こころの散歩道(心理学総合案内)/心のニュースセンター/長野オリンピック・パラリンピック/スペシャルオリンピックス
1998.3.15(2009.2.10加筆修正)
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長野パラリンピック(1998)は、ずいぶん盛り上がりました。最初はお義理で報道していたように感じられたマスコミも、だんだん熱を帯びてきたように思います。
開会式の時は、録画で放送しただけのNHKも、閉会式は生中継をしました。「もっと放送して」との要望がたくさん来たそうです。
ところで、「スペシャル オリンピックス」というのもありまして、こちらの方も、忘れてほしくない。みなさまにも、ぜひ関心を持っていただけたらと思います。
パラリンピックはこれまでは身体障害者の大会で、スペシャルオリンピックスは知的障害者の大会です。
パラリンピックは、正式には、IOC(国際オリンピック委員会)とは直接のつながりはありません。IPC(国際パラリンピック委員会)というのがあります。
(09.2.10補足:その後、IOCとIPCの関係に変化がありました。ウィキペディアによれば、パラリンピックは、もともと、IOCとは全く関係がありませんでしたが、2000年のシドニーオリンピックの時に協定が結ばれ、オリンピック開催都市でオリンピックに続いてパラリンピックを行うことと、IPCからのIOC委員を選出することが決められ、さらにその後、IOCはパラリンピックについて運営・経済両面においてIPCを支援し、パラリンピック競技大会の組織委員会はオリンピックの組織委員会に統合されることになました。)
一方、スペシャルオリンピックスは、1988年には国際オリンピック委員会(IOC)と「オリンピック」の名称使用や相互の活動を認め合う議定書を締結しています。(オリンピックの名前を正式に使うのは、とても大変なんだそうですね。)(09.2.10修正)
(夏冬の大会を交互に開くのも、最初はスペシャルオリンピックスが始め、それを本家のオリンピックがまねしたようです。)
パラリンピックは、身体に障害のある選手達が「世界最高水準の技術とスピードを競い合う国際競技大会」です。
一方、スペシャルオリンピックスは、参加者みんなにメダルの可能性があるように、工夫されています。今回の長野パラリンピックにも知的障害者が選手として参加しましたが、パラリンピックとスペシャルオリンピックスでは、考え方が違うわけです。(当サイト内の関連ページ:パラリンピックと福祉:「競技者として認めて」)
スペシャルオリンピックすには、なぜ複数形のsがついているか
スペシャルオリンピックは、知的障害者の社会的自立を目指しています。スペシャルオリンピックスは、4年に一度の大会だけではありません。スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人たちに、それぞれの住む地域で年間を通じて日常的にスポーツのトレーニング・プログラムを提供します。(プログラムに参加する知的障害者は、アスリートとよばれます。)
そのすべての競技会がスペシャルオリンピックだという考えから、複数形のSがついて、「スペシャルオリンピックス」と言う名称になっています。そして、このような日常的活動を行っていない国では、スペシャルオリンピックスの正式な委員会を作ることができません。
スペシャルオリンピックスでは、健常者と共に歩むことをとても重視しています(統合・ユニファイド)。たとえば、バレーボールの選手の半分は知的障害者で、残りの半分が健常者といったぐあいです。
このような工夫が多くの競技で行われています。そして多くのボランティアが、様々な形で競技会に関わります。参加したボランティア達は、多くのことを学び、深い感動を体験しています。
「スペシャルオリンピックスで大切なものは、最も強い体や、目を見晴らせるような気力ではない。大切なものは、各個人のあらゆる障害に負けない精神である。この精神なくしては勝利のメダルは意味を失う。しかしその気持ちがあれば決して敗北はない。」
ユニス・ケネディ・ シュライバー
以下、2009.2.10加筆
「私たちは、精一杯力を出して勝利を目指します。たとえ勝てなくても、がんばる勇気を与えてください。」
スペシャルオリンピックスを舞台にしたコメディー映画。スペシャルオリンピックス国際本部も協力。「ケネディーの会:スペシャルオリンピックス」のページに映画の解説と国際本部理事長の言葉がありました。
「スペシャルオリンピックスの目標は、アスリート達の生活を向上させるだけでなく、知的発達障害者の否定的なイメージを拭い去り、障害を持っていない若者達の彼らに対する先入観を変えることです。」
「ユーモアは、そうした若者たちの心にメッセージを届ける上で、とても有効な手段になり得ます。」
映画『リンガー!替え玉★選手権』公式サイト
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原題は、「ユー・アー・スペシャル」。人間は、特別な才能や容姿にかかわらず、一人一人がスペシャルな特別な存在だと教えてくれる本。私は、あちこちの講演会で朗読しています。
日本語で、「スペシャル」を「特別」と翻訳してしまうと、人より特別に優れているというニュアンスが出てきてしまうので、「たいせつなきみ」と訳したのかもしれませんね。
「スペシャル」というカタカナ語は、何か豪華な良い意味で特別といった感じがしますが、スペシャルを「特殊」と訳すと、特別に良いというニュアンスのほかに、何かネガティブな意味で人と違うというニュアンスを感じませんか。「特別な客」と「特殊な客」は、感じがちがいますよね。
ところで、かつて「特殊学級」と言われていたクラスは、今では、「特別支援学級」と呼ばれることが多いようです。本当は、特殊学級も、スペシャルなんだからとても良いはずですけれどもね。
「スペシャル」は、他と比較して特別に良いという意味ではなくて、一つ一つが大切なんだという意味の歌が、竹内まりやさんの『毎日がスペシャル』(アマゾンで視聴)ですね。ビデをカメラのコマーシャルにも使われていましたが、誕生日じゃなくても、給料日じゃくても、毎日がスペシャルデーなんだと歌っています。(「毎日がスペシャル」作詞作曲歌竹内まりや:歌詞はこちら)
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リンク
.パラリンピック開会式に出演レーナ・マリア・ヨハンソンの人生 「神様は私に手の代わりに心の中に豊かさを与え、私が自分自身を愛せるようにして下さいました。」
パラリンピック開会式を見て 「炎と感動の開会式」「君は選ばれて障害者になった」「つまずきながらも段差を越えて」
パラリンピックと福祉? 「競技者として認めて」「福祉のお世話」「人類の福祉」
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