こころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / 通り魔 / 池袋通り魔事件の犯罪心理学
容疑者の23歳の男性について、マスコミは、次ぎように伝えています。
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事件前の仕事ぶり(新聞配達員)、評判
「欠勤もなく仕事ぶりはまじめで、配達漏れもほとんどなく、優秀と言ってもいいほどだった」
「同僚ともプライベートの話はせず、物静かなタイプで仕事に打ち込む男だった」
「仕事や人間関係のトラブルはなかった」
しかし、9.4から突然無断欠勤し、連絡もまったくとれなかったため、9.6解雇。
8月分の給料も受け取っていない。
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生育歴、家庭環境
岡山県出身。地元の高校に進学。
「まじめで問題を起こすこともない目立たない生徒だった」
高2の時、両親は数千万の借金をし、彼を残したまま家出。彼は登校しなくなり、中退する。「自分で勉強したいと言っていた。」大検を受けて進学したい希望もあったようだ。その後転々と職を変えてきた。
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逮捕後の供述
「数カ月間、販売店でまじめに仕事をした。しかし、仕事が嫌になり、人を殺したいと思うようになった」
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犯行までの経緯
9.4朝、仕事を無断欠勤し、アパートにメモを残して姿を消す。
「わたし以外のまともな人がアホを殺している。わたしもアホを全部殺す」
アパートを出た後は、都内のカプセルホテルを転々としながら、事件の二日前に事件現場の東急ハンズで凶器の包丁と金づちを購入していた。
精神科への通院歴や薬物を使用した形跡はなかった。
高校生の息子を残して逃げてしまう両親は、どんな両親だったのでしょうか。このときに突然生活が乱れたのでしょうか。それとも、彼の子供時代から問題のある両親だったのでしょうか。
いずれにせよ、彼は高校を中退し、職を転々としています。小さな子供時代のことは、まだわかりませんが、中退後の人生は、満足した楽しいものではなかったでしょう。
どこに行っても満足が得られず、その度に傷を深めていったのでしょうか。
心の傷があっても、たまたまお金持ちであるとか、家族がしっかりしているとか、何か特に優れた能力などがあれば、少なくても表面上は、社会の中でトラブルを起こさずに生きていけます。
しかし、時には、繰り返し挫折し、傷を深めてしまうこともあります。
彼は決して乱暴な人間ではなかったようです。そして、自分の深い怒りや悲しみを、おおきな声をあげて叫ぶこともできなかったのでしょう。
表面的には、まじめな静かな人間だったからこそ、心の底の激しい感情が、どんどんたまっていってしまったのかもしれません。
9.9池袋で、彼のどうしようもない深い怒りと悲しみと復讐心が、とうとう爆発してしまったのでしょうか。(1999.9.11)
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2008年9月緊急発行
『誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
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