとって必要なのは、処罰ではなく、治療、援助、訓練です。

 人間を良い方向に変えるためには、時には、厳しい態度や法的な処罰ももちろん必要です。しかし、非難や刑罰だけではダメだと思うのです。大切なのは、理解や受容や援助です。少年犯罪の場合は、特にそうです。
 これは、単なる理想ではなく、臨床心理学社会心理学(対人心理学)の研究結果からも支持されています。また、家裁や少年院などの現場の方々の多くも同様の意見をお持ちだと思います。
 さらに、神戸の少年の場合には、医学的な治療も必要でしょう。

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