心理学総合案内「こころの散歩道」/出会いの　社会心理学入門/（碓井真史）0

社会心理学って何？

　心理学にも、いろいろなものがありますが、社会心理学は、「私たちの暮らしの中の心理学」です。日常生活の中で起こる、人の心と行動の不思議と仕組みについて考えていきましょう。

　以前は、社会心理学というと、集団心理学、群集心理学というイメージを持つ方が多かったと思いますが、現在は、それに加えて社会的場面（暮らしの中）での個人の行動を扱うのが社会心理学です。普段の生活の中で、「私」や「彼」や「彼女」、家族や有名人など、さまざまな人がなぜ、そう感じ、そう行動するのかを理解し、予測をするのが社会心理学です。

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　社会心理学は、個人の行動から組織の行動、群集行動や、国民全体の行動まで扱います。何が流行し、誰に投票し、人々がどのように動いていくかを研究するのが、社会心理学です。

　社会心理学を悪用すれば、政治家が国民を動かしすのにも使えるでしょう。

たとえば、２千年前のローマ皇帝はキリスト教を迫害し、クリスチャンを処刑しました。しかし、結果的には３００百年後にはキリスト教はローマの国教になりました。

信仰のために処刑されるクリスチャンを見た人々は、確かに恐ろしいと思ったでしょうが、同時に命をかけてまで守ろうとするキリスト教信仰に関心も持ったことでしょう。もしも、当時のローマ皇帝が現代の社会心理学を学んでいたならば、やたらと処刑などしなかったかもしれません。むしろ巧みな方法で、彼らを改宗させ、自分たちは間違っていたと群衆の前で語らせたことでしょう。

　信仰や信念のために死ぬ「殉教者」は、運動を盛り上がらせるのです。

韓国の旅客機を爆破した北朝鮮のスパイ金賢姫（キム・ヒョンヒ）を、韓国政府は死刑にしませんでした。再教育し、北朝鮮の間違いをマスコミを通して発表させ、韓国内で生活さえています。この方が、効果的であると、判断したのでしょう。

　このように考えると、社会心理学は、ちょっと危険な学問かもしれません。しかし、巨大な権力を持った者たちは、そでにもう知っているのです。学問的ではなくても、経験的に実践しているでしょう。だから、私たち庶民もコントロールされないように、社会心理学をしっかり学ぶことが必要ではないでしょうか。

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　さて、社会とか、暮らしとか、日常生活ということは、私たちの人と人との出会い、関わりの心理学と言えるかもしれません。

　社会心理学を通して、自分を知り、人を知り、世の中を理解し、人間関係をよくしましょう。

実験してみよう！

　一円玉、十円玉、百円玉、五百円玉と同じ大きさの円を描いてみてください。それから、直径2センチメートルの円を描いて下さい。描き終わるまでは、本物のコインをを見てはいけません。

　描き終わったら、本物のコインと比べて、どのくらい正確な大きさで描けたかを確かめて下さい。

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