新潟青陵大学大学院(碓井真史) /心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座) /犯罪心理学/中央大学教授殺人事件の犯罪心理学2
彼は自分のノートに書いていました。
「人としゃべらない自分を変えないといけない」
「前向きに頑張らなくては」
このような、自分を鼓舞する内容が目立っていたといいます。
自分を変えようと思うことは良いことです。
ただし、その大前提は、今の自分を好きになることです。
今の自分はだめだから、だから変わらなくてはと思いこみすぎると、変わることができません。苦しくなる一方です。
自分は強くならなくてはと思いこみ、結局犯罪に走ってしまう人もいるのです。
人としゃべらなくても、友達が少なくても、アルバイト生活でも、そのままの私で良いのだと思えていたら、人を恨み殺害することなど、考えなかったかもしれません。
でも、そんな考えは甘いでしょうか。人はやはり頑張らなくてはならないでしょうか。
がんばることは良いことです。
でも、がんばった結果がだめでも、それでも人としての価値は下がらない確信が必要です。
「そのままでいいんだよ」は、努力しなくてもいいとか、職場や学校でうまくいかなくてもいいという意味ではありません。
そのままの君で、人として十分に価値があるという意味です。価値がある素晴らしい存在だからこそ、もっと磨きをかけるために頑張ろうと思うことが大切です。
「そのままでよい」ことと、上を目指して頑張ることは、矛盾しないのです。
健康的な家庭は、夫婦の信頼関係があり、父母ともに子どもを深く愛していますが、同時に子どもは親の持ちものではなく、子どもには子どもの人生があると思える家庭です。
健康な親は、子どもが小さい時には抱きしめ、子どもが大きくなったら手放すことができる親です。
大学生になり、社会人になり、それでも親が大学内での生活や職場内での仕事ぶりまで面倒見続けることはできません。
子どもをしっかり愛し、そして子どもを自立させることが、親の役割ではないでしょうか。
そうではないと思います。
では、子どもが金メダルを取ればすべて親の手柄でしょうか。そうではないでしょう。子どもは親の影響を強く受けますが、それでも子どもは子どもです。
(今、テレビドラマ「アイシテル」では、子どもが子どもを殺した事件を舞台に、加害者、被害者双方の家庭を描いています。簡単に親を責めることはできません。)
親は子を愛しています。しかし、その愛がいつも伝わっているとは限りません。
子どものためだと言いながら、自分の理想を押し付け、勉強を強制などしたら、愛は伝わらないでしょう。大切なのは、子どもが愛されている実感を持つことです。
愛することは、甘やかすことではありません。健康的な愛は、子どの成長を願います。子どもができることまで親が先回りして甘やかすことはしません。
むしろ、愛の土台を与えることで、子どもは進んで冒険の旅へ出て行くのです。
犯人はもちろん悪いことをしました。被害者とご遺族は、本当にお気の毒です。社会はまず、犯人の逮捕と正しい裁き、そして被害者の保護を考えなくてはなりません。
しかし、それで終わりにしてはいけないと思うのです。
犯罪は社会を映す鏡です。犯罪を通して、私たちは自分たちの社会を考え、自分たちの家庭を考えていきたいと思っています。
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