心理学総合案内・こころの散歩道/犯罪心理学/少年犯罪/一家/なぜ
何だかんだと、犯行の理由や動機を考えてみても、それでもやっぱり、どうして一家皆殺しなんてことをしようとしたのか、わかりません。
そうすると、他にまだ何か隠された動機があるのか、それとも少年の心の奥底か、それとも彼の「脳」に、なにか問題があったのかもしれません。
*
精神鑑定医として有名な福島章先生が、最近「子どもの脳が危ない」という本を出版されました(PHP新書2000.1.1)。これによると、大量殺人者の多くは脳に何らかの異常が見られたそうです。
脳はとても複雑なもので、何か異常があったといっても、それまでの生活はまあ普通にしてきたわけです。しかし、いくつかの不幸が重なったとき、普通であれば心のブレーキがかかるところが、大量殺人に至ってしまうわけです。
*
ただし、脳に異常があると言っても、もちろんそういう人がみんな犯罪者になるわけではありません。また、そのような少年犯罪者の多くは、成人後、落ち着いた生活を送っています。
*
普通では考えられないような犯罪の影には、普通ではない問題があるのでしょう。そうとはいえ、そんな少年を誰かがもう少し支えることができれば、犯罪は防げたでしょうし、そしてまた精神医学的にいって更生は十分可能だと言えるのです。
*
今回の少年がどうだったのかは、まだ謎のままですが。
→次のページ:大分一家6人殺傷事件と「八つ墓村」:悪いのはあいつらだ!心理学入門| 社会心理学(対人心理学)| 心の癒し(いやし)・臨床心理学| やる気の心理学| マインドコントロール| ニュースの心理学的解説| 自殺と自殺予防の心理学| 犯罪心理学・ 少年犯罪の心理学(非行の心理)| 宗教と科学(心理学)| プロフィール・ 講演| 心療内科| リンク| 今日の心理学(エッセイ) | 掲示板
アクセス数(97.6.5から)