「心理学総合案内心の散歩道」/自殺の心理/中3いじめ自殺
ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』
自殺といのちについて考える全てのひとのために
2000年10月13日、中学3年生の女性生徒が自殺を示唆する遺書を残して自殺していたことが16日までにわかりました。女子生徒の自室の机の中に「あいつらは絶対許さない」などと書かれたメモがありました。
この女生徒は、小学生のころから同級生にいじめられていました。中学では、学級会を開いたり、いじめていた男子生徒と別クラスにするなどの対応を取っていました。
校長は次のように語っています。
「(彼女が)2年生の3学期にはいじめがなくなったと思っていた。その後もいじめが続き、自殺したのなら、いじめを見落としており、無力感と責任を痛感している」
***
ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げます。
*
「あいつらは絶対に許せない!」
そうだよ! 良くそこまで頑張って考えたぞ。強い心を持っていたぞ! でも、もう一息でした。もうほんの少しだけ、強さを出してほしかった。自殺という形ではなく、もっと生きて戦う方法をとってほしかった。
生きて戦うのは、辛かったかもしれない。誰にもわかってもらえない、助けてもらえないと思ったのかもしれない。 本当はそんなことないのに!
何年も、何年も、いじめられ続け、学級会したって、クラス替えしたって、いじめがなくならなくて、辛かったよね。苦しかったよね。でも、もっと生きてほしかった。
「あいつら絶対に許せない!」 そうだよ、だから生きて戦ってほしかった。
本当は味方だっていっぱいいたはずなのに。決して孤独じゃなかったはずなのに。でも君は、孤独を感じてしまったんだね。
***
学校は努力してきたようです。家族も努力してきたことでしょう。しかし、結果的に見れば、結果的にですが、本人へのケアが足りませんでした。いじめをやめさせる努力だけではなくて、誰かが精神的に彼女にもっと寄り添っていれば、いじめは防げていたかもしれません。 結果的に見ればですが......。
校長のコメントは、ネット上で文字で見ただけですが、誠意のあるコメントだと思います。無力感を感じているのも、事実なのでしょう。(わたしが、その学校のスクールカウンセラーをしていたら、やっぱり激しい無力感に襲われていたでしょうね)
でも、今は亡くなられた方のことだけではなく、生きている生徒達のことを考えなくてはなりません。(そんなことはもちろんご存知でしょうが)
***
生徒全体の動揺を抑えなければなりませんが、同時に、もしも同じような境遇の子がいれば、特に気をつけなければなりません。いじめ自殺の伝染を防がなくてはなりません。
マスコミも含めてですが、死を美化しすぎたり、自殺していじめの実態が明らかにされて良かったといった表現は慎まなければなりません。
***
あいつら絶対許せない! そうだよ、そうだよ。 やっつけちゃえよ! 君にはその力がある。勇気があるはずだ。 味方はいっぱいいるぞ。 クラスのみんながいじめを止めてくれなくても、クラスの外の世界に一歩出てごらん。だれがいじめっ子の味方なんかするものか。世界中が君の味方です。
遺書書いて、死んだりしちゃダメだ!
生きぬいて、いじめをやめさせ、君が強く、幸せになることで、あいつらをやっつけるんだ!!
***
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