こころの散歩道:心理学総合案内/ 犯罪心理学 / 京都/優しさ強さ
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今(12.25.17:30)、京都の犯罪現場最前線にいらっしゃる記者さんから電話取材を受けました。
現場は、被害者の葬儀も終わり、年末にもなってマスコミ関係者の数も少し減ったそうです。今のところ、絵になる題材はなさそうですからね。
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今、必要なことは何かと質問されました。
強さ、厳しさと、優しさ、包容力だとお答えしました。
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犯罪に対する厳しさは大切です。
犯人をヒーローなどにしてはいけません。下手に注目の的になどしてしまったら、再び同様の犯罪を犯してしまうかもしれません。
犯行声明やら謎の言葉やらを残していますが、そんなこと関係ない。犯人は、ただの犯罪人です。犯罪者なんかに負けません。
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さて、それと同時に、
犯人を追いつめすぎてしまうのは不安です。そこからも、第二の犯罪の可能性があるからです。
「犯人へ」の中で、「もう一度、やりなおせます。まだ、まにあうから、もう、これ以上、悪いことはしないで。」と語りました。
これに対して、ご意見のメールをいただきました。殺人を犯したものに対して「まだまにあう」はおかしいのではないかというご意見です。
その通りですね。わたしも、そう書くのに悩みました。人を殺してしまったことは取り返しがつきません。
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けれども、犯人がもうどうしようもないと自暴自棄になってしまうのが怖いのです。死ぬ気になってしまったり、死刑を覚悟してしまったりすれば、さらに凶悪な犯罪が生まれるかもしれません。
現実に、成人であっても一人の人を殺して死刑判決が出ることはめったにありません。複数人の殺人になると、死刑の可能性が出てきます。犯人が未成年であれば、なおさらです。
どちらにせよ、新たな犯罪を起こしてしまったり、このまま逃げ続けるのではなく、できれば自首して欲しいと願っています。
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犯人に対して、厳しさはもちろん必要ですが、第二の犯罪を犯す可能性のある犯人には、特に「帰る場所」を用意したいと思うのです。
犯罪に対してどんな刑罰が適当かは、様々なご意見があるでしょう。しかし、どのご意見の人とでも、新たな被害者を防ぐという点では、一致できると信じています。
再犯を防ぐために、全ての子どもたちのために、厳しさと優しさが、今必要だと感じています。
(追伸:犯人は「子ども」だと思っていたのですが、もしかしたら「子ども」ではないかもしれませんね。わかりません。たぶん未成年ではあるのでしょうが。文字や文章は子供っぽい、でも犯行の準備などはあまり子どもらしくない。どうなんでしょうか。)
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