レーナマリア(ゴスペル歌手、障害者スポーツ選手)について、心理学とキリスト教から解説。
こころの散歩道(心理学総合案内)/心のニュースセンター//長野オリンピック と パラリンピックで学ぶ 心理学/レーナ・マリア
ゴスペルシンガー, ソウルパラリンピック水泳3種目で入賞,
長野オリンピック開会式に出場, 両腕欠損, 左脚は右足の半分の長さ
「神様は私に手の代わりに心の中に豊かさを与え、
私が自分自身を愛せるようにして下さいました。」
(レーナ・マリア)
朝日新聞(3.2)によると、今回は「'98アートパラリンピック長野」の招待で来日。3月1日善光寺で開かれたコンサートでゴスペル(キリスト教の宗教歌)を歌いました。 お寺で歌うのは始めてなので、歌う前は緊張したそうですが、お坊さんまで一緒に手拍子をしてくれて、楽しいコンサートになったそうです(3.4テレビ朝日「ニュースステーション」のインタビューより)。 長野パラリンピックの開会式(3.5)にも出場し、「輝く日をあおぐとき」「アメイズィング・グレイス(おどろくばかりの)」を歌いました。 レーナ・マリアの歌と人生は、多くの人に感動を与えています。彼女の本「マイライフ」をもとに、その生き方を見るとともに、心理学や福祉の視点から考えましょう。 |
* * レーナマリア 略歴 * *
1968年 スウェーデンのハーボ村に、
両腕と左足に原因不明の障害を持って生まれる。
3才 水泳教室に通う。
5才 教会の聖歌隊に参加。
18才、19才 両年の世界障害者水泳大会でいずれも金メダル獲得
ゴスペルシンガーとしての活動を開始。
20才 ソウルパラリンピックで入賞。
ドキュメンタリー番組「目標に向かって」に出演
全ヨーロッパで高視聴率。
23才 ストックホルム音楽大学卒業
テレビ朝日「ニュースステーション」「徹子の部屋」等に出演
全欧、全米で、ゴスペルシンガーとしての本格的活動開始。
来日時には、日本各地でコンサート。
1995年 結婚
今回は、長野パラリンピックのために来日。
身体的なハンディキャップを持つと言うことは、そのこと自体が障害になるのではないと思います。私は、野原を走り回ってマンモスを倒すようなりっぱな身体はもっていませんが、普通に生活する上で、何の問題もありません。
江戸時代には、老眼を理由に仕事を引退する人が多かったそうです。現在では、考えられません。メガネをかければ、仕事には支障はありませんし、老眼だからといって差別されるようなこともないでしょう。
ある身体的ハンディキャップは、その社会の中において「障害」になるのだと思います。
(「スター・トレック:ニュージェネレーション」という未来世界を描いたアメリカのテレビドラマに、全盲の青年が出てきます。しかし、彼は「バイザー」という特殊な機械を目につけて、何の問題もなく日常生活をおくっています。その時代には、もう「障害者」とは呼ばれていないようです。)
もっとも、どんなに機械が進歩しても、偏見や差別が残っていれば、問題の解決にはならないでしょうが。
心理学的に考えると、身体的ハンデによって、セルフエスティームを失うことが心配です。セルフエスティームとは、自尊感情とも訳されますが、自分は価値のある人間だという感覚です。
高いセルフエスティームがあるときには、人は平安な気持ちを持って、物事にチャレンジし、豊かな人間関係を持つことができます。
しかし、セルフエスティームを失ってしまうと、自分は役立たずで、生きている価値のない人間だと思いこみ、豊かな人生を歩むことが難しくなってしまいます。
私たちは、いろいろなときに落ち込んで、セルフエスティームが低くなってしまいます。福祉の関連で言えば、お金がなかったり、病気になったり、様々な障害を持ったときに、セルフエスティームを失いやすくなります。
金銭や身体的な問題に加えて、大きな心の問題を抱えてしまうわけです。どんなにお金が与えられても、どんなにりっぱな施設ができても、セルフエスティームを失ったままでは、幸せになりません。
高いセルフエスティームを持つためには、本人の心の問題が大きいのですが、その人を支える社会制度や周囲の人達の役割も大きいことは、言うまでもありません。
レーナ・マリアが、大きな身体的障害をもっていながら、自分を愛し、人生にチャレンジし、高いセルフエスティームを持っていることは、とてもすばらしいことだと思います。
「一番危険なのは、自分をあわれむ気持ちに陥ることだとおもいます」レーナ・マリア
(セルフエスティームに関しては、また別の機会に、「こころの散歩道」の別のページで、もう少し詳しくお話ししたいと思います。)
「好きなこと、やりたいこと、体験したいことがたくさんあります。そのどれもが可能性に満ちているように思えて。」
水泳も(一番得意なのはバタフライ)、バレーボールも(頭を使って)、料理も、食事も、買い物も、編み物も、メイクも、運転も(コンサート・ツアーのための年間走行距離4万キロ)、パソコンも(ゲームが好き)、カメラも(口でシャッターを押す)、絵も、そして歌も、そのすべてを、彼女は自分の力で、実に楽しそうにやっています。
「私が生きるのに必要な力や喜びは、すべて神様が与えて下さることがわかったので、「私には乏しいことがない(聖書・詩編23篇)」のです」
「彼女の歌は朗らかで、明るい。人間は強く生きられる、と励ます声だ」朝日新聞 天声人語
「障害をかかえたまま、あんなにはつらつと生きているってすごい」
「僕は今までわがままだった。自分が恥ずかしい」
「私は本当の友達がいなくて寂しい」
レーナマリアのビデオを視た中学生達の感想「娘を通じて、神様は、すべての人は等しい価値があるという真理を教えて下さいました」 (レーナマリアの母)
リンク:「レーナマリアジャパン公式サイト」
BOOKS:レーナマリアに関する本、CD
『マイライフ 新装増補 』
『レーナ・マリア―障害をこえて愛と希望を歌い続ける女性シンガー (学習まんがスペシャル) 』
:我が家の子どもたちも、このユーモアいっぱいのマンガの伝記を楽しく読んで、レーナマリアが大好きになりました。
(それにしても、生きている若い人の伝記が出てしまうというのはすごいですね。)
CD
『アメイジング・グレイス/レーナ・マリア ベスト・セレクション 』
『イン・ユア・ディライト 』
『エヴリ・リトル・ノート 』
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パラリンピック開会式を見て
炎と感動の開会式・君は選ばれて障害者になった・つまずきながらも段差を越えて前のページへ戻る「里谷選手の金メダルで学ぶ心理学:自律と依存」
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