ころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / 高3男子主婦殺害/対人関係
長野県立子ども病院の臨床心理士隆籏志郎さんは、対人関係の発達障害が急増しているとして、次のように朝日新聞紙上でコメントしています。
「対人関係の発達障害があると、幼いころから空想僻が強い。最初は童話的でも、思春期にいじめなどに遭って劣等感が深まると、空想が殺人など残虐性を帯び、計画性も高くなる」
子どもや若者の対人関係が下手になったという話は、もうずいぶん前からいわれています。
あなたは、もし自由に選べるとしたら、次のAとBのどちらを選びますか。どちらの方が快適だと感じますか。
* ・銀行でお金を下ろすときに、
A 窓口のお姉さんを通して手続きする。
B 現金自動支払機を選ぶ。
・買い物をするときに
A 個人商店で、お店のご主人とのやり取りを楽しみながら買い物する。
B スーパーやコンビニで、できるだけ会話をしないで買い物をする。
* ご年配の方々の多くは、人間相手に会話しながらの方を選ぶでしょう。
ある年齢から下の人々は、人間関係なしにできる方を選ぶでしょう。その方が、楽だと感じるからです。あるコンビニのマニュアルでは、客さんと必要以外の会話をできるだけしないようにとあるそうです。あるパソコンショップでは、「当店ではお客様にお声をおかけいたしません。ごゆっくりとお買い物をお楽しみ下さい」と店内放送で流しています。
人間関係を苦痛に感じてしまうのは、特別な人だかではなく、時代の流れなのかもしれません。
しかしそれでも、私たちは人間関係などいらないと思っているわけではありません。少年マンガのテーマは、あいかわらず、友情、努力、勝利です。良い仲間の存在を欠かすわけにはいきません。若者の多くは、親友が欲しい、恋人が欲しいと思っています。
心の底では、深い人間関係を求めている。しかし、人間関係に高い不安を持っている。このアンバランスが激しくなってしまうと、病的になるのかもしれません。
本当に人間がキライなら、愛されなくても、注目されなくても気になりません。どこかで一人で暮らせばよいのです。でも、そうではないので、苦しみを紛らわすために空想へ逃げたり、犯罪的行為に走ってしまうのかもしれません。
生まれたての子どもは、今も先年前も変わらないのですが、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。
人間関係で傷つくことを恐れずに、少しずつ違いの本当に気持ちを表すことができればよいのですが。
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