心理学総合案内・こころの散歩道/犯罪心理学/少年犯罪/一家/問題
高校は不本意入学でした。部活動は1ヶ月で辞めました。クラス内の悪ふざけでケガをし、友達ともギクシャクしました。髪を染め、ピアスをしました。学校を辞めたいと言っていました。
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どれも、「今にして思えば」ですが、その時にもっと問題になっていれば、どんなに良かったでしょう。
想像ですが、学校でも家庭でも決して無視はしていなかったとは思います。でも、もっと「問題」になっていれば。*
一部報道によれば、髪を染めたときには、地域の人にも注意されていますし、父親からはかなり厳しく言われて元にもどしたようです。
無口で、口答えをしない、自己表現が苦手な少年が、ある日、髪を染めてきました。たぶん、何かを表現したかったのでしょう。たぶん、こっちを向いて欲しい、注目して欲しいと思ったのでしょう。
民家への侵入も、今にして思えば、もっと早く発覚して逮捕されていれば、こんな恐ろしい殺傷事件は起きずにすみました。
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少年非行に現場で関ってきた人が、「非行は良いことだ」と表現しています。もちろん、泥棒やケンカが良いことだと言っているわけではありません。被害者の心をもてあそんでいるわけでもありません。
ただ、非行を悪いことだとだけ考えて、単に処罰の対象にするだけにしたり、表面上だけ行動を直すだけではなくて、少年の心の問題を考えるチャンスにしようというのです。
非行は多くの場合、少年からの「心のSOS」なのです。身体の中に異常が生じたときには、痛みや熱になって表れます。そんなふうに、心の問題が非行になって表れます。
もちろん、熱や痛みがないほうが良いように、犯罪など犯さないほうがいいに決まっています。被害者が出るような非行ならなおさらです。
でも、もし非行が発生したら、それを通して、少年の心の問題を解決したいのです。今回の事件でも、殺人事件の前に、彼の心の問題が大きくクローズアップされていたら、どんなに良かったことでしょう。
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いわゆる「問題行動」も同じです。問題行動などないほうがいいに決まっています。不登校→引きこもり→犯罪といったこともありますし、高校を中題した無職青年による犯罪も起きています。
問題はないに越したことはありません。
でも、無理をして、無理をして、学校に行き続けて、それで心がつぶされてしまったり、自殺してしまうぐらいなら、不登校になったほうがずっとましです。
不登校という目に見える形で心の問題が外に表れ、それで本人や家族の心の問題が解決されたとしたら、不登校になったかいがあるというものです。
今回の事件は、学校の問題が事件の原因ではありませんが、でも「学校を辞めたい」という彼の言葉を、誰かがもっと真剣に受け止め、大きな問題としてくれていたら、あるいは事件は未然に防げていたかもしれません。
補足:少年が不登校を始めてから、担任は4回家庭訪問をしています。ですから、決してまわりが何もしなかったわけではないのですが、不登校に対して、学校に行かせるということ以上に、彼の心の中に入るチャンスになっていれば........。
どれもこれも、「今にして思えば、」ですが。
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