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八つ墓村の犯罪心理学
悪いのはあいつらだ


 犯行現場に足を踏み入れたある捜査官は、被害者の血のあふれる惨状を見て、「八つ墓村」のようだと思ったと語っています。

 「八つ墓村」は、有名な小説で角川映画にもなり、当時「たたりじゃあ〜」というセリフが流行語にもなりました。

 この八つ墓村は、現実に起きた「津山30人殺し事件」がモデルになっています。

 昭和の初めころ、ある青年が村人全員に対してはげしいうらみと怒りをもって、猟銃と刀を持ち、30名を殺害しました。

 頭に懐中電灯をくくり付け、次々と村人を襲う様子は、まるで鬼のようだったと言います。

 客観的に見て、これほどの恨みを買うようなできごとはありませんでした。しかし、かれは村人から冷たい目で見られていると感じ、犯行に至ったのです。犯行後、犯人は自殺しています。

 今回の事件も、小さな集落で未明に起きた大量殺人ということで、津山の事件と似ています。少年は、隣家から無視されたと言って怒り、また隣家だけではなく、他の家にも忍び込み、下着を切り刻んだりしています。集落全体への激しい感情を持っていたのかもしれません。

 自分が下着泥棒をしたのは、もちろん自分が悪いのですが、責められる立場になったとき、反省するのではなく、相手を恨んでしまうことがあります。

 小さな子どもなど、叱られているうちに逆に怒りだすことがあります。気の短い中学生なら「逆切れ」するでしょうか。

 非行少年の中には、自己反省する力が弱く、逆に他者に対して攻撃的になってしまう人たちがいます。


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 関連リンク:日本犯罪史:このサイトでは、津山30人殺し事件を初め、多くの興味深い犯罪をイラスト入りで紹介しています。

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