新潟青陵大学大学院(碓井真史) / 心理学総合案内こころの散歩道 (心理学講座)/犯罪心理学/米バージニア工科大学銃乱射事件

犯罪心理学:心の闇と光

バージニア工科大学銃乱射事件の犯罪心理学

孤独なスクールシューター「イシュマエル」

2007.4.19(4.20加筆)

集団殺人の心理・校内銃乱射事件の共通特徴・銃と犯罪・キリスト?・イシュマエル?

事件の概要

 2007年4月16日朝、アメリカバージニア工科大学で銃乱射事件が発生。校内の寮と教室において、学生教職員32名が射殺され、銃乱射ではアメリカ史上最悪の事件となった。
ニューヨーク・タイムズは「犯人は学生を教室に並ばせて処刑した」と伝えている。
銃を撃った男性はその場で自殺。男性は、アメリカ永住権を持つ韓国出身の23歳。この大学の学生で、キャンパス内の寮で生活していた。
後に、容疑者男性はテレビ局に犯行声明ともいえるビデオを送っていたことが判明した。

大きな影響と反応

 事件直後、ブッシュ大統領は次のような声明を発表している。
「今日、私たちの国は衝撃と悲しみに襲われた。学校は安全で保護された学問の場所だ。その聖域が侵されたとき、影響は全米の教室や地域社会に及ぶ」
また事件を受け、バージニア州知事は非常事態宣言を行なった。
ホワイトハウスでの16日の記者会見では、銃規制強化に関する質問が相次いでいる。
18日には、大統領夫妻出席のもと、全校規模の追悼集会が行なわれた。
 大統領は、「この国全体が深い悲しみを共有する一日だ」としながらも、犠牲者の家族、友人と気持ちをひとつにしようと呼びかけ、次のように語っている。
「暴力が成功することはあり得ない」「平静を取り戻す時を今、想像するのは難しいが、必ずその時は来る」
「殺人に対する怒りは、憎しみによって克服されるべきものではない」
教職員の代表も「われわれは必ず苦難を克服する」と語っっている。 
韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も、「悲劇的な事件に、わたしも韓国民も大変大きな衝撃をけるとともに悲痛な心情を禁じずにいる」と哀悼の意を表している。
潘・国連事務総長も、「罪のない市民を殺害することは受け入れられない」と犯行を非難した。

容疑者男性

 1992年韓国の貧しい家庭に生まれる。
容疑者の母方の祖父によれば、「生まれたときは賢そうに見えたが、幼いころから無口で、親を心配させていた」という。
8歳のときに家族とともにアメリカに渡る。
(この年、ロサンゼルスで黒人にリンチを加えた白人警官が無罪となったことをきっかけに暴動が発生。この人種間対立に韓国系移民も巻き込まれた。この事件が、彼の人格形成に何らかの影響を及ぼした可能性を指摘する人もいる。)
 2003年、バージニア州の公立高校を卒業。クラブ活動などもほとんどせず、目立たない生徒だったという。
 (乱射事件の犠牲者のうち少なくとも2人が同じ高校の卒業生。)
バージニア工科大学入学後も、目立たない学生だったようである。学生たちは、次のように語っている。
「無口で感情を表に出さないタイプ」
「表情が乏しい」
「無口で話し相手もいない学生」
「友人の少ない孤独なタイプ」
キリスト教系韓国人学生団体会長の学生によれば、
韓国人学生に聞いて回っても容疑者を知る人はいなかった
という。「私も顔も知らなかった。知っていれば、少し彼の力になれたかもしれない」と落胆した声で述べている。
韓国籍容疑者だが、同じ大学に数百人いる他の韓国人学生との付き合いはほとんどなかったようである。
容疑者のルームメイトの学生は、「決して乱暴な男ではなかった」と語っている。
(2007.4.19)
4.20の報道によると、容疑者男性は中高生のときにいじめられていたという。英語の発音の悪さをからかわれたり、「国へ帰れ」とののしられる、また暴力を振るわれることもあったといういう。(2007.4.20)
**
しかしその一方、
大学では周囲が不気味がら一面も見せている。
戯曲の授業で発表した2本の演劇脚本は、継父に性的虐待を受けた13歳の少年が反抗し、継父に殺されるとのストーリーや、教師殺害を望む高校生が登場、またハンマーや電動のこぎりを持ち出す場面や、「先生を殺したい」といった凶暴な言葉が続いた。
同じクラスの学生は、「病的でグロテスクな作品を書いていた。いつか何かやるのではないか、乱射事件でも起こすのではないかとクラスのみんなで話していた」と語っている。
指導した教員も、長年授業を受け持っているが、これほど異常性を感じる作品は少なかったと語っている。
また、2005年11月、容疑者による2人の女子学生へのストーカー行為が問題となったことも判明した。寮の部屋に火をつけたこともあった。このとき、苦情を受けた大学と警察が彼に接触。さらに、彼が自殺するかもしれないとの情報を他の学生から受け、警察は12月に再び接触。彼は警察の説得を受け、精神科に通院。だがその後、警察は「問題行動もないため、連絡をとっていなかった」という。
部屋にはナイフが何本もあった。

メモと手紙とビデオ

寮内での最初の犯行と、教室での犯行との間に、容疑者はメモ、手紙を書き、写真、ビデオを撮り、校内の郵便局から放送局へ郵送していた。
その内容は、裕福な学生や恵まれた環境にある学生への憎しみ、自分の苦しみにあふれ、周囲が自分を犯行へと追い詰めたと語り、犯行を正当化しているように思える。
「金持ちの坊ちゃん」「道楽者」「いかさま師」「メルセデス・ベンツに乗っても満足できない」、「俗物め。金のネックレスでは不足だろう」「お前たちは望むものすべてを持っている」などと周囲の学生らを非難。「僕をこうさせたのはお前たちだ」と語っている。
写真には黒い鉢巻きをした容疑者が、広げた両手に拳銃を持っている姿が正面から写っている。
(このポーズなどは暴力的な映画の影響を受けているのではないかとの意見もある)
また、「イエス・キリストのように死ぬ」と彼は語っている。
「お前たちにはこの日を回避する1000億のチャンスがあったのに、おれを追い詰めた」
「これは宿命だった」
「後世の弱く無力な者たちを鼓舞するため、おれはキリストのように死ぬ」
「顔につばをかけられ、のど元にごみくずを押しつけられる気持ちがわかるか。自分で自分の墓を掘る気持ちがわかるか」
「やらないでもよかった。逃げることもできた。だが、もうおれは逃げない」
「(犯行は)自分のためではなく、子どもたち、兄弟たちのためだ」
「俺は海を切り開いたモーゼのように人々を導く」
「イエス・キリストのように死ぬ」「モーゼのように導く」、彼は強い被害者意識を持つ一方で、自分を英雄視し、犯行を正当化している。
また、手紙と自分の体に「Ismail」(イシュマエル)と書いている。
(イシュマエルは、ユダヤ人(イスラエル人)の「信仰の父」であるアブラハムの息子。ただし、正妻の子ではなく、奴隷の子であり、父のもとを離れ放浪の旅にでる。西欧文化圏では、イシュマエルはしばしば「放浪者」の象徴とされる。)

大量殺人の心理

人は、そう簡単には人を殺しません。複数を人を殺すのはまれなことです。その中でも、一度にたくさんの人を殺す場合を「大量殺人」といいます。
長い期間に複数の殺人を犯す「連続殺人」の場合は、巧妙な方法で犯行を重ね、なかなか逮捕されないこともあります。有名なロンドンの切り裂きジャックは、結局犯人がわからず、迷宮入りでした。
一方、大量殺人犯は、ほとんどの場合、大勢の人々が見ている前で殺人を犯し、その場で逮捕されるか、射殺されるか、あるいは自殺しています。多くの大量殺人者は、逃亡する気はありません。自分の人生を終わりにし、そして人々の生活も終わりにしてしまおうとするのです。
こんな会社、学校、家庭、町、なくなってしまえば良いと思うのです。社会に強い復讐心を持ち、最後に自分が死ぬ前に、大量殺人によって人々の幸福を奪い、自分の力を誇示しようとするわけです。
日本でもっとも有名な大量殺人は、「津山30人殺し」でしょう。これは昭和13年におきた事件で、小説や映画「八墓村」で知られています。

大量殺人犯の特徴

複雑で深い社会的ストレス(近隣、同僚、友人などとの人間関係、貧困、不安定な家庭、暴力的文化などのストレス)にさらされ続けた集団の中にいるごく一部が犯罪者になり、さらにそ中のごく一部が、大量殺人者になります。
大量殺人者の多くは、精神的な病を持っているとする専門家もいます。心の病のために攻撃的で疑い深く、妄想をもっているといいます。殺人を命令する声が聞こえたという犯人もいます。
たとえば昭和56年に発生し、一度に4人が犠牲となった深川通り魔事件では、犯人は電波による声が聞こえ続けたと供述しています。
ただ、大量殺人のすべてを精神的な病気で説明することはできないでしょう。
大量殺人者の犯行動機は、明確にわからないことも多いのですが、社会(学校や会社)に対する「怒り」「うらみ」であることが多いようです。不幸な子ども時代をすごしてきたケースもよくみられます。
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校内銃乱射事件の特徴・犯人の心理

アメリカでは、これまでも何件もの校内銃発砲事件が起きています。90年代には「スクール・シューティング」などという言葉も使われ始めました。
・1993年ケンタッキー州の高校で、教師を射殺し生徒22人を人質にとる事件が発生しました。
・1996年ワシントン州の中学で教師と級友2人を射殺。
・1997年ミシシッピー州の高校では、母親を殺害後9人の生徒を銃撃し、生徒2人が死亡する事件が発生。
・1998年アーカンソー州の中学校で、2人の生徒が銃を乱射、4人の生徒と教師1名が死亡。
・1998年オレゴン州の高校では、両親を射殺後に、校内で銃を乱射し、生徒2人が死亡。
そして、
・1999年コロラド州コロンバイン高校で、2人の生徒が自動小銃を発砲。13名が犠牲になりました。
スクールシューティング事件を取材した飯塚真紀子氏は、これらの事件には次のような共通点があると述べています。(『そしてぼくは銃口を向けた 』草思社)
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学校銃撃事件の共通特徴
加害者は男性、成績は中以上、都会ではなく郊外、田舎の学校、犯行動機の基本は復讐、
周囲への敵視:いじめ、認めてくれない教師、愛してくれない恋人、親など。(ただし被害者に対する個人的な恨みよりも、たまたま居合わせた生徒や教師が被害者になっている)、
残酷な内容の作文など犯行の前触れ、バイオレンス趣味、銃撃予告、オカルト指向、動物虐待、他の事件の模倣性、犯行前の様々なトラブル。
今回のバージニア工科大学銃乱射事件でも、共通点は多いでしょう。(異なる点は、これまでは白人男性が多かったのですが、今回はアジア系だったことです。)
今回の事件報道の中でも、「孤独を好み暴力に取り憑かれ、深刻な性格的問題を抱えている。『スクール・シューター』の典型と合致していた」と語っている関係者もいます。
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上述の書籍に紹介されている「高校銃撃の心理」(D.コーネル)によれば、青少年犯罪者は3つに分類されるといます。
1.精神的病を持つ子。
2.家庭環境に問題があり、ギャング的活動をする子。
そして、

3,高校銃撃事件を起こすようなタイプ

頭も良く、一見ふつうの子だが、強い孤独感、疎外感を持ち、現状に不満を持つ。からかわれたり、いじめられたりすることに敏感で、世の中が不公平だと感じ怒りをもっている。落ち込むことでさらに判断力がゆがみ、人生は生きる価値がないと考え、自殺のかわりに他人を殺す。

現代的少年殺人犯

かつての少年たちは、上のもの、大きなものに反抗しました。しかし近年の犯罪は、むしろ弱者に向かっています。心理的に言えば、犯人は強くて乱暴というよりは、弱く甘えん坊で依存的です。周囲がもっと自分を愛し認めてほしいと強く願っているのですが、願いはかないません。まるで、幼い子どもが甘えたいのに甘えられず、泣き叫びながらこぶしを振り回しているようです。
ただし彼らは、口は達者であり、手には武器をもっています。日本でなら、包丁や金属バットでしょうが、アメリカでは銃になってしまいます。

バージニア工科大学銃乱射事件と津山30人殺し

両手に銃をもち、黒い服を着て仁王立ちし正面から写っている容疑者男性の写真。これを報道で見たとき、私は「津山30人殺し」(「たたりじゃー」で有名な「八つ墓村」のモデルになった事件。を思い出しました。
映画に出てきた犯行時の犯人の姿は、ほぼ実際に近いものです。
黒装束に、頭の左右にはは巻きつけられた2本の懐中電灯、腰には日本刀、手には銃。その姿はさながら鬼のようだったといいます。
この事件では、犯人の青年は村人から阻害されていると感じ、復讐に燃え、わずか1時間半ほどの間に30名の村人を殺害しました。犯人は犯行後、遺書を残して自殺しています。彼は、もともとは乱暴な人間などではなく、子ども好きにの文学青年であり、遺書の文章も立派なものでした。
彼は遺書の中で病気にかかったつらさ、そのため徴兵検査に落ち、周囲から馬鹿にされた(「恥辱を受けた」)辛さを語っています。女性関係でも傷つきます。彼はしだいに生きる希望をなくしていったと述べています。
彼は遺書の中で、このように書いています。
「僕がこの書物を残すのは、自分が精神異常者ではなくて、前もって覚悟の死であることを世の人にみとめてもらいたいためである。〜復讐のために死するのである〜実際、弱いのにこりた。今度は強い人に生まれてこよう。〜実際僕は不幸な人生だった。今度は幸福に生まれてこよう。」

キリストのように死ぬ

彼は自分をキリストやモーゼにたとえています。
中高生のときはいじめられていたようです。大学に入ってからも、人気者でもなく、活躍もできず、しいたげられていると感じていたようです。
ただの「いじめられっ子」では、彼はあまりにも自分が惨めだったのでしょうか。それを、使命を持つ人に対する「迫害」と思おうとしたのでしょうか。
彼が述べている「顔につばをかけられ」も、聖書からの引用でしょう。(キリストは十字架にかかるとき、ののしられ、つばをかけられています。)
他の大量殺人者と同様に、自殺することは当初からの計画だったのでしょうが、彼はその自殺自体にも意味を持たせたかったのでしょう。
自分は「殉教者」だと。殉教者はただの被害者ではありません。信念に基づき、死をもいとわなかった勇者です。死亡したことを「殉教」だと周囲が認めれば、その思想はむしろ力強く広がっていきます。
さらにキリストの十字架は、単なる殉教以上の意味を持ちます(キリスト教では、キリストが全人類の罪を背負って十字架にかかったと考えます)。十字架こそが、キリストが地上にこられた目的だとされ、ここからキリスト教が始まります。
モーセは、エジプトで奴隷になっていたユダヤ人たちを導き、救い出します。
彼は自分の死が、大きなムーブメントになって世の中が変わるというはかない夢を抱いたのでしょうか。

銃と犯罪

これまでになかった校内銃乱射事件によって、アメリカでも銃規制の声が上がり始めています。しかし、全米ライフル協会は言います。
「人を殺すのは銃ではない。人が人を殺すのだ」
たしかにそのとおりでしょう。
しかし、人の怒りを実行させるのは「銃」です。
心理学的には「欲求不満手がかり仮説」とよばれていますが、欲求不満が高まり、怒りがわいてくる、そのときにたまたま攻撃のきっかけとなるような武器になるようなものがあると、人は攻撃行動をとりやすいという説です。
素手で首を絞めて殺すよりも、銃の引き金をひいて人を殺すほうが、ずっと容易なのです。

バージニア工科大学銃乱射事件とこれからの私たち
:キリストのように、その後のイシュマエルのように

犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。
アメリカでは、大統領をはじめ多くの関係者が、事件によってさらに社会が悪化しないように懸命の努力を始めています。模倣犯がでたり、民族対立が始まらないように。
コロンバン高校銃乱射事件のときには、犯人の白人男性は無差別に銃を乱射したというよりは、少数民族とクリスチャンを狙ったといわれています。「お前はクリスチャンか」と問われ、「はい」(Yes,I do believe!)と答えた少女が射殺されています。その一部始終を見ていた別の少女が同じ質問をされます。「お前はクリスチャンか」。彼女は「はい」と答えれば命の危険があると知りつつ、死ぬ前にウソはつけないと、「はい」と答え撃たれます(幸い一命はとりとめました)。
この被害者らの態度から、アメリカでは犯罪防止の大きなムーブメントが起きました。
外部リンク
Yes,Ido believe! 20世紀の殉教者だち コロラド州高校銃乱射事件
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今回の事件では、容疑者男性は自分を「ののしられ、つばをかけられたキリスト」にたとえています。しかし、キリストはつばをかけられても仕返しせず、ののしられてもののしり返さなかったことで、キリストの愛と正義が伝えられたと聖書は述べています。
容疑者男性は、自分をモーセだとも言っています。モーセはエジプトで王子とした育った後、荒野で40年苦労します。しかしその経験が彼の人間性を磨き上げ、民族のエジプト脱出という大事業を成功へと導きます。
彼は自分を「イシュマエル」にたとえています。
正妻ではなく、奴隷の子であり、正妻の子さえ生まれなければ跡取りになれたのに、イシュマエルは放浪の旅に出ます。どれほど辛く、悲しい旅だったことでしょうか。しかし、聖書の物語はここでは終わりません。
 「翌朝早く、アブラハム(イシュマエルの父)は、パンと水の皮袋を取ってハガル(イシュマエルの母)にあたえ、それを彼女の肩にのせ、その子供(イシュマエル)とともに送り出した。それで、彼女はベエル・シェバの荒野をさまよい歩いた。皮袋の水が尽きたとき、彼女はその子を一本の灌木の下に投げ出し、自分は、矢の届くほど離れた向こうに行って座った。それは、彼女が「私は子供の死ぬのを見たくない」と思ったからである。それで、はなれて座ったのである。そうして彼女は声をあげて泣いた。」 (創世記21:14-16)
しかし、神はイシュマエルを祝福するとアブラハムに約束していました。
 「神は少年(イシュマエル)の声を聞かれ、神の使いは天からハガル(イシュマエルの母)を呼んで言った。「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神があそこにいる少年の声を聞かれたからだ。行って、あの少年を起し、彼を力づけなさい。わたしはあの子を大いなる国民とするからだ。」神がハガルの目を開かれたので、彼女は井戸を見つけた。それで行って皮袋に水を満たし、少年に飲ませた。神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで弓を射るものとなった。」 (創世記21:17-20)
外部リンク
悲しむ者は幸いです。その人は慰められるからです(イシュマエルの話)
当サイト内の関連ページ
心理学とキリスト教:聖書から見た世界観、人間観
BOOK
イラスト早わかり聖書ガイドブック 小型版
聖書 (プロテスタント・カトリック 共同訳)』
イシュマエルはたくさんの子どもを持ち、この子孫たちがアラブ人になったと言われています。特にイスラム教徒たちは、イシュマエルを先祖としてとても大切に思っています。
イシュマエルは不幸を背負って生まれた「放浪者」でしたが、悲しみに沈む最悪のときですら、実は「神がともにいた」のです。
自分をイシュマエルにたとえる今回の容疑者男性にも、味方になってくれる人、助けてくれる人が、本当はいたことでしょう。人生に希望が持てる道が、本当はあったことでしょう。

孤独と絶望感が、凶悪犯罪を生みます。

殺人を考えている人に殺人を実行させる方法は、誰も彼に話しかけないことです。
尊い犠牲者の死を無駄にしないためにも、苦しんでいる少年たちに、愛と希望がとどきますように。彼らの「目が開かれ」、真実が見え、愛と希望の存在に気づきますように。

「心理学総合案内・こころの散歩道」から5冊の本ができました。
2008年9月緊急発行
碓井真史著『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』
誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
2008年8月発行
碓井真史著『嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』
人間関係がうまくいく図解嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在にあやつる!心理法則
2000年

なぜ少年は犯罪に走ったのか
2001年
「ふつうの家庭から生まれる犯罪者」
ふつうの家庭から生まれる犯罪者
2000年

なぜ少女は逃げなかったのか続出する特異事件の心理学
「誰でもいいから殺したかった青年は、誰でもいいから愛してほしかったのかもしれない。」
☆愛される親になるための処方箋  本書について(目次等)
『ブクログ』書評「〜この逆説的かつ現実的な取り上げ方が非常に面白い。」
・追い詰めない叱り方。上手な愛の伝え方 本書について(目次等)
bk1書評「本書は,犯罪に走った子ども達の内面に迫り,心理学的観点で綴っていること,しかも冷静に分析している点で異色であり,注目に値する。」  本書について 「あなたは、子どもを体当たりで愛していますか?力いっぱい、抱きしめていますか?」 本書について 「少女は逃げなかったのではなく、逃げられなかった。それでも少女は勇気と希望を失わなかった。」 本書について

BOOKS・DVD

ディスカバリーチャンネル ZERO HOUR:コロンバイン高校銃乱射事件
そしてぼくは銃口を向けた
草思社
イラスト早わかり聖書ガイドブック 小型版
聖書 (プロテスタント・カトリック 共同訳)』
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一般的な犯罪の心理、殺人の心理などはこちら。




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