SMAP草なぎ君逮捕から考えるアルコールの心理学 1
草なぎ君逮捕から考えるアルコールの心理学 2 異常酩酊・病的酩酊
2009.4.23
草なぎ君ではなく、草なぎ容疑者と言うべきでしょうか。犯罪者(容疑者)にやたらとエールなど送ってはいけないでしょうか。
もちろん、公園で全裸になどなってはいけません。違法行為です。迷惑な行為です。
でも、チーム優勝で興奮したファンが酔ってお尻を出し、川へ飛び込むといったことは、(良いことではありませんが)見られることです。
今回も、おそらく起訴はされないのではないかと予想されます。
乱暴して人を傷つけたわけでもなく、女性に裸を見せつけるなど意図的に性的被害を与えたわけでもあません。
ある法律事務所のブログ(ビジネス法務の部屋)では、今回の事件に関連して、「草なぎ氏は単純酩酊か、病的酩酊か?」というページをアップしています(敬称は当初は「くん」後に「氏」としています。
寄せられているコメントの中には、公然わいせつ罪で逮捕ではなく、「トラ箱送り(警察官職務執行法第3条第1項及び酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律第3条第1項)」が適当だったのではないかという意見もあります。
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、23日の番組内で「午前3時の公園でだれもいないところでしょう。公衆の面前じゃないんだから公然わいせつにはならないと思う。逮捕までしなくてもいいのでは?」と語っています。
(補足09.4.24:草なぎ剛さんが裸になっていた場所は、公園内の街灯の下であり、1時間も騒いでいました。周囲のマンションの窓からはよく見えたようです。)
子どもから年寄りまで多くのファンを抱えるSMAP、草なぎ剛としては、軽率だったでしょう。
超有名人であり、莫大な金銭がからむ巨大ビジネスの一部である芸能人として(たくさんのCMなどに出ている芸能人として)、関係者に多大な損失を与えたのも事実でしょう。
しかし、極端なバッシングを浴びせるのではなく、犯した行為に即した責任を取ったうえで、またぜひがんばってほしいと思います。
(09.4.25補足:その後、触法され、起訴の可能性の少ないということから、マスコミも「容疑者」から「さん」づけに変わりました。)
(0935.1補足:草なぎさんの起訴猶予が決定しました。)
(その後の報道によると、この数年酒癖の悪さを見せる場面があったということです。そうだとすれば、今回の異常な酔い方に関して、もっと事前に注意すべきだったとも言えるでしょう。)
日本では、タバコの害は盛んに言われますが、それにくらべると、酒の害はあまり言われないように思います。
しかし、タバコで不幸になる人よりも、酒で不幸になる人の方がもしかしたら多いのではないでしょうか。
それでも、日本では諸外国と比べると、アルコールが社会問題になることが少ないように思います。
日本では、アルコール依存症の状態でも、会社にだけは行くので、社会問題になりにくいと言っている人もいました。
家庭の中でひどいことが起きていて、妻や子どもが毎日泣いていても、家庭の中だけに問題が封じ込められて、社会問題になることが少ないのかもしれません。
日本は、酒に関して、とても甘い社会だともいえるでしょう。
欧米のパーティーで、酒に酔っている人は見かけません。日本の宴会では、酒に酔って羽目を外すのはふつうです。りっぱなスーツを着たサラリーマンや、若い女性が、かなり酔って街を歩いている様子も、日本では普通ですが、欧米ではみかけません。
人前で酔った姿を見せること、酔って理性が弱くなった姿を見せることを、彼らは恥ずかしいことと思うようです。(酔って歩いていたら、すぐに財布を取られるという面もあるかもしれません。治安のよい日本では、金持ちのサラリーマンも魅力的な女性も、ちゃんと家に帰れますが。)
(今回、有名芸能人SMAPの草なぎ君が酔って街を歩くような恥ずかしいことはさせられないと、もしも一緒にいた友人が考えてくれていたら、今回の事件は発生しなかったでしょう。)
(補足09.4.24:友人は、草なぎ剛さんの自宅のすぐ前の公園まで送っていき、そこで別れたそうです。)
日本の酒文化自体は、誇れるものだと思います。日本酒は素晴らしいお酒だと思います。酔って楽しむのも、(限度をわきまえれば)悪いことではないでしょう。
しかし、酒に甘い日本文化の中で、酒のために苦しんでいる人(アルコールハラスメントや酒乱の父などで苦しんでいる人)は、たくさんいるのです。
アルコール依存症になってしまえば、本人の失業、家族への暴力(DV)、家庭崩壊、そして子ども時代を失って育つアダルトチルドレンが出来上がってしまいまうのです(『危ない呑み方・正しい呑み方』)。
今回、SMAPの草なぎ剛さんが、真夜中とはいえ公園で全裸になり、1時間も騒ぎ続けたのは、やはり異常な酔い方と言わざるを得ません。
おそらく、今回はしばらく謹慎し、そして仕事に復活するのでしょう。もうすでに十分反省していると思います。
ただ、反省だけではすまないようにも思います。
チームが優勝して、酔って川や噴水に飛び込む人は、最初からその計画です。酔って飛び込むこと、裸になることを楽しんでいます。(酔って冷水に飛び込むのは危険なのでやめましょう)。よくないことですが、その意味ではある程度自分でコントロールしているわけです。
でも、今回の草なぎ君公然わいせつ罪で逮捕のケースは、計画して、わざとしたわけではありません。
草なぎ君は、お酒が好きだということですが、今までは酒の上の失敗はなかったのでしょうか。失敗を繰り返しているとしたら、大問題です。もしも今回が初めてだとするならば、なぜこんなことが起きたのか、調べる必要があるでしょう。
(補足09.4.24:酒を飲んで裸になるなど、酒癖の悪いところはあったようです。ただし、仕事上、あるいは社会生活上の酒による大きな失態はなかったようです。 補足5.1:その後の週刊誌などの報道によると、深酒をした翌日の仕事で酒が残っていると思われることもあったようです。)
気持ちや態度で反省するだけではなく、医学的、心理学的にも、飲酒の問題に取り組み(アルコールの心理学2)、きちんと今回のことを考える必要があるのではないでしょうか。
それが、人気者SMAP草なぎ君の果たすべき役割ではないでしょうか。
がんばれ、SMAP草なぎ君! また楽しく、やさしい草なぎ君の姿を私たちに見せてください。
補足09.4.24:草なぎ剛さんは、本日(4.24)保釈されました。
5.1 起訴猶予が決定しました。
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「愉快にぶどう酒を飲め」 旧約聖書 伝道の書9:7
「ぶどう酒は、あざける者。強い酒は、騒ぐ者。これに惑わされる者は、みな知恵がない」 旧約聖書 箴言20:1
「酒に酔いしれてはいけません」 新約聖書 エペソ5:18
脳を壊さない酒との付き合い方:「お酒は楽しく飲む」 『危ない呑み方・正しい呑み方 』
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私が現在住んでいる新潟は、酒どころです。酒蔵の方とも知り合いになりました。たとえば、佐渡の尾畑酒造。こちらの方とお話していると、日本酒文化の素晴らしさを実感します。それは、世界にも認められ、尾畑酒造の「真野鶴・大吟醸」は、エールフランス(ファーストクラス・ビジネスクラス)の機内酒にも選ばれました。
機内は気圧の関係で酔いやすいので、地上以上にスマートな飲み方が求められますね
購入は、佐渡の地酒・北村酒店。
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