「心理学総合案内心の散歩道」/自殺の心理/最近報道
ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』
自殺といのちについて考える全てのひとのために
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一時はポスト久米宏とも言われていた人気アナウンサーが、自宅で自殺しました(9.28)。45才でした。
今朝(99.9.28)の朝日新聞が、急増する中高年の自殺問題を取り上げていましたが、また中年男性の自殺です(「この記事を読んで」)。
自殺をする人は、ほとんどの場合、心が傷ついた「自殺の準備状態」にあります。そのとき、何か直接の原因「きっかけ」になることが起こると、自殺してしまうのです(自殺の公式)。
今回は、現在(9.28夕方)のところ遺書などが発見されておらず、きっかけ何だったのかはわかりません。
故人は、若いころから「ザ・ベストテン」などの番組でテレビの人気者でしたが、女性問題、狂言自殺、交通事故など、いくつもの人生のトラブルに出会っています。昨年6月TBSを退社、フリーに。そして、中年になり人生の危機を迎えたのでしょうか(「中年クライシス」)。
それとも、自殺者の半数がそうであるように、うつ病だったのかもしれません。
新しい情報が入れば、また更新したいと思いますが、今は、この報道を通して思いついた一般的なことをお話したいと思います。
派手な自殺報道は、次の自殺者を生みます。まるで、自殺が伝染していくように。
特に、自殺した方と同じような境遇にある方は要注意です。報道はもちろん大切ですけれども、報道による自殺連鎖が起こり可能性も忘れてはなりません。
うつ病の患者さんの多くが自殺を考えます。特に、重いうつ状態からの回復期は、用心が必要です。
また、うつ病だという自覚が本人に無く、家族も気づかず、治療を受けないままうつ状態が続き、そこに過労や仕事上のトラブルなどが起こり、自殺してしまうケースもあります。
故人の場合は、自殺予告をしただけで、警察が来たときには、食事中でしたが、実際に自殺のまね事をすることもあります。
狂言自殺が度重なると、「オオカミ少年」のように周囲も相手にしなくなります。しかし、まねのつもりが、実際に深く血管を切ってしまったりする場合もあり、狂言だと言って軽視するわけにはいきません。
狂言とはいえ、それは、心のSOSなのですから。