新潟青陵大学大学院(碓井真史 /心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座) /犯罪心理学/犯罪心理学入門




犯罪者になる3パターン

2011.2.24

福島章 著 『犯罪心理学入門 』(中公新書)


人が犯罪者になるパターンとして、3つあります。

1. 早発持続型 

人生の早い時期に犯罪を犯し、犯罪を繰り返すパターン。

少年のころから評判が悪く、小さな犯罪を繰り返します。その結果、進学も就職も上手くいかなくなる。良い友達もできない。周囲から、「不良」「非行少年」とレッテルをはられる。そんなふうに見られれば、ますます悪の道に入っていきます(ラベリング理論)。そして様々な違法行為のやり方を身につけて、大人になっても犯罪を繰り返すタイプです。
中学生の先生や親なら、危なっかしいこんな少年を何とか、悪の道から引き離し、更生させようとするでしょう。
おそらく全国の中学校に、校則を破り、不良少年のファッションに身を包み、授業をさっぼり、タバコ、万引き、深夜の盛り場俳諧、無断外泊など、トラブルを起こし続けている少年たちがいることでしょう。
こんな状態では高校に進学することもできなかったり、高校でも問題を起こし、中学では「悪ガキ」で住んでいたものが、「非行少年」となり、そして成人の犯罪者となってしまう人もいるでしょう。
ただし、関係者のみなさんの努力によって、中高生の時にはづいぶんワルだったけど、その後、立派な大人になった人ももちろんたくさんいます。鑑別所や、少年院に入った少年たちでも、その後立派に更生している人は、もちろんたくさんいます。

2. 遅発持続型 

ある程度の年齢になって、初めて犯罪を犯し、その後、犯罪者としての生活を続けるパターン。

今までは犯罪とは無縁だったのに、何かのきっかけで犯罪者となってしまい、その後、まっとうな世界には戻れず、犯罪を繰り返すタイプです。人生の失敗から、犯罪に走る人もいるでしょう。誘惑に負けて犯罪で利益を得てしまう人もいるでしょう。ある人から実際に聞いた話ですが、その人は輸入関係の仕事をしていました。景気が良かった頃はずいぶん儲かっていたのですが、景気が悪くなり仕事がうまくいかなくなったときに、密輸に関する誘いを受けたそうです。この方は幸い断ったそうですが、ここで悪の道に入っていれば、遅発持続性の犯罪者になってしまっていたでしょう。
一度犯罪を犯し、刑務所に入り、出所後に更生しようと思っても、仕事を失い、社会的信頼を失い、家族を失って、結局また犯罪の道に戻る人もいるでしょう。あるいは、一度目は周囲も許してくれるのですが、二度目になると、周囲も許してくれず、常習者になっていくこともあります。覚せい剤で何度も逮捕される人などは、このパターンでしょう。

3. 遅発停止型(一回性) 

ある時、魔が差してしまったように犯罪を犯すが、その後は普通の生活に戻るパターン。

たしかに犯罪を犯しましたが、心の底から反省し、罪を悔い、更生していく人達です。私たちは、誰もが犯罪を犯してしまう可能性を持っているわけですが、絶望せず、周囲の支援を受けることで、人生をやり直すこともできるでしょう。
新たな犠牲者を出さないためにも、出所後の社会的支援はとても大切です。

犯罪者の性格 ・ 犯罪者の精神分析・ 犯罪の社会学、社会心理学 環境の影響

犯罪心理学入門

「犯罪心理学:心の闇と光」へ戻る

ウェブマスター碓井真史の本
あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ
いのちについて考える全てのひとのために
誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
  秋葉原通り魔事件、八王子通り魔事件などから考える現代の問題

碓井真史のツイッター 碓井真史のフェイスブック


少年犯罪の心理、非行の犯罪心理学
秋葉原通り魔事件(秋葉原無差別殺傷事件)の犯罪心理学
バージニア工科大学銃乱射事件の犯罪心理学
通り魔事件の犯罪心理学(池袋通り魔事件・下関駅通り魔事件)
大阪児池田小学校童殺傷事件の犯罪心理
17才バス乗っ取り事件の犯罪心理(佐賀バスジャック事件)


BOOKS


ウェブマスター碓井真史の本

誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』(アマ
  愛される親になるための処方箋 ・親からの愛を実感できなかった青年の行き着いた先
人間関係が上手くいく嘘の正しい使い方ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』(アマゾン)
  上手な愛の伝え方 ・追い詰めない叱り方

ウェブマスターによる新刊(2010年5月27日発行)
あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ
自殺といのちについて考える全てのひとのために

***



「心理学総合案内・こころの散歩道」から5冊の本ができました。
2008年9月緊急発行
碓井真史著『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』
誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
2008年8月発行
碓井真史著『嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』
人間関係がうまくいく図解嘘の正しい使い方:ホンネとタテマエを自在にあやつる!心理法則
2000年

なぜ少年は犯罪に走ったのか

2001年
「ふつうの家庭から生まれる犯罪者」
ふつうの家庭から生まれる犯罪者

2000年

なぜ少女は逃げなかったのか続出する特異事件の心理学
「誰でもいいから殺したかった青年は、誰でもいいから愛してほしかったのかもしれない。」
☆愛される親になるための処方箋  本書について(目次等)
『ブクログ』書評「〜この逆説的かつ現実的な取り上げ方が非常に面白い。」
・追い詰めない叱り方。上手な愛の伝え方 本書について(目次等)
bk1書評「本書は,犯罪に走った子ども達の内面に迫り,心理学的観点で綴っていること,しかも冷静に分析している点で異色であり,注目に値する。」  本書について 「あなたは、子どもを体当たりで愛していますか?力いっぱい、抱きしめていますか?」 本書について 「少女は逃げなかったのではなく、逃げられなかった。それでも少女は勇気と希望を失わなかった。」 本書について

「犯罪心理学:心の闇と光」へ戻る
一般的な犯罪の心理、殺人の心理などはこちら。




「心理学総合案内こころの散歩道」
トップページへ戻る

アクセス数3000万の心理学定番サイト

茨城取手刺傷事件

心理学入門社会心理学心のいやし・臨床心理学やる気の心理学マインドコントロール| ニュースの心理学的解説自殺予防の心理学犯罪心理学少年犯罪の心理宗教と科学(心理学)プロフィール・講演心療内科心理学リンク|今日の心理学投稿欄(掲示板)