こころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / 新潟女性監禁事件/第2回公判2
事件前からさびしかった。友人がいなかった。
Q なぜ?
自分から拒絶した。
Q 誘拐は悪いことだと、当時も思っていたか
無我夢中だった。やってはいけないという気持ちもあった。
Q 被害者に対してどう思っているか
友人だと思っていたが、かわいそうなことをした。青春の大切な時期を奪った。
二人の生活は楽しかった。かわいかった。話題が合った。何か買ってあげようかと言っても、いらないと言う。自分で考えて、エアコンやMDを買ってあげた。
本を読ませるなど、私が勉強を教えた。世の中のことを教えるため、新聞も見せた。
病気の時などは薬も飲ませた。
被害者の女性は、私の生活の中でかけがえのない存在でした。
Q どうして9年2ヶ月の間、被害者を外に出さなかった。
わかりません。
二人の生活が終わるのが怖かった。Q 監禁中の食事量や運動量が少なすぎるとは思わなかったか
そこまで考えが及ばなかった。
Q 9年2ヶ月の間、幻覚や妄想はあったか。
夢か現実かわからないことはあった。
Q 自分が普通ではないことに気がついていましたね。
よくわからない。
今は大変なことをしたと思っている。
Q 事件当時は執行猶予中でしたね。
よくわからなかった。気にしていなかった。
第2回公判を傍聴した感想 弁護側はことさら容疑者の異常性を強調。しかし、極端な潔癖性や、それと矛盾するような不潔さは、神経症の症状としては、一般的なもので、責任能力の問題となるような精神病的なものではない。
検察側は、彼の行為を、病的ではなく普通の動機で説明しようとしているが、それは少し無理があると感じた。
潔癖性だが不潔、友人が欲しいのに自分から拒絶、母を愛しているのに暴力を振るう、誘拐してきた少女に自分が好かれているなどと思ってしまう。
どれも奇妙なことだが、彼にとっては真実だったのだろう。
彼の発言は、自分の罪を軽くするための言い訳というよりも、彼女を大切に思っていたという自分の心を伝えたがっているように感じた。
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論告求刑01.11.30 懲役15年
判決:懲役15年・判決公判を傍聴して
被害者の心のケアと支援
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