「一瞬静まり返り、気まずい雰囲気になって、真須美にあいさつもしなかった」
殺したやつは強者、殺された方が弱者ですよ。悪いのは、犯人です。
でも.....
毒物事件は、大量無差別殺人が可能であり、恐ろしい凶悪犯罪を作ります。その一方、毒物犯罪は、弱者の犯罪とも呼ばれています。
アジ化ナトリウム事件が起きた新潟の地元紙(新潟日報)が、今日5.15のコラム欄で一つの毒物事件を紹介しています。(ネット上でコラムが読めます)
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昭和14年に12人をチフス菌で殺傷した女医の事件です。凶悪事件です。しかし、悪どい男性医師に何年間にもわたって搾取され続け、平常心を失った結果でした。判決は、懲役8年でした。後に彼女はりっぱに更生しています。
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もちろん、今回の事件がこれと同じだというのではありません。
林真須美容疑者を見ていても、弱者とか、か弱いといった印象はあまり受けません。しかし、もし彼女が地域の中で仲良く暮らしていれば、今回の事件は防げていたかもしれません。
もちろん、悪いのは地域ではなく、加害者です。林真須美容疑者が真犯人だとすれば、彼女の協調性のなさが、そもそもの原因でしょう。
彼女が心理的に地域から孤立する。すると、もちろん地域を大切にする気持ちなどなくなり、川に平気でごみを捨てる。そんなことをすれば、ますます近所と上手くいかなくなる。
悪いのは、彼女自身なのですが、近所からルール違反を責められ、挨拶もしてもらえなかったとき、その時彼女は、弱者なのです。激しい反論をしたとしても、周囲と上手くやる能力がないという意味で、心理的な弱者なのです。
彼女がもっとふてぶてしく、人に文句をいわれようが、無視されようが、なんとも思わないような強者であったなら、カレー事件は起こらなかったでしょう。
本当の動機は不明のままですが、カレー事件の直前、彼女は傷つき、激高したのです。
彼女が犯人であれば、凶悪犯であることには違いはないのですが。
ただ、「悪いやつが悪いことをした」と考えるだけでは、私たちはこの事件から何も学べないと思うのです。
がんばれ園部地区
上の文章は、決して地域を責めるものではありません。地域の人たちは被害者です。マスコミも私たちも、地域の人々への援助こそ考えるべきです。犯罪被害者の心の傷は、一般に考えられるよりもずっと深い心の傷です。簡単には治りません。
しかし、一生治らないものではありません。注目の事件だからこそ、裁判も、地域援助も、日本社会の力が試されています。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると同時に、また楽しい夏祭りが開けることを願っています。